第一印象は、『出口デカっ!』
そして、その見た目の迫力とは裏腹に、『やけに静かだなぁ』でした。
でも、それだけで終わらないのが、このマフラーの良い点でしょうか。
排気の流れは、
触媒からの接続フランジ部分からセンターパイプ出口まで70Φの直管で、サブサイレンサーはありません。
消音のためにパワーチャンバーが付いています。
これはパイプに絞りを設けずに排気脈動で音を打ち消し合い、消音する仕組みで、センターパイプに横穴で繋がっています。
リヤピースは入口フランジが70Φ→左右分岐はY字形状で、管長を抑える為に角度が後方に向けて若干オフセットされています。
分岐からはそれぞれ60Φで、サイレンサー(160Φ)へと続きます。
サイレンサー内部も60Φのパンチングです。そこから出口へ向けて曲げ→50Φファンネル→115Φチタンアウターカールテール
となっています。
センターパイプから分岐までの間はオール70Φの設定です。
出口直前に音色の調整に50Φのファンネルがありますが、分岐までは70Φで来てますし、左右出しですから容量的には問題無いと思います。
また、このファンネル部はブラック処理されているので、大口径マフラーにありがちな『わかっちゃいるけど、中がまる見えでガッカリ‥』な部分をスマートに見せてくれます。
真後ろからみても、よく見ないとわかりません。
構造的には出口まで全て直管です。
このメインパイプ径について、なぜ80Φではなく70Φなのかを尋ねたところ、パワーアップの点では必ずしも大径ならば良いというものではなく、80Φに拡大してもほとんど差が出ないとの事。
むしろ最低地上高を稼いだほうがメリットが大きいとの判断で70Φを採用した、とのお話しでした。
タイコの形状については、純正形状タイプも検討されたようですが、効率の面ともうひとつは、タイコが焼けてきた時にシミみたいになって見た目が悪くなる、という点で現在のカタチになったようです。
確かに自分の純正タイコも怪しい色合いに‥
テールはチタンの焼き色付きでアウターカールになっています。写真で見ると『派手』かとも思いましたが、装着した状態で見ると、これがかなりサマになってます。
カール部分があるので、カットテールと違い、真後ろから見てもブルーの焼き色が綺麗に見えます。
115Φの左右出しは、見た目のインパクトは大きいです。115って普通なら一本出しサイズですよね。
しかもアウターカールなので外径は120Φ近いです。
効率だけなら、こんな大口径は必要ないですが、見た目も大事だろーってトコですよね。
もう、小さいマフラーに戻れません

テール部分にはスライド機構が付いていて、付属のヘキサゴンレンチで最大3cm延長ができます。
一番引っ込めた状態で、純正バンパーにジャストフィットな感じですが、後々ディフューザーを追加したり、バンパーを変更した場合など、お好みで微調整ができます。
この調整機構のビスとスリットも、テールサイドの見た目のアクセントになっています。
メカメカしくて、お気に入りな部分です。
最初はちょっと派手かな、と思っていたはずなのに、今はすっかりお気に入りで、マメに掃除してあげたくなります

個人的な要望としては、焼き色付きにまだちょっと抵抗がある人の為に、ステンのインナーカールテールも別売りで作ってくれたら、もっと幅広い年代にアピール出来るんじゃないかなぁと思うなぁ、と話をした所ですが、JASMA認定の面で、おいそれとは出来ないみたいでした。

