
純正セキュリティアラームのレトロフィットも今回で最終回。
ようやく全ての作業が完了したので記録として残しておきたいと思います。
文末にパーツリストと気になるお値段も書いておきますね。(笑)
ではまずルーフ機能センターをセキュリティアラーム対応のものに付け替えます。
ルーフ機能センターとはこいつのこと。
ルームランプとか読書灯とか呼ばれているやつですね。これをセキュリティアラーム対応のものに取り換えます。
サンルーフ付きの車両の場合は取り換えなくても大丈夫のようですが、うちの車にはサンルーフがついていないので交換が必要でした。
ルーフ機能センターが必要とするK CAN2の信号線をFEMから取り出すため、助手席の足元をばらします。
※作業に先立ちバッテリーのグランド側は外しておきましょう。
ばらすのは
①グローブボックスの下パネル
②ドアのサイドシルカバー
③サイドトリムパネル
の3カ所です。
①グローブボックスの下パネルは10mmのボルト2本で止まっているだけです。(意外に簡単)
写真の丸印の2か所を外し、グニュグニュとパネルを揺すれば外れます。
ただしパネルの内側に足元用LEDがありますので勢いよく引っ張らず、パネルを少し引き出したらLEDのコネクターを外してからパネルを取り除きます。
②サイドシルカバーの取り外しはこちらの記事をご参照ください。
サイドシルカバーの外し方
③サイドトリムパネルは写真の丸印のあたりの3つのクリップで止まっているだけです。
なので、内張り外しを隙間から差し込み、ゆっくり引っ張れば外れます。
※初めて外しましたが、3つのうち1つのクリップの台座が半分に割れていました。
おそらくDの作業で割ったんでしょうな。
サイドトリムパネルを外すとFEMが見えてきますが、ここで予習です。
FEMには10個もコネクターが刺さっており、各コネクターは10~54のピンが出ています。
また同じ信号線でも複数のコネクターから出力されていることもあるので、事前にどのコネクターのどのピンから情報を取るかを確認しておく必要があります。
今回取り出したいのはK CAN2。
調べたところ3つのコネクターから取り出せることが分かりました。
一番わかりやすいのはA173*10Bのコネクターだったのですが、コネクターを隠すように色々と他の部品がついていたため、ここから取り出すのは断念。
A173*8Bコネクターの49, 50ピンから取り出しました。
実際の写真がこちら。
フロアカーペットが半分ほど覆い隠しているのと、さらにその内側に正体不明の部品とコネクターがFEMを隠しており、簡単に外せるのはA173*7B, 8B, 9Bの3つだけでした。
A173*8Bは写真の四角の枠の位置(青いコネクターの隣)についています。
コネクターは、レバーを上に起こせばテコの原理で簡単に外れます。
A173*8Bのコネクターをさらに分解します。
写真の矢印の2か所に精密ドライバーを同時に突っ込み、爪を外しながら反対側からコネクターを押してやるとカバーとコネクターに分離できます。
外したコネクターから間違えないように49番と50番のピンを2本引き抜きます。
引き抜く際は
コネクターツールか精密ドライバーでピンの爪を軽く押し込んでから引っ張って抜きます。
引き抜いたスロットに分岐用のピンを差し込みます。
分岐元のソケットに引き抜いたピンを差し込めば分岐完了。
分岐パーツの作り方はこちらの記事をご参照ください。
純正ハーネスを傷つけずに分岐する方法
ここまででFEM周りの作業は完了。
サイドトリムパネル、サイドシルカバー、グローブボックスの下パネルを戻しておきましょう。
また分岐したK CAN2はHiとLoがあるので間違えないように色の違うハーネスをつけ、Aピラーカバーの下を通してミラーのところまで持ってきます。
ではいよいよ天井の作業。
ミラーのカバーを分解します。
ミラーカバーの外し方はこちらの記事をご参照ください。
バックミラーカバーの外し方
ルーフ機能センターを取り外します。
化粧パネルは車両後方側の半分(ライトの付いていない部分)だけが外れます。
化粧パネルと本体の隙間に内張り外しを差し込んでゆっくり引っ張って外します。
次に写真の四角の穴(左右2か所あり)にマイナスドライバーを突っ込み、金属の爪を内側方向(左の穴だと右方向、右の穴だと左方向)に押し込みつつルーフ機能センターを引っ張ると、「ボコッ」と外れます。
この作業は左右片側ずつ順番にできます。(左右同時じゃなくてよい)
ルーフ機能センターにはコネクターが3つ刺さっています。
A21*1Bと2Bと呼ばれる大きめのコネクターは簡単に外れるのですが、反対側にあるA21*3Bはなかなか外れません。
この写真をよく見ていただき、左右にぴょこっと飛び出している四角い部分を精密ドライバーで押しながら引っこ抜く必要があります。(これが結構難しかったです。右を外すと左が抜けず、左を外すと右が元に戻り・・・)
さて最終決戦ならぬ最終結線の前に再び予習です。
ルーフ機能センターのA21*1Bのコネクターに6本の線をつなぐ必要があります。
②の図をよく見て、間違わないように結線します。
A21*1Bの1ピンには2Bコネクターの2ピンから分岐した電源を。
A21*1Bの2ピンには2Bコネクターの3ピンから分岐したグランドを。
A21*1Bの3ピンにはバックミラー下のLEDにつなぐ線を。
A21*1Bの11ピンには左リヤタイヤハウスに取り付けたサイレンからの信号線を。
A21*1Bの14ピンにはFEMから取り出したK CAN2のHIを。
A21*1Bの15ピンには同じくFEMから取り出したK CAN2のLOをそれぞれつなぎます。
実際の写真がこちら。
まだ作業途中のものですが、完成形を撮るの忘れてました。(ご勘弁を)
最後にミラーの根元にある4ピンコネクターの空き3番スロットにA21*1Bの3番からくる線をつなげば結線はすべて完了です!
