
この18年以上間、ほぼ毎日のように、
MoTeCを使用した競技用エンジン等の
トラブルシューティングと調整を行ってきた。
エンジン調整を行った回数は,4000回を超えると思う。
自慢にはならぬが、4000回の中で、
8機の,エンジンを調整中に落とし、反省を繰り返した。
しかし、最近の10年では、自分の調整ミスでエンジンを
痛める事が、年々減少して、最近はエンジン自責点は0,1%に。
(1000回に1機)
しかし・・・昨年、仕事納めの、大一番で、やらかしました!
それは、トルク105kg越え、出力も830馬力オーバーを狙って、
その年の最後に納車予定の車輌でした。
過去の経験では、ノーマルN/Aエンジンにボルトオンターボでは
50%増しまでの出力アップで、まず、トラブルが出た事は、稀でした。
70%、増しを超えると、ピストン、ガスケット、コンロッド等で、
持たないエンジンもありました。
でも、かなりの数のエンジンは100%増し以上にも、
ノーマルのまま耐えた、強靭なエンジンもありました。
今回の、このボルトオンターボ、50%増しの750馬力は、難なくクリアー!
次に狙ったのは70%増しの850馬力!
よせば良かったかも知れないが・・・本気でいけると信じていた。
お客様の希望の通り、1号車より大きく出力向上させてあげたかった。
(それ以上に、自分が見たかった・・・)
全開テスト中の5500回転近辺、105kg/mのトルクを計測した直後、ボソ!
その瞬間は「ただの失火かも?」、
アイドルの音聞いて「え~??!これは、まずいかも~」
持って帰ってエンジンあけてみました。
「ヘッドガスケットだけかも?」のはかない期待を、見事に砕いてくれました。
「シリンダーに縦にヒビ割れ」
「ノッキング痕は無いけどピストン縁が割れてる」
「燃焼圧力が薄いアルミシリンダー&ブロックと
ピストンの一番薄い、バルブリセスと1番リングの間の、強度を超えた様です」
「でも・・・こ、これは・・ ん~~!!エンジン全損!」
ノーマルエンジン強度の限界点を調べぬまま、攻め続けた私の、大失態です!
納期が一ヶ月遅くなって、今回、お客様には、多大なご迷惑をおかけしてしまいます。
が・・・幸いにも同型の新品を入手出来ましたので、一ヶ月遅れにはなりますが、
お客様には、750馬力仕様で新品エンジンで、ご返却させて頂きます。
去年最後の占いチャシダイ・・・・今年の運勢には全く関係ないサ!!!!!
(少しは学習しろ!)
Posted at 2010/01/23 01:04:49 | |
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