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移ろい続ける新宿の風景。
しかしながらこの街の片隅には、今でもあの頃の破片が残っている。







職安通りに出ると、平日の日中とは思えない人波に相変わらず驚かされる。



韓流ブームに乗り続ける主婦達も、この百人町周辺の本来の姿を知らない訳でもないだろう。
ここが昔から女子供が気軽に立ち入ることが許された場所ならば、喧騒の直ぐ傍らにこんな風景は存在しない。



百人町には、つい10年ほど前までは70年代の刑事ドラマやヤクザ映画でもよく使用された簡易宿泊所や、薄汚い連れ込みホテルが無数に建ち並んでいた。
今でもそれらの残骸を見つけられるが、この熱狂が過ぎ去った頃には全てが失われているのだろうか。






新宿駅西口に出ると先日ケーブルＴＶで放映された「太陽にほえろ」で、犯人が籠城したスナックを見つけた。
映像に映った電柱の番地を頼りに来てみたが、店子や装飾は変わっていても2階のアルミサッシを見れば同じ建物であることがわかる。



スナックがあった通りも35年前とは変わり果てているが、七曲り署の刑事が駆け抜けた「新宿」は永遠に愛おしい街。




ちなみに犯人役は、その後に放映された刑事ドラマ「特捜最前線」でも活躍した横光克彦(現民主党議員）。
恋人を人質にした愛の逃避行には、やはり哀しい結末が待っていた。