いや~~長かった。
あたりはすでに真っ暗!
全てのカバーを取り付けなおし、電源をつないで車に異常がないことを確認。
ドアをロックするとこの通りです。
コーディングは以下の手順となります。
1.VOコードに'302'を追加
2.[Detect CAF for SWE]を使ってFZDにCAFDファイル2つ'CAFD_00000A07','CAFD_00000A08'を追加
3.[Code]でFZDにCAFDを書き込み
4.FEMおよびHU_NBTをコーディング
これで完了です。
FEMコーディングとHU_NBTの設定項目はNcdCafdToolでご自身の車に合うものをご確認くださいね。
私の車の場合は以下の通りでした。
<<< CAFD_00000794.caf.017_068_102 (FEM_01) >>>
FEM_01 > ClIntegration 3041 > CLI_ZS_RELAY_ASSEMBLED = nicht_aktiv [変更なし]
FEM_01 > LceMaster 3060 > DWA_BLINKEN_ENABLE = aktiv
FEM_01 > LaMaster1 3073 > LUT_FLC_FORWARDLIGHTING_Y = F020_ohne_AFS [変更なし]
FEM_01 > RemoteControl 30D0 > RC_PANIC_ALARM = nicht_aktiv [変更なし]
FEM_01 > RemoteControl 30D0 > RC_4_BUTTON_SPFN = nicht_aktiv [変更なし]
FEM_01 > RemoteControl 30D0 > RC_DEFAULT_IDG_4TH_BUTTON_LONG = Wert_00 [変更なし]
FEM_01 > PfInternalMirror 3120 > PF_INMI_LIN_VAR = nicht_aktiv [変更なし]
<<< CAFD_00001EF6.caf.006_031_018 (HU_NBT_EVO) >>>
HU_NBT_EVO > HMI 3000 > ACOUSTICAL_LOCK_CONFIRM = aktiv
HU_NBT_EVO > EXBOX 3001 > DWA = aktiv
コーディングが終わるとこんなメニューも出るようになります。
またドアをロックすると「ピッ」と電子的な音が鳴り、ロックを解除するとゆっくり「ピッ、ピッ」と2回鳴ります。(国産車に比べてちょっと音がちゃちいかな)
FZDをコーディングすると他にも色々弄れるようですが、今日のところはここまで。
ロック確認音 ON/OFF
確認音 回数、持続時間、音量、周波数、間隔時間
警告音 欧州/米国/英国(周波数と音の鳴る回数に違いがあります)
警告音 音量、周波数
最後に気になるパーツリストとお値段です。
■ルーフ機能センター
61316826921(\6,282 中古・送料込み)
■傾斜センサー付き緊急サイレン
65759493759(\6,370 中古・送料込み)
■非常用サイレンホルダー
65759224277(\2,589 新品・送料込み)
■メス側コンタクト MQS ケーブル付き
61130005197(\1,040 新品・送料込み)
■リペアキットソケットハウジング
61132359998(\956 中古・送料込み)
■メス端子 ELO 電源 2.8 x 0.63
61138364834×4(\1,310 新品・送料込み)
■電材・その他
0.5sq :信号線
0.75sq :電源線
タイラップ
ビニールテープ
合計 18,547円+α
純正オプションで付けたら10万は下らない(はず。付けたことはないです)ので、色々楽しめてこのお値段なら、まあ安いですかね。
でわ。