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kiku106のブログ一覧

2013年01月17日 イイね!

YZサーキットで猛者の走りを分析(その2)

引き続き、ラテンフェスタな猛者の走りを分析していきます。



Sector 2 までやったので、今回はSector 3以降です。


ですが、その前にSMDさんのT4についてもう少し。



Fのポイントです。

速度データ的には、T4の進入で減速を開始し、一旦加速を開始しますが、再度減速を強いられ、その後さらに加速、という流れです。

これを加減速Gのグラフで見ると、Fのポイントで他の2台はマイナスGから加速Gへと移行しているのに対し、SMDさんは一旦加速G(プラス側)に入った後、再度減速(マイナス側)へと戻っています。

この結果、何が起こるかというと、T4の立ち上がりで他の2台より加速が鈍る、という事になります。


Sector 3
T4立ち上がりから、T5(第二ヘアピン)の進入まで。

上記の結果がSector 3です。ここでもジリ貧さんがTopで7.221秒、kiku106に0.379、SMDさんに0.691秒の差をつけています。

SMDさんは、ジリ貧さんに対し、130mで0.691秒失っています。これは1kmなら5秒近い差となりますから、かなり大きな遅れです。kiku106に対しても1kmで2.4秒の差になります。

T4の1個のミスはこのくらい大きな損失なのです。
YZのようなコーナーをストレートでつないだようなサーキットでは、1つのコーナリングが如何に重要か、を示しています。



このように、立ち上がりの悪さが、T5にむけての加速と最高速度に如実に現れています。

それともう一つ、ジリ貧さんと他の2台の違いはギア比です。テンサンファイナルだと、T5の減速ポイント直前で、2速がレブリミットに当たるんです。kiku106の山の頂点が、ながらかになっているのはコレが原因で、3速に上げてすぐにシフトダウンするロスより、2速でレブるロスの方が少ないとの判断です。SMDさんも2速で走ってましたね。

そして、T5でのジリ貧さんの特徴は、またしても早めの減速開始でコーナーのボトムスピードを高く保ってクリアしている点。Gのポイントを見るとはっきり示されていますね。

kiku106は他の2台に比べ、ボトムが少し遅目です。これは実は意識的にボトムを低めにして、しっかり向きを変えることを狙ってはいるんですが、ここまで落とす必要はないかもしれません。

SMDさんはボトムはジリ貧さんと同じ位なんですが、進入の速度の減速の傾斜が2段階になってますね。減速の後半で減速Gが緩めに変化しているのですが、これは極端に言うとブレーキが余っている状態です。この部分は詰める余地があり、上手く詰められば、ジリ貧さんと同じような地点でボトムを向かえ、スムースに加速に移れるのではないかと思います。

SMDさんの話によると、ラリー的な走りではコーナー進入で車の向きを早めに変える(横に向けるのが早め)だそうで、そのクセがある、との事だったので、この速度変化はそれを示しているのかもしれません。




Hの部分、T5の立ち上がりのラインを見てください。ここは3台が違うラインを取っています。

ジリ貧さんは、コーナーをU字に近いラインで走り

SMDさんは立ち上がりを重視した鋭いラインで走り

kiku106はその中間的なラインで走っています。

T5からT7(最終コーナー)にかけては、(このコースでは)長いストレートなので、T5の立ち上がりはかなり重要になります。

というわけで、その結果を示したのが・・・

Sector 4
T5から、T6(キンク)を経てT7(最終コーナー)まで。

タイム的には、ジリ貧さんが11.101秒で、kiku106を0.181、SMDさんを0.238秒引き離しています。



しかし、ここはそのタイム差とはまた少し違う発見があります。

まず、T5からの加速を見ると、中盤まではSMDさんの速度が高いです。
おそらく、T5の立ち上がり重視のラインが功を奏していると思われます。さらにT6のキンクの処理にも秘密がありそうですが、それは後ほど。

