先日のPhotomate887についての日記中に、デジスパイスのGPSログデータを変換してLAP+View.netに読ませると走行ラインがカクカクになってしまい、10Hzに対応していないLAP+View.net側の問題ではないかと記載しましたが、その後、他の方からメッセージを頂き、別の物が原因と判明しました。
https://minkara.carview.co.jp/userid/507493/blog/16299477/
今回利用したデジスパイスのGPSログデータは、デジスパイスのデモ版に付属していたmotegi_sample_20090713.binというファイル。データ収集場所はツインリンクもてぎ。このままではLAP+Intakeに読ませる事ができないため、デジスパイスのGPSログファイルをNMEA形式のファイルに変換する「NMEAファイル出力ツール」というデジスパイス社が用意したソフトを使って変換するのですが、この変換したNMEAファイルが問題でした。
http://www.dig-spice.com/download/
変換したNMEAファイルをテキストエディタで強引に開くと1行目に、
$GPRMC,142805.800,A,36.531724,N,140.228193,E,0.1,316.8,130709,,,A*68
とあります。これは、RMCセンテンスと呼ばれるNMEA-0813フォーマットのGPS位置情報なのですが、このデータ形式が不正でした。どういうことかと申しますと、正常な他のサンプルを挙げて説明します。
RMC,225446.00,A,4916.452653,N,12311.123747,W,000.5,054.7,191194,06.2,W,A*68
上のデータの見方
225446.00 = 測位時刻(UTC) 22:54:46.00
A = ステータス;A = 有効,V = 無効
4916.452653,N = 緯度 49度16.452653分(北緯)
12311.123747,W = 経度 123度11.123747分(西経)
000.5 = 対地速度(ノット) 0.5ノット
054.7 = 進行方向(度,真北) 54.7度
191194 = 日付(UTC) 1994年11月19日
06.2,W = 地磁気の偏角 6.2度西
A = モード;A = 単独測位,D = DGPS,N = 無効
*68 = チェックサム
http://bg66.soc.i.kyoto-u.ac.jp/forestgps/nmea.html
RMCセンテンス(最大77バイト)
$GPRMC,hhmmss,x,ddmm.mmmm,N,dddmm.mmmm,E,nnn.n,ddd.d,ddmmyy,ddd.d,x,a*cc[CR][LF]
測位時刻、日付、測位状態、位置、速度、進行方向等を出力します。
$GPRMC (固定)
hhmmss 測位時刻(UTC、時、分、秒)
x 測位状態
A:単独測位中またはDGPS測位中
V:未測位
ddmm.mmmm 緯度(度、分、1/10000分)
N N:北緯、S:南緯
dddmm.mmmm 経度(度、分、1/10000分)
E E:東経、W:西経
nnn.n 経度(000.0~270.0、単位:ノット)
ddd.d 真方位による進行方向(000.0~359.9、単位:度)
ddmmyy 日付(日、月、年)
ddd.d 磁気偏差(000.0~180.0、単位:度)
x E:磁気偏差が東より
(真方位-磁気偏差=磁気方位)
W:磁気偏差が西より
(真方位+磁気偏差=磁気方位)
a 測位モード
N:未測位
A:単独測位中
D:DGPS測位中
*cc 最初の1文字(*)に続いて
2桁のチェックサムを示します(00~FF)。
http://www.spa-japan.co.jp/DataBank/GM38m5.html
注目して欲しい値は、緯度と経度の項目。4916.452653→緯度 49度16.452653分、12311.123747→経度 123度11.123747分。これが正しいフォーマット。問題のデータの緯度と経度の項目は、
36.531724,N
140.228193,E
上記の正常のサンプルの緯度と経度の桁と比べるとどちらも桁が足りません。これだと、RMCセンテンス上では、おそらく緯度 0度36.531724分(北緯)、経度 1度40.228193分(東経)という扱いになってしまうのではないかと思われます。場所的には、緯度 36度31分54.206秒(36.531724), 経度 140度13分41.495秒(140.228193)という意味のつもりみたいですが、RMCセンテンスではこういう書き方をしません。なので、このせいでLAP+View.net上でおかしな表示なってしまった物だと思われます。
http://www.geocoding.jp/?q=36.531724+140.228193
結果、デジスパイス社側でRMCセンテンスのルールに則ったNMEA-0813フォーマットに修正してくれないと、LAP+View.net上で扱えないという結論になりました。
よって、LAP+View.net側の問題ではないかと記載しましたが間違いでした。ご迷惑をおかけしました。
◆2010年1月17日追記
1/5にNMEAファイル出力ツールがバージョンアップしてこの問題が修正され、解決しました。
https://minkara.carview.co.jp/userid/507493/blog/16563076/
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データロガー | 日記
Posted at
2009/12/29 04:29:35