
思い出話はそこそこにして、今じゃ少数派でしょうがスターレットチューニングされている方向けに、経験を含めてEPチューニングを語ってみましょう。
かなりマニアックなので、機械的興味の無い人はスルー必須です。
私のEP82の最終仕様をかいてみましょう。
「エンジン」
EP91用4E-FTE載せ換え(TRD強化マウント使用)
メタルヘッドガスケット
リコーレーシングステンエキマニ+ブリッツK1タービン(ブースト1㌔)
JAMレーシング240度ハイカム(ヴィッツ用リフター流用インナーシム化)
ワンオフサクションパイプにて右吸気
JZA80スープラ用燃料ポンプ
SARDフューエルレギュレター
アルミ2層ラジエーター
16段オイルクーラー
JAMレーシング、前置きインタークーラー
現車合わせ燃調セッティング
パワステポンプ、エアコン撤去
「ミッション」
TRD機械式LSD
レビン用3速4速流用(C52改C56ミッション)
ファイナル4.312
クロモリフライホイール
TRDメタルクラッチ
「ボディ」
セーフティ217点式ロールバー+サイドバー
中期純正リヤトライアングルパフォーマンスロッド
シングルシーター化(内装ドンガラ仕様)
FRPボンネット+FRPリヤハッチ
フロントガラス以外、全てアクリルウインドウ
軽量バッテリー助手席部移動
その他、徹底的にボルト、ワイヤー等間引き
「サスペンション及びブレーキ」
フル強化ブッシュ化
TRDレース車高調(バネレートフロント10㌔、リヤ12㌔)
クスコ調整式ピロアッパー
ワンオフロールセンターアダプター
クスコロアアームバー
調整式ラテラルロッド
レビンSS用ブレーキ流用(キャリパー、ローター)
ステンメッシュブレーキホース
大体こんな感じでしょうか。
忘れている事も結構あるかな。
レース前提に作ってましたので、とにかく軽く、コースでの戦闘力の高い車を目指して造ってました。
ノーマルでも860㌔しかない軽い車体を軽量化して、最終的には750㌔くらいになってましたよ。
今の軽自動車よりも軽い車体に、チューニングした200馬力オーバーのターボエンジンにクロスミッションですから、かなり戦闘力は高かったですね~。
どの位かというと、間瀬のストレートエンドで軽々メーター振り切り。
裏の7番まででも180くらい出てましたね。
温まったBS540Sのソフトコンパウンドで、3速でもホイルスピンがとまらない位のパワー。
ライトチューンのS2000をメインストレートで全開にせず抜いていけるくらいでしたね。
ちなみに旧間瀬のコースでブーストアップ仕様でも7秒6出てました。
あとフェンダーも20ミリくらい外に出して、フロントをワイドトレッド化してましたね。
タイヤは205ないし215幅のフロントタイヤに、リヤは195幅くらいで前後15インチ。
間瀬は裏の7番の飛び込みと最終コーナーがキモなので、そこでのクリップまでの速さといかにアクセルを開けていけるかを狙ってバネレートはフロント10㌔、リヤ12㌔。
リヤが変にロールすると、ケツが飛んで横向いちゃうので、リヤ固めのセッティングでした。
まぁ、サーキット専用に造った戦闘機だったので結構ハードな仕様になってましたね。
エンジンの考察です。
4E-FTEはピストンが弱く、大体200馬力を超えてくるとタナ落ちします。
私も2回、タナ落ちを経験してます。
なので、これ以上のパワーを望む場合は、ピストンを鍛造に変える必用があります。
もっとパワーを望む人なら、5E(1500)ベースで強化コンロッド、鍛造ピストン、ハイカム、TDタービン等使ってフルチューンすれば350馬力以上は狙えます。
もっとも、ゼロヨンや最高速をやらない限り必要ない大パワーですけどね。
このレベルまで行くと、サーキットじゃトラクションかからず持て余すでしょうね。
ブーストアップで楽しみたい人は、まずはアクチュエーターを強化しましょう。
格段にブーストのレスポンスが良くなります。
あとは触媒撤去は必須。
あと純正のサクションの形状とエアクリーナーの位置が悪いので、ワンオフでライト右側後ろからむき出しエアクリーナーで吸わせましょう。
これだけでもかなりブーストのレスポンスがビンビンになって面白いですよ~。
ちなみに前置きインタークーラーにするとパワーは上がりますが、今度はインタークーラーのせいで熱をひろってしまって、水温が上がりやすくなります。
ディーゼル用ラジエーター流用、もしくはアルミラジエーターへ交換が良いですね。
E型エンジンはオイル容量も少なくフルノーマルでも油温が厳しいので、オイルクーラーも必須です。
峠レベルなら10段、サーキット仕様なら16段。
ターボなだけに、熱対策が必須となります。
車全体のバランスとしては、かなりのフロントヘビーは車なので、それをいかに上手く動かすかがカギになります。
EF、EG、EKシビックのダブルウィッシュボーンのような良い足が着いていれば良いのですが、フロントストラットにリヤビーム。
簡単に言えば、大きくなった軽自動車みたいな足。
スターレットで一番ネックになるのがこの足なんですね。
ストラットは良いとしても、リヤのビームに悩むんです。
基本的に強アンダーな車です。
リヤは限界を超えたときの動きはピーキーなので、下手にリヤをスライドさせるようなセッティングは危ないだけです。
コーナーの限界はシビック勢の方が数段上です。
ウエットになると、もうお話にならないくらい勝負になりません。
この辺はホンダの造りの良さが羨ましい限りですね。
それでも最強の武器は軽さ。
これをいかに速さに変えるかが勝負なので、曲がりにくい車をどう曲げていくかセッティング勝負です。
あとLSDは小さいサーキットなら1ウェイ、速度の乗るサーキットなら1.5ウェイがオススメかな。
私は1.5を使ってました。
あと効きも強めをオススメします。
クリップから先で、アクセルをあけてフロントが巻き込む位が良いかな。
基本的にトラクションのかかりづらい車なので、LSDはかなり重要なパーツになります。
「まとめ」
はっきり言って、エンジンファスターなアンバランスな車です。
ですが、今や稀少な超軽量ターボはセッティング次第でモンスターマシンになります。
私の乗っていたEPでさえも、フルブースト掛けるとまっすぐに走らないくらいじゃじゃ馬でしたね。
チューニングカーに馴れた人でも、怖くて全開にできないって言う位の暴れっぷり。
このじゃじゃ馬を手名づける面白さこそ、スターレットチューニングの醍醐味。
ブーストメーターが跳ね上がった瞬間から、蹴っ飛ばされる様な加速。
最近の優等生的な車たちとは全く違う危険な匂い。
コイツの麻薬のような刺激を1回味わうと、やめられませんよ~。
今でも頑張ってるスターレット乗りの皆さん。
頑張って~!!!