ジリ貧さんと、kiku106は途中までは同じような加速です。
しかしkiku106が2-3速にシフアップした後、ジリ貧さんはそのまま加速。

明らかにその後3速に入れてるはずですが、シフトチェンジによる加速の鈍りがありません!
Iのポイントを見ると、まったくシフトチェンジのロス無しです。一体何してるんでしょう??
シーケンシャルでも入ってるんでしょうか・・・。素晴らしい技術ですね。

しかし、もしジリ貧さんがSMDさんのようなラインでT5を立ち上がると、さらに加速を伸ばす余地がありそうです・・・。

あと気になるのは、ジリ貧さんのT7での速度グラフ。これは普通に見ると突っ込みすぎです。
ってことは普通なら、T7の立ち上がりは悪くなるはず。Sector 5が楽しみですね。

後はSMDさんのタイムがもう一つ伸びなてない理由ですが、おそらくT7進入にあると思います。
T7進入は立ち上がりを相当重視した走りです。その分進入で抑えてるのがセクターだけで見るとタイムに悪影響与える感じですかね。





しかしSMDさんの前半の加速はお見事。それを支えているもう一つの理由は、このT6の処理にありのではないかと思います。HのT6にむけた旋回の開始(というよりSMDさんはT5からT7を大きなRで結んでいる風ですが)が3台中もっとも早い。その分加速モーメンタムを生かしています。


さて、勢いに乗って

Sector 5
T7(最終コーナー)からスタート/フィニッシュライン。

タイムはジリ貧さんがトップ、6.795秒で、SMDさんを0.03秒、kiku106を0.317秒離します。
ここはkiku106の一人負けっぽい展開ですね。

ジリ貧さんはT7で突っ込みすぎに見えましたが、結果は問題なし・・・。



速度グラフで驚くのは、Kの部分。ジリ貧さんのT7立ち上がりでの謎の加速です。
ボトムスピードの地点からの、最初の加速は他の2台より緩やかで、これは!と期待させますが、その後ジャンプするように速度を積み上げ、2台の加速を追い越していってます。

これはかなり謎ですね・・・。

それとSMDさんの立ち上がりの良さにも注目。これはT7のライン取りをかなり立ち上がり重視に、逆に言うと、T7進入でがんばりすぎてない(上述参照)結果です。お見事です。

kiku106は、T7からの立ち上がりの初期の加速が鈍いです。これはT7の処理が上手くいってない、簡単にいうと車の向きが変わるのが遅く、加速に移れいてない状態ですね。



T7のラインを見ると、SMDさんの立ち上がり重視ラインがはっきりわかります。(データの「ズレ」があるので、実際にはここまでは違わないと思いますが)
ボトムスピードのポイントもかなりコーナーの中にあり、そこからの強烈な加速に成功してますね。

kiku106は、コーナー前半は悪くなさそうだし、ボトムスピードの地点も悪くないんですが、コーナー後半でラインが外に膨らんでますね。これはコーナー後半、つまり加速に移りたい時点で、まだ車の旋回が終わってなくて(出口を向いてなくて)、加速できない状態にあることを示します。まぁミスですね。

そして問題はJのジリ貧さんです。こりゃ突っ込みすぎでしょう。速度グラフと同じ結論です。
ここまでボトムスピードのポイントが奥に入っていれば、普通は立ち上がりに悪影響が出ます・・・。

そこで、この理由を調べるため、速度と縦G、さらに横Gの推移を見て見ます。



やはり縦Gでも、Kの地点で急激な加速が出てますね。それ以前の部分では加速Gの増加が他の2台より緩やかですが・・・。

で、横Gを見ると、Kの地点で特異な動きがあります。左右のGの大きな触れがありますね。

そう、これは急激な横Gの変化、つまりリアが流れたことを示しています。

おそらく、意識的か、無意識的かはわかりませんが、

突っ込みすぎた後、リアのスライドを誘発させ、一瞬で車の向きを理想的な方向に変え、その後アクセルとステアでスライドを収束、一気に加速していったと思われます。

その結果、車の向きが変わるのを待つ必要がなく、むしろ早めにアクセルを全開できるようになったと思われます。

いや~、恐ろしい・・・。

もし意図的にやってるなら、超絶テクですね・・・。


ところでこの図を良く見ると、Lの地点で、SMDさんの加速が鈍ってますね。
ということは、SMDさんはさらにこのセクターで改善の余地を持ってることになります。



その理由がこの図です。

Kの地点、すなわちT7の立ち上がりの終わりでの車の向きを見たものですが、
実は、SMDさんの車が一番外側向いてますね。

ということは、アクセル踏み続けると、アウトに行き過ぎるわけです。
上記のLでの加速の鈍りは、これの修正のためと思われます。

逆に言えば、向きさえ変わっていれば、多分このセクターはジリ貧さんより速い、ってことです。

さすがです!


