タイミングベルト ウォーターポンプ交換その1
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アバルトのタイミングベルト交換距離は5万キロ毎だそうです。
本当なら去年寒くなる前に作業しようと思い、部品やSSTは事前に手に入れていました。
しかし、様々な理由で今日まで作業に取り掛かることが出来ませんでした。
既に距離は6万キロを超えてしまったので、もう先延ばしにはできないので、ようやく作業に取り掛かることにしました。
写真はタイミングベルトとテンショナー、ファンベルトとテンショナー、ウォーターポンプとサーモスタットです。
ちなみにタイミングベルト交換は下手に作業するとエンジンを壊してしまうので、これを見て真似してエンジン壊しても私は知りませんので悪しからず。
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そしてこれがタイミングベルト交換に使用するSSTです。
色々探していましたが、オレカで売っていたのでそれを購入しました。
ここに入っている道具を全て使う事はないですが、あるのとないのでは作業のしやすさが雲泥の差です。
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まずはバンパーやらアンダーカバーやらインナーフェンダーやらを外していきます。
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今回はウォーターポンプも交換する為、冷却水を抜かなければなりません。
しかしこの車、ラジエーターにドレンが装着されていません。
それらしいものはあるのですが、なんとダミーでした(笑)
そこで、ラジエーターのロワホースを外して水を抜きます。
ロワホース接続部に固定用のピンがあるので外します。写真の矢印の位置です。
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小さいマイナスドライバー等でこじって外します。
狭いのでやりにくい...
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ピンが抜けたらそのままホースを引き抜いて冷却水を抜きます。
ラジエーターキャップは開けておきましょう。
ものすごい勢いで出てくるので要注意です!
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冷却水を抜いている間にエアクリーナーボックス関係、ダイレクトイグニッションコイル、スパークプラグを外し、SSTをセットします。
写真は2番3番に刺していますが、どうやら正しくは1番2番のようです。
ピストンが上死点にくると、写真のようにピンが飛び出してくるので、分かりやすいです。
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ひとまずファンベルトを外します。
テンショナーにメガネをあてがい、赤い矢印のように力を加え、テンショナーを動かしてベルトを外します。
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外したベルトは亀裂が入っていました。
新車から交換してなかったのかは分かりませんが、今回同時交換する為に新品購入しておいて良かった...
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タイミングベルトカバーを外します。
お気づきの方もいると思いますが、エンジンフロント側のエンジンマウントを外しています。
下からエンジンをジャッキで支えないと落っこちます。
カバー上側はボルト2本で止まっているだけなので楽に思えますが、写真のコルゲートチューブで覆われた配線がカバーに収まっているので、カバーから外します。
これが意外と厄介で、カバー側に爪のような突起があり、そこに引っかかって固定されているので、それをこじりながら外さなければなりませんでした。
思ってたよりもキチキチなので無理やりやると線が切れてしまうかも知れません。
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次にカバー兼エンジンマウントステー部を外します。
ボルト5本で止まっており、しかも結構固くしまってますので、怪我をしないように注意して外します。
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ボルトが全部緩んでも、エンジンルームが狭いのでボルト単品で抜けてきません。
ジャッキでエンジンを持ち上げ、写真のようにステーにボルトを残したまま外します。
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ファンベルトのテンショナーも交換するので六角レンチで取り外します。
しかしここもものすごく狭いので、通常の六角レンチは一切入りません。
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そこで六角レンチをぶった切りました。
これでも結構キツイです。
新品を取り付ける時は先端をさらに少しだけ細めに削らないと勘合しにくかったです。
この加工が出来ないと恐らく専用SSTが必要ではないかと思います。
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ようやくタイミングベルト周りがスッキリしたので、いよいよタイミングベルトの取り外しです。
国産車のように基準となる合いマークや印がありません。
そこで、次の写真のSSTを当てがいながら基準点を決めました。
基準点が決まったら印を付けます。
写真の赤い線が印です。
また、カムシャフト側にも必ず印は付けておきましょう。
スパークプラグがないのでクランクは比較的スムーズに回りますが、勢い良く回し過ぎるとプラグホールに設置したピンが吹っ飛んでいきそうになるので、できるだけゆっくり回します。
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SSTはこのように使い、クランクを固定します。この位置さえ動かなければ、間違えにくくなると思います。
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テンショナーを取り付けているナットを緩めるとベルトが外れます。
まさかとは思いましたが、こちらも細かなヒビが…
イタリア車ってこんなに劣化早いのか、と改めて認識させられました。
国産の半分の距離が交換時期というのも頷けます。
というか、こんなんでアクセル踏み込んでたのかと思うと怖いですね💦
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左が外したタイミングベルトテンショナーで、右が新品テンショナーです。
形状に若干の違いはありますが、大体同じですね。
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こちらはファンベルトテンショナー。
左が外したもので、右が新品。
タイミングベルトテンショナーもファンベルトテンショナーも、新品の方がよりスムーズに回ります。
外したものも決してダメではないですが。
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ちなみに、クランク固定位置だと2番3番のピンは落ちていまます(下死点ではない)
ここで、3番ピンを1番ピンに差し替えたらほぼ同じ位置にピンが止まりましたので、全ピストンが同じ高さにあるものと推測されます。
なるほど、だからあの位置での固定なのか。
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ウォーターポンプを外します。
ボルト3本とナット1個で固定されています。
3本のボルトのうち、写真左のボルトが若干濡れて少し腐食していたので、漏れ始めていたかもしれません。
ウォーターポンプも同時交換にしておいて良かった…
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ボルトナットを外しても、シールパッキンでガッチリくっついているので、素手では外せませんでした。
というか、フルパワー出して外したら絶対怪我する。
プラハンで叩いてもビクともしません。
あまり気は進みませんでしたが、良い感じにマイナスドライバーでこじれそうな箇所を発見し、徐々に浮かせました。
再び冷却水がダバダバ出てくるので、受け皿を用意しておきましょう。
ある程度抜けたらポンプを外します。
エンジンを少し下げておくと、下から楽に抜けます。
下げすぎるとドライブシャフトがフレームボルトに干渉するので、ギリギリを狙いましょう。
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ウォーターポンプを外した直後です。
液体ガスケットがこびりついているので、スクレッパーである程度剥がし取ります。
傷つけないように慎重に。
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仕上げにオイルストーンを使って表面を綺麗に平滑にします。
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ウォーターポンプ新旧比較。
上が新品。
旧型はインペラが単なるプラスチックなので、距離が増すとこれがボロボロになって冷却系統が大変な事になるらしいです。
新品は対策品で、特殊な樹脂製です。
鋳鉄製のインペラもあるらしいですが、どうやっても手に入れられませんでした。
出回ってる対策品はこの樹脂製一択のようなので、問題ないと思います。
続く。
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