というわけで、無事に手元に届いた中古の右目だが、レンズも綺麗だし、モノは上々。さっそく今作戦の最大の難関である
「殻割り」に挑戦してみる。通常ヘッドライトはネジなどの他に、雨が入らないようにブチル・ゴムを使用して密閉防水してある。これらを引き剥がす作業が、牡蠣の殻を割るのに似ていることから、俗称「殻割り」と呼ばれているのである。
殻割りは非常に難度の高い作業とされており、先人達の記録を読み漁っても、「二度とやりたくない」とか、「レンズを割ってしまった」とか、成功しても「あとで水が浸入してライトが死んだ」とか、不吉な記載も多い。 ホントに、こんなのD.I.Y.歴3か月の私に出来るのか? ま、とにかくやってみるべ!
結局、問題は
「ブチル・ゴムをどう処理するか」の一点に限られてくる。ブチル・ゴムは温めれば水飴のように軟らかくなるので、熱して軟らかくしておいてから引きちぎるようにレンズを外すのだが、これがなかなか難しいらしい。ドライヤーやヒートガンであぶったり、熱湯に漬けたりしている例が多いようだが、私は今回、
ガス・ファンヒーターを使用することにした。
予めライトのレンズを固定している5本のネジを外しておく。そして段ボールを利用して加熱用のボックスを作ってやる。おそらくサイズはギリギリの大きさにしておいた方が熱の輻射により、全体に熱が回りやすいだろう。今回はライトを梱包していたボックスを改造して再利用。このボックス内にライトを入れ、ファンヒーター前面に置き、
20分加熱してやることにする。ファンヒーターの温度設定は設定上限の30度だ。
ちなみに、段ボールについている銀色に輝くアイテムは
天ぷら用油温計だ。だって温度計が家になかったんだもん…ま、
なんでも使うのが、せば流さ! なんせ天ぷら用…しかも油温計なので信頼度ゼロだが、ボックス内温度は約
75度にまで上がる。サウナ並だね。
そうこうしているうちに加熱時間が終了。
火傷防止のために軍手を装着し、そっと慈しむようにヘッドライトを取り出す。
のるかそるかの一発勝負!
緊張が交感神経系を賦活させ、血圧と脈拍数を飛躍的に増大させる。
ノルアドレナリンの過剰分泌により、室温の上昇にも関わらず冷たい汗が噴き出す。
瞼を閉じ、大きく息を吸い、呼吸をとめる。
そして
くわっと眼を見開き、両手に力を込める!
喰らえ!! いざ、天地照覧!!
べりっ
おおおお、
大成功!! しかもあっさりと成功!! え、ホントにこんなに簡単でいいの? ってくらいだ。どうも調べていくうちに、不安ばかりが増大してしまったようだ。「案ずるより産むが易し」とは正にこのことだね。
具体的には青丸の部分あたりを持って一気に引き剥がすだけ。充分にブチルが温まって軟らかくなっていれば、工具も馬鹿力も一切不要だ。引き剥がす際に、赤矢印のような小さなフックが上下に2か所ずつあるので、そこだけ指で持ち上げて外してやればオッケー!
殻さえ割ってしまえば、こっちのものだ。中のネジ類を外して4枚下ろしにした図。もう最大の難所は越えたと言って過言ではないだろう。くっくっく、ようやく閉じこもっていた殻から出てきやがったな。さぁ、どうやってイジってやろうかねぇ…ぬっふっふ。
Posted at 2009/05/27 12:05:20 | |
トラックバック(0) |
D.I.Y | 日記