というわけで、これにて、1周終了なんですが、いくつか面白い発見が他にもあるので、簡単にご紹介。



これは、上が速度、下がコーナーでのRの大きさを示したグラフです。
コーナーを走る際、ライン取りによってそのRを大きくしたり小さくしたりできるわけですが、それが一目でわかるものです。グラフが上に行くほどRが大きい(すなわち緩やかに曲がっている)事を示します。

相対的な位置は(タイムの違いによるため)あんまり意味がないのですが、

まずT1のRの大きさと長さが、各車違いますね。

SMDさんはRが大きいというより、Rを長くとっている感じ。

逆に一番Rがゆるいのはkiku106なんですね。


次にT3(キンク)。ここをどのくらいのRで行くかもかなり違います。

SMDさんはここを小さなRとしています。つまりT4(第一ヘアピン)にむけて、向きを大きく変える必要があるライン取りですね。

もう一つのキンクであるT6も違います。

ここはSMDさんが極端にRが大きくなっています。T5-T7の加速の鋭さの理由の一つでしょう。

逆にkiku106はここでRがきつくなっているので、その分加速もメンタム状は損なわけです。


最後に、ジリ貧さんの軽量化の効果について。



このグラフは、データから仮説上のパワー(馬力)を演算したものです。
ここでは、各車の車重をイコールに設定してます。

そうすると、明らかにジリ貧さんの車のパワーが高いですよね。

つまり、車重がイコールでパワーが高く出るという事は、実際にはジリ貧さんの車は車重が軽いので、それは効果としてはパワーを増すことに匹敵する、という話です。

まぁこのグラフはタイム速いと馬力あるように出るんで、アレなんですけどww。

これはSMDさんやMoriさん、t_murさんとも話してたんですが、やっぱり重さの差は大きいですね。
ジリ貧さんの加速が鋭いのは、当然コーナーの処理が上手くてボトムスピード高いからですが、その背後には、軽さもものを言ってます。

軽いので、コーナーのボトムを上げられる(=同じ横Gでより軽い車体を支える)し、

似たような馬力で、軽ければ加速はするどくなる(ハズ)ですから。


さて、今回はここまで。

でもなんやかんやで、後3件くらい分析ネタが溜まってる~(汗)。
Posted at 2013/01/17 22:33:22 | コメント(0) | トラックバック(0) | LAP+ロガー分析 | クルマ
2013年01月16日 イイね!

YZサーキットで猛者の走りを分析(その1)