EVO TUNE I.E用でいいから作って下さいミウラさん

あとは自己責任でもいいじゃない‥
希望がある人はGP SPORTSさんに要望出しましょう!もしかしたら‥
サイレンサー部分の出っ張りも最小限に留まっていて、純正車高ではコンビニの車輪止めも余裕をもってクリアします。
このサイレンサーもかなりの鏡面でキレイです。
全体的に見ても、極力曲げで構成されていて、溶接部分が少なく、汚すのがもったいないくらいキレイなマフラーです。
温間時のアイドリングは、本当に静かです。程よく低音が効いたジェントルなサウンド。
エボXの高い遮音性もあって、車内では純正マフラーと比べても、大差のない音量です。
でも少し踏み込むと一気に存在感を増します。ちょっと走っただけで純正との違いは、はっきりとわかります。静かなだけのマフラーでありません。
特に、4000回転辺りからは、やや高めの乾いたサウンド。
音量も、静かなアイドリングからは予想以上な感じで、気持ちも高ぶります。
この回転域だと、ハーフスロットルで『ォオーン』って感じですが、フルスロットルだと『コオ゛ォォー』と、ウエストゲート大気解放してる?みたいな音で吠え

ます。
ブリッピングの音もイイ感じで、ついつい無駄なダウンシフトをしてしまいます。
アクセルオフ時の音も、なかなかのボリュームですので、MTならさらに気持ちイイかも知れません。
SPORTモードに入れるだけでも、やたらに楽しいです。
音を言葉で表現するのは難しいですが、低すぎず、高すぎず、耳触りの良い音です。
マフラーで音を出すと言うよりは、いかにも排気の音という感じで、予想以上と言っては失礼かも知れませんが、真面目な音がします。
音は機会があれば生で聞いてもらいたいですね。
自分もチャレンジしてみましたが、録音しても全然違う感じに聞こえてしまいます。
強いて言えばリッターバイクの音に近い感じで、でもそこまで軽くは無く、適度に低音も出るって感じでしょうか。
SSTのDレンジで負荷をかけずに走れば比較的静かに走れます。
高速での巡航も不快な『こもり音』は無く、長距離でも快適でした。
前途のような特性もあり、回転が上がると音量が増します。
朝一番など冷間時に回転が高まると、一時的ですがかなり大きくなりますので、早朝深夜など、シビアな環境での暖気は多少気になるかも知れません。
自分の駐車場も住宅街の一角ですが、早朝の暖気は走りながらしていますし、個人的には許容範囲だとは思っています。
トルク感も減る事無く、パワーも出ています。
自車の測定値はノーマル状態(301馬力)から約9馬力アップの310馬力出てます。
(走行距離約21000km、エンジンオイルはディーラーにて通常時5000km毎交換、測定時で交換後約1500km走行。エアフィルター純正品交換後、約700km走行。プラグは無交換の乗りっぱなしです。)
JASMA認定マフラーとして、充分な出来ではないかと思います。
軽く踏んだ実用域でのトルクダウンも感じられません。
総評するなら、優しく走れば静かに走れて、それでいて必要な時には気持ちの良い音と充分な音量、性能で応えてくれる、バランスを兼ね備えた良いマフラーだと思います。
見た目も攻撃的で、換えた満足感は高いです。
出口の見た目の大きさは最大級ではないでしょうか。
派手なディフューザーに負けないルックスになりました。
欠点は、この音のせいでアクセルを踏みたくなってしまい、燃費が悪化した事ぐらいでしょうか。
踏みたい誘惑に負けず、いつもと同じように走れば燃費自体は変わりませんので念のため(笑)
換えてから間違いなく、走りのモチベーションは上がりました。
『パワーが上がらないくらいなら作りません』と、担当のミウラさん言っておられましたが、音やタイコの見え方など、随所にそのこだわりが感じられるマフラーに仕上がっています。
見た目が気に入れば、非常にオススメなマフラーです。
良い事ばかり書くと回し者みたいでアレですが、これが売れても自分は得しませんし、とても気に入っているので独り占めしたいと思うぐらいです。
純正マフラーでドライブがマンネリ気味の方には特効薬になると思いますよ。
自社生産だからだと思いますが、凝った造りの割には価格もまずまずじゃないでしょうか。
リヤピースのみでも売ってますが、それだけの交換ですと、かなり静かなようです。
音量や性能はセンターパイプによる割合が大きいようですので、踏んだ時の音量やパワーを求める方にはセットでの交換をオススメします。
このレビューが少ないようなので、質問などあれば遠慮なくコメント下さいませ。
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