
エンジンを載せ替える事は決断したわけですが、どういうエンジンを載せるのかのアプローチ方法は4パターンあります。
■メーカー純正エンジンに載せ替え
一つ目は、メーカー純正エンジンに載せ替える事。新品エンジンとリビルトエンジンの2種類があります。リビルトエンジンとは、中古エンジンを分解整備し、利用できないパーツを新品に交換して組み立てたエンジン。メーカー純正の中古エンジンオーバーホール品で、部品はショートエンジンのみ。補機類は付属して来ない。載せ替え前のエンジンは、メーカー下取りとなるため返品する必要があります。
他社の車メーカーだと、ショートエンジンCPT.(コンプリート)が存在していない事があり、エンジン関係の全部品をバラで注文しないといけなかったり(かなり割高)、解体屋などから中古エンジンを仕入れたりしないといけないのですが、この点マツダはメーカー純正リビルトエンジンが用意されているので良心的です。RX-8 TypeS(前期型)の場合のリビルトエンジン載せ替えの値段は、工賃込みで約65万円。
メリットは、マツダのDラーで作業できる事、エンジン保証期間中で保証が通れば無償でリビルトエンジンに載せ替えができる事、エンジンに保証がついている点、事前に値段が確定している点、明らかに粗悪なエンジンが載る事がない点など。デメリットは、リビルトエンジンの当たり外れが大きい点、サイドポート加工などのエンジンチューニングを施せない点、載せ替え前のエンジン内部を見ることが出来ない点など。
保証でエンジン交換できる状況なら、金銭的にメーカー純正リビルトエンジン載せ替え一択でしょう。また、普段利用しているDラーで作業できるのが一番のメリットで、代車の手配もまず心配なしです。
心配な点は、メーカー純正リビルトエンジンの精度のバラつきが大きい点。保証で交換ならともかく、有償で外れエンジン載せ替えになったらガッカリです。Dラーでエンジン載せ替える場合、基本的にショートエンジンのみ交換となるので、補機類など他の部品の交換は基本的にこちらから指示しないと交換しません。
また、メーカー純正エンジンが必ずしも最高とは言えません。8の純正サイドシールは短くて、メーカー純正の新品エンジンであってもコーナーシールとサイドシールのクリアランスは良くて基準値ギリギリというガバガバぶり。ここをもっと詰めて低速トルクや燃費、ブローバイの量を改善したいエンジンを希望の場合、メーカー純正エンジンは選択肢から外れる事になります。
■自車のエンジンをオーバーホール
二つ目は、今使っている自分のエンジンを降ろしてエンジンオーバーホール。メリットは、使えるエンジンパーツはそのまま引き継げる点、エンジン分解したデータをニューエンジンに活かせる点、エンジンチューニング可能、オーバーホールメニューが柔軟、エンジン以外の部分もチェック&作業してもらえるなど。デメリットは、車両ごとショップに持ち込まないといけない点、入庫してからエンジン分解なので入院期間が長い点、タイミングが合わないと分解した自分のエンジンを自分の目で見ることが出来ない点、入庫して作業を進めてからじゃないと金額が不明、悪質なショップを選んでしまうと悲惨など。
今まで使ってきたエンジンに愛着を持っていて、そのエンジンをベースにオーバーホールして生まれ変わったエンジンを載せ替えしたいと希望する人は多いと思いますが、その場合はこれ一択になります。エンジンブローしていなければローター二つとエキセンは使えるはずなので、各種処理されてからニューエンジンにその魂を引き継げます。ただ、ローターのカーボン落としなど時間がかかる作業があるので、入院時間はどうしても長くなり代車を借りれないケースも多いです。
ショップ選びが一番大変です。Dラーとしか付き合いがない場合、初めてのショップにいきなりエンジンオーバーホール依頼するのはハードル高いです。また、ショップによって腕の差がありますし、お金だけしっかりもらって実際はほとんどのパーツ使い回しという酷いショップもありますので、ショップ選びは慎重に。
■ショップのオーバーホール済みエンジンをデリバリー
三つ目は、中古エンジンをオーバーホールしたショップエンジンをデリバリーしてもらって載せ替えるパターン。載せ替え前のエンジンの下取りが必要。メリットは、普段お世話になっている整備工場やショップで載せ替え作業が出来る点(Dラーの一部の店舗でも取り扱い可)、作業前に金額がわかりやすい点、入院期間が短い点、エンジンオーバーホールするお店に行かなくてよい点など。デメリットは、デリバリーしてくれるショップが少ない点、送料が別途必要、元のエンジンの使えるパーツも移植できない点、選択できるオーバーホールメニューが少ない点、載せ替え前のエンジン分解に立ち会うのが難しい、載せ替え後にエンジン関連のトラブルが起きた時に対処が難しい点など。
8のエンジンのオーバーホールを依頼したいショップが遠方で、そこまで足を運べない場合はこれになります。エンジン+αの作業を考えている人に向いているメニュー。ただ、エンジンのデリバリーサービスを行っているショップは限られており、デリバリー可能なエンジンの仕様はほぼ決まっていて細かいオーダーはできません。
■ショップのオーバーホール済みエンジンに載せ替え
最後の四つ目は、中古エンジンをオーバーホールしたショップエンジンに載せ替えるパターン。載せ替え前のエンジンの下取りが必要。メリットは、入院期間が短い点、エンジンチューニングの自由度が高い点、エンジン以外の部分もチェック&作業してもらえる点、後で自車のエンジン分解を見ることが出来るなど。デメリットは、ショップまで車を預けに行かないといけない点、ベースとなるストックエンジンの準備が整っていないと入庫まで時間がかかる点など。
どうしても自車のエンジンをオーバーホールして使いたいという拘りがなく、ショップまで車を預けに行けるなら上記のエンジンデリバリーよりもお勧めです。載せ替え前のエンジンで使えるパーツは下取り。こういう仕様でエンジンを作って欲しいという細かいオーダーを受け付けてくれるショップもありますが、その場合はオーダーから入庫までの期間がさらに長くなります。
以上のようにいろいろ選択肢はありますが、今回私は4番を選びました。理由は今後のブログで書きたいと思います。
Posted at 2013/12/04 00:00:01 | |
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エンジンオーバーホール | 日記