75年前…
日本犯罪史上最大の大量殺人が…
津山事件(つやまじけん)または津山三十人殺し(つやまさんじゅうにんごろし)は、1938年(昭和13年)5月21日未明に岡山県苫田郡西加茂村大字行重(現・津山市加茂町行重)の貝尾・坂元両集落で発生した大量殺人事件。
犯人の姓名を取って
都井睦雄事件ともいう。
2時間足らずで30名(自殺した犯人を含めると31名)が死亡し、3名が重軽傷を負うという、犠牲者数がオウム真理教事件(27名)をも上回る日本の犯罪史上前代未聞の殺戮事件であった。
勿論、『八つ墓村』 横溝正史
『丑三つの村』 西村望
『龍臥亭事件(上・下)』 島田荘司…等
映画のモデルにもなったので御存じな方も多いでしょう…。
実は私はこの事件が起きた貝尾に一度行ったことがあります。
その時はジムニーで行きました。
空気が重くどんよりとした…そんな場所でした。
5月21日と刻まれた墓石が…たくさんありました。
ジムニーから一歩も出る(降りる)ことが出来ませんでした。
夜は絶対に…昼間でさえ・・・・
もう行きたくないわ~!!
今日5月21日はこの事件が起こった日です。
午前1時40分頃、一人目を殺害
午前3時頃、三十人目殺害
午前5時頃 睦雄自殺
わずか一時間半で・・・
30人を殺るのは常人の沙汰ではありません。
※(事件の概要に興味がある方は『津山三十人殺し』で調べてみて下さい。)
ここで私は言いたいのは…
むっちゃん(都井睦雄)は…遺書にこう書いてます。
「
決行するにはしたが、うつべきをうたずうたいでもよいものをうった、
時のはずみで、ああ祖母にはすみませぬ、まことにすまぬ、
二歳の時からの育ての祖母、祖母は殺してはいけないのだけれど、
後に残る不びんを考えてついああした事をおこなった、
楽に死ねる様にと思ったらあまりみじめなことをした、まことにすみません、
涙、涙、ただすまぬ涙がでるばかり、姉さんにもすまぬ、
はなはだすみません、ゆるして下さい、
つまらぬ弟でした、この様なことをしたから(たとい自分のうらみからとは言いながら)決してはかをして下されなくてもよろしい、
野にくされれば本望である、病気四年間の社会の冷胆、
圧迫にはまことに泣いた、親族が少く愛と言うものの僕の身にとって少いにも泣いた、
社会もすこしみよりのないもの結核患者に同情すべきだ、
実際弱いのにはこりた、今度は強い強い人に生れてこよう、
実際僕も不幸な人生だった、今度は幸福に生れてこよう。」
事件発生からちょうど70年後にあたる2008年(平成20年)、
『週刊朝日』5月13日号にて津山事件関係者(90代老人)による証言記事が掲載されました。
当時村に残っていたとされている夜這いの風習についてはこれを強く否定している…。
でも
実際『夜這いの風習』は確実にあったのです。
そんな中、都井睦雄は結核疑惑差別と重なり村の中で激しい差別を受ける。
当時、夜這いの習慣を撲滅することが
政府には必要だったのです。
その理由のひとつには兵隊さんが故郷に残した妻や許婚を寝取られる心配なしに心おきなく戦って欲しいということ。
もうひとつは国家が“性”を管理して、無料の夜這いではなく有料の売春で
税金を儲けたいということ。
それで夜這い撲滅のスケープゴートとして、この事件は大々的に使われたのが事実なのです。
差別にも色々あって・・・
結核の家系を「ロウガイスジ」と言い、この差別は
明らかに陰惨でした。
他にも病気で言えば…
ハンセン病(らい病)の人を「かったい」と言い
(『かったいのかさ恨み』のことわざもある。重い病気の人が自分よりも軽い病気の人を嫉妬すること。
(注意:今の時代ではもはや完全に死語であり、差別的な意味合いを含んでいます。)
昔は、らい病患者は一般の道を歩くことが出来ず、獣道と並び、らい病者が歩く「かったいの道」があったと言われてます。
それ程、差別が根強かったのですね。
話が逸れましたが・・・
当時の農村では、とても濃いかった人間関係。
(ましては穴兄弟や竿姉妹がたくさんいる様な…)。
それから孤立してしまう辛さ差別は、現代の孤立してしまう辛さよりはるかに大きかったのかも知れません…。
「本当に恐いのは、強い悩みやストレスを長期的に抱えながらも誰にも相談できず、
解決できないまま、孤立してしまうこと。
その結果、哀しいことだが、独善的で反社会的な解決方法を導き出して、
実行してしまうことではないだろうか。
考えてみれば、多くの事件の加害者も、こんな状況に追い込まれていたのかもしれない。」
『津山三十人殺し 最後の真相』石川清氏の文より
現代でも複雑な人間関係の中、いじめ・差別等で
辛い状況に置かれている人間はたくさんいると思います。
(通り魔事件を起こすよりも自殺してしまう方がはるかに多いのですが…)
古来、日本は『和』が基本で人と人との関係が重要でした。
和とは、空気を保つことである。
『空気読め』という言葉ほど日本人の特性を見事に表現しているものはないですね。
和とは空気を保って仲良くやることです。
しかしその裏で、和から少しでも外れると排除する傾向があるのも事実。
日本古来からの歴史、差別や淫靡な世界(タブー)を知り理解しなければ、この事件の本当の姿を見ることは出来ないのです。
※このブログには差別用語が含まれますが、文書・解説に必要でしたのでご了承ください。
Posted at 2013/05/21 15:18:19 |
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あの事件を追え!! | 日記