YZサーキットで猛者の走りを分析(その1)えっと、とうとう年が変わっちゃいましたが・・・w、
2012ラテンフェスタ最終戦のデータを元に分析しちゃいます。


対象としては、

2012 Super Euro Class Champion ジリ貧レーシング106S16



2012 Peugeot Cup Class Champion ラリーストSMD 106S16


この人は、ラリージャパンに3年連続でPeugeot 206で参戦した本物のラリーストです(汗)。

2012 Peugeot Cup Class 4位w、kiku106 106 Rallye 16V



という感じです。

車的には、3台ともに、Sタイヤ装着、LSD付き。

ジリ貧さんはノーマルのギア比ですが、SMDさんと私はテンサンファイナルのギアを積んでます。

そしてジリ貧さんのは、鬼の軽量化仕様。床に穴開いてて、雨の日は水が入ってくるそうなw。



まずコースですが、全長880m程度のコースをいつものようにセクターで切りました。


計7個のコーナーを持ってるんですね。普段はT3, T6は意識しませんが、
意外にこの辺りにも差が出てます。


コースを走ると、こんな感じです。kiku106のタイムアタックの車載動画をどうぞ。




では早速。

基本データ



タイム的には、Super Euroのジリ貧さんが、残り2名を1秒千切る展開。
SMDさんのデータはキレイなものを選んだので、レース中のベストではありません。

因みにジリ貧さんとSMDさんのデータはレース中のもの。ベストはもっと速くて

・ジリ貧さん 39.923
・SMDさん 40.865
・kiku106は 40.923

ざっと見て気が付くのは・・・

Sector 1のSMDさんの、タイムと距離の短さ。

Sector 2以降のジリ貧さんの速さ(特にSector 3)。

kiku106のトップスピードの遅さw。


とかですね。

後、SMDさんのSector 3はミスによるものなんですが、勉強になるのでそこも分析します。


Sector 1:
ブラインドの高速の1コーナーからT2までです。

ここではSMDさんが5.561秒でトップ。ジリ貧さんを0.378秒、kiku106を0.444秒引き離してます。



速度データを見ると、Aの部分でSMDさんはかなりT1の中まで加速したたまま進入していますね。
トップスピード自体はジリ貧さんの方が速いですが、減速もジリ貧さんが早めに始めてます。

一方kiku106の速度が伸びてないのは、他の2名がアクセル全開で進入している所を、軽くアクセルオフで入っているからです。

但し、SMDさんは旋回Gを残しながら、T2にむけてかなり急な減速を強いられます。
これがT2の立ち上がりにどのくらい影響するか、が判断の別れどころ。



さらにコーナーの処理の仕方も大分違います。

Aの部分ですが、SMDさんの特徴は、

ホームストレート後半から早めに旋回を開始、T1を極力大きなコーナーに変えつつ、かなりイン側のラインで旋回、Rを大きくしながら、距離は短く取れるラインです。

それに対して、ジリ貧さん、kiku106は、ストレートは直線部分として走り、T2進入で居たいポイントにむけてT1を旋回。T1のクリップは取りません。

その結果が、BのT2のボトムスピードの地点にの違いに現れます(丸点)。

ジリ貧さんが最も手前でボトムスピードに達しています。つまりこの時点で車の向きは、アクセルを踏んでいける方向に変わっていると言うことです。さらに他の2台と比べボトムスピード自体も高いです。

実は、これはジリ貧さんの走りの基本的な特徴であり、速さの秘密の一つです。

早めの減速~旋回開始、コーナーのボトムスピード地点を手前に持ってきて、早めのアクセルオンでLSD使って旋回から効率的に立ち上がり、軽量ボディーをしっかり加速させる。

対してSMDさんはさらにT2の奥がボトムスピード地点になります。この結果T2は逆に、よりきついコーナーになってくると思われます。速度グラフを見るとT2のボトムの速度変化が、緩やか(U字状)になっています。これはターン完了に時間がかかっていることを示します。

kiku106は、アプローチはジリ貧さんと同じです。但しちょっとだけアクセルオンを待ちすぎた状態です。でもこの位置からはスムースに加速できる方向に車の向きは変わっています。


Sector 2
T2立ち上がりから、T4(第一ヘアピン)までです。

ここではジリ貧さんが8.942秒で、kiku106を0.137、SMDさんを0.615秒引き離してます。



理由はCの部分。T2からの立ち上がり加速が2台とは全然違います。結果トップスピードにも差が出ています。
これは、軽量化の恩恵もあるとは思いますが、T2の処理の仕方の勝利でしょう。
またT3(ゆるいキンク)の処理も関係ありそうです。

もう一つの特徴はDの部分で、T4に対する減速が他の2台より早いことです。
これはT4の旋回に対するアプローチが先ほど述べた特徴にしたがっているからです。
結果として、T4の旋回速度の差になって現れてきます。つまりはT4からの立ち上がりの良さにも。

Cの加速度の違いについてですが、kiku106とSMDさんの間にも違いがあります。
SMDさんは特にT2からの立ち上がり初期で、加速が伸びていません。これは先ほどのT2の処理の違いによるものです。言わばT1を取るか、T2を取るかの選択の違いが、この2台の加速の違いになっていると言えます。

それともう一つ。T3の処理にも関係ありそうです。



Cの部分の三角は、T3にあわせた旋回の開始時期のイメージです。
ジリ貧さんがもっとも早く、SMDさんが遅いです。速度データと関連付けて考えると、

加速中の旋回は、加速の初期段階であればあるほど、その後の加速度が上がる。

と考えられます。

基本的にステアリングを入れると、それは加速に対してはマイナスに働きます。
また加速はモメンタム(慣性)に影響されるため、旋回は短く行い、加速時間を長く取るほうが速度があがるでしょう。したがって速度が低いうちに旋回を終え、その後の加速時間を長く取るラインの方が、終端速度の増加につながると思われます。

T3はあまり意識しないコーナーですが、細かく詰めていく上では疎かにできない事がよくわかります。



さて、次の特徴として、速度グラフ上のE、T4のボトム速度の違いについてです。

このライン取りを見ると、kiku106のT4のボトム速度が何故低いのか、よくわかります。
他の2台に比べ、T4の進入がイン寄りなんですね。その結果、T4のRは他の2台よりきつくなります。
きついコーナーであれば、速度はより落とす必要が出てきます。

これは要改善なんですが、T4に外から入るにはステアリング操作で左(外)による必要があります。
という事は、T2-3-4の加速をある程度犠牲にする必要が出てきます。

なので、ここをどう改善するかは、T4からの立ち上がりの良さと、T2からの加速のよさのどちらを取るか(またはバランスを取るか)という問題なので、また後で。

そしてもう一つ。FのSMDさんのT4でのボトムスピードの地点がかなり奥になっています。

これは旋回速度が高すぎたか、コーナー出口に向けて車の向きが上手く変わらず、出口でアクセルを踏めなかったか、またはその複合要因によるものです。

理想的な位置はジリ貧さんのDのポイント辺りでしょう。

データがレース後半の周なので、タイヤなどの変化もあると思います。

こうなってしまうと、立ち上がりでのアクセルオンはかなり遅れてしまいます。
このミスが次のT4の立ち上がりにどう影響するのか、そこから次回へと続きますw。

Posted at 2013/01/16 23:57:08 | コメント(2) | トラックバック(0) | LAP+ロガー分析 | クルマ
2012年11月28日 イイね!

美浜サーキットで猛者の走りを分析(今更~汗)

9月の猛暑の中行われた話を今更、って気もしますが(苦笑)

今年のテーマは速い人分析シリーズなので、

まずはLATIN FESTA Rd5,6 @美浜サーキットで取ってきたデータをご紹介します。


舞台は知多半島にある、美浜サーキット。
いつものように、以下のような形でセクターを切ってます。






そして、今回の分析対象は・・・



一部で話題沸騰、関東からの刺客、KMYさん106(スーパーユーロクラス)




そして、昨年のPeugeot Cupの覇者にして、今年はなんと1年目でスーパーユーロの年間チャンピオンに輝いた、ジリ貧レーシング106(スーパーユーロクラス)




そしてレースに出るたび、なんかやらかす(スタートシグナル見落とし、熱中症ぎみ、そしてシフトミスww)のkiku106(プジョーカップ)。




まずはタイムをセクター毎に見た結果から。




ジリ貧さんが47.2秒と他を突き放し、KMYさんは初美浜という事でやや苦労したか47.8秒、kiku106は健闘の48.05秒。

まずざっと見て、ジリ貧さんが圧倒的に速いのはセクター1,3です。
なのでその辺りの秘密をさぐりたいですね。


しかしその前に、kiku106のタイムアタックの車載をごらん頂きましょう(笑)。



中々テクニカルなコースですが、路面は割りとフラットで走りやすいです。
このタイムでプジョーカップでは0.03秒差の2番時計でした。

で、データで見てみると・・・



そこそこV字の速度変化をもったきれいなラインではありますが、KMYさんとの差は主に、コーナーのボトムスピードにあります。タイトコーナー(例:T5,6,7)でボトムが遅いため、その先の加速区間での伸びがKMYさんに比して少ないですね。

一方、T3ではKMYさんに比べて加減速にメリハリがあり、結果としてPhoenix手前での伸びはkiku106の方がいいです。結果S2での差はかなり少ないものになっています。

このボトムが落ちすぎる原因ですが、データは示しませんが、以下の2点です。

1)コーナリングでのボトムのポイントがkiku106の方が奥(待ってる時間が長い)。
2)KMYさんはクリップ手前からアクセルオンで加速開始が早い。

2)はLSD付きのFF特有の乗り方で、アンダー出ない範囲でアクセルオンで曲がっていくことができます。

減速の効率がKMYさんの方がいいのも特徴で、これは縦G(X)の減速Gの出方を見ればはっきりわかります。kiku106はブレーキが弱いんですね。実はパッドでず~っと悩んでて、この間やっとこの問題を解決しました。



さて、次にそんなKMYさんとジリ貧さんのデータを比較してみましょう。





まず特徴的なのは、ジリ貧さんの加速の良さです(赤い矢印)。ほとんどのコーナーからの立ち上がりで、ジリ貧さんの方が加速が良く、かつ最高速も伸びています。

次に、タイトコーナーでボトムスピードがジリ貧さんの方が高い(青い矢印)事です。当然ボトムスピードが高ければ、その先の加速で速度が乗ることになります。

これはおそらく、ジリ貧さんの徹底的な軽量化+コーナーリング限界の見極めの鋭さに、原因があると思います。KMYさんのマシンは車重的にはノーマルとそれほど変わらないので、100kg近いさがあるかもしれませんね。

それとT4のジリ貧さんの速度グラフと縦Gが波打っているのに気づかれましたか?
本人に聞いたら、ここは左足ブレーキで速度落とさず曲がるようにしてるそうです。



またこの図のように、T3のライン取りは他の2名と大分違います。
大外から入って、旋回速度を高く保ち、かつ脱出では立ち上がり重視のラインを狙った走りです。
かなり走りこんで、自分で納得の行くラインを見つけてる感じですね。


次回は、引き続きLATIN FESTA最終戦を舞台に、
ジリ貧さんに加え、プジョーカップの覇者、ラリー屋 SMD 106号の走りに迫ります。
あ、もれなくkiku106も付いてきますがww。

Posted at 2012/11/28 22:52:00 | コメント(1) | トラックバック(0) | LAP+ロガー分析 | クルマ
2012年09月13日 イイね!

どうやってタイムを詰めるか (成田モータランド)

どうやってタイムを詰めるか (成田モータランド)チーム椿の成田モーターランド走行会をアップしかねてたんですが、
rsport240さんにデータ解析をされちゃったので、ちょっと別のアングルで。








それは、普段どうやってタイムを詰めていこうとしているのか、という話です。


今回の成田は1周730m前後のコースで、単独で3周アタックが1セットです。
コースは基本の半時計周り(左周り)で、3セットのアタックを行いました。


久しぶりに走ったので、1セット目は主にコースの感触を確認するのと、初めて履くタイヤ(Direzza ZII)のフィーリングを掴むのに費やしました。
真夏のコースは記憶にあるより全然タイヤが食いません。一瞬ZIIを履いたの後悔しましたが、まぁタイヤの銘柄のせいじゃなく、暑さのせいでしょうw。


2セット目のベストは、47.418秒でした。


で、色々考えて走り方を修正し


3セット目には、46.659秒まで伸ばしました。

その差0.76秒です。



どうやって詰めていったのか、
そのアプローチを書いてみたいと思います。



当然ですが、まずは走って、失敗した、上手くいかなかった、所を改善します。



赤いラインが2セット目のベスト。
青いのは3セット目のベストですが、当然考えてるときはありません。
但し、きっと走れれば速いハズというラインに近いので、それの代わりです。

まず考えるのは、走りたかったラインとずれたり、結果としてアンダーや失速、加速の鈍りを感じたところを見つけます。




どこだと思います?ちょっと考えてみてください。










このときに考えてた改善点はここです。
ピンクの点線で囲われてる部分ですね。



A:
・進入速度速かったかアンダー傾向
