ふと、考えてしまいました。
マナーなどは、おそらく昔も今も、
一部にひどい人がいて、大多数がフツーの人、少数の優良ドライバーという構図は変わらないのではないかと思うけど。
運転技術は、どーなんだろか?
最近目立つのが、脇道から左折して出てくるときに、反対車線まで大きくはみだして曲がるクルマ。
自分が広い道を走っているとすると、そのクルマは自分の右側から出てきて、本来対向車線内で、つまり自分の走っているこっちの車線には関係なく曲がっていくはずが、たいていこちらに大きく飛び出してきて、ブレーキをかけさせられてしまう。
直接の原因として、
ハンドルを切り始めるのが遅い
車速とハンドルを回すタイミングが合っていない
車両感覚がイマイチ
などが考えられますが、
みんながみんなとなると、昔は見られなかったことだけに、
ドライバーがみんなヘタクソになっているんじゃないか?と思えてきます。
もちろん、ハード側の大きな要因として、クルマの巨大化が挙げられます。
ランエボも途中から3ナンバー車体、レガシィも、インプレッサも、ハイラックスサーフも、数えたらキリがない、5ナンバーモデルからの拡大。
日本の道は狭いままなのに、広さと快適さをウリにしようと、モデルチェンジのたびに巨大になっていくクルマ。
これも要因のひとつとは思いますが。
自分は免許を取って32年、かつてATミッションは特殊なクルマでした。パワーウインドゥなどは、社長さんの乗るクルマにしか付いていなく、ETCも当然なく、高速の料金所では、こんな操作が・・・
1、右足でブレーキをかけながら左足でクラッチを踏んで左手でシフトダウン。
2、窓を右手で開ける。
3、左足でクラッチを踏み、右足でブレーキを踏んで停止。
4、右手で通行券を受け取る。
ここからがすごい!
5、左手で通行券を助手席に置きながら、右足のブレーキを離し右足でアクセルを踏みながら左足のクラッチをゆるめ、右手で窓を閉めながら、左手でシフトレバーを動かし左足でクラッチを踏み右足のアクセルを緩めシフトアップ。ハンドルはいつ持つんだ!
これを、免許取立ての若者も、60歳のおばーちゃんもみんな当たり前のこととしてやってたんですが・・・
いまは楽になりましたよね。
「昔は良かった・・・」風なことを言うつもりはまったくありません。
ATやパワーウインドゥなどの装備のおかげで、以前はクルマに乗れなかった障害のある方が運転できるし、健常者も少々怪我してたり体調悪くても運転できます。
ただ、楽、というか自堕落というか、運転が楽になっても、1トン以上の鉄のカタマリを動かしている「責任」から逃れることはできないのですが、操作がクルマ任せになっているからといって、「責任」までクルマに押し付けている人が増えているのではないかと心配です。
まるでクルマゲームのコクピットに座っているかのように。
以前、ヨーロッパと日本の、自動車とその運転に対する考え方の違いを書きました。
日本は、自動車メーカーに、交通事情やライフスタイル、エコまで考えが及んだ確固たるポリシーがなく、「売れれば何でもいい」と、とにかく楽で、快適で、クルマ任せ、という方向に行っている気がします。
一生懸命開発に携わっている技術者の方々には申し訳ないが、勝手にブレーキがかかって追突を避ける装置なんて、歪んだ現代のクルマ文化の象徴ですね。
メーカさん、それでいいんですか?そんなことばかりやっていると、しまいにはすべての事故はすべてクルマの、メーカーのせいにされるよ?
車の運転にもっと集中し、それを楽しんでいればそもそも追突なんて起きないのでは?
それがいやなら、電車に、バスに乗ればいい。
ハイブリッドならエコだからと、高速をぶっ飛び、常にオートエアコンつけっぱなし。
二酸化炭素さえ減らせば、温暖化は止まるというのと同じ、技術過信の思い上がり。
日本の自動車メーカーそのものが、「自分たちが自動車文化を創るんだ」という強い思いにかけていると感じます。
ヨーロッパの、「運転を楽しむ」、とか、「リスクはドライバーが負えば、スピードを出すのもOK」という考え方は日本ではありえないのですね。
ドライバーの意識、メーカーの意識、いろいろなものが、こんな今の日本を作ってしまっていると思います。
Posted at 2010/12/01 22:17:43 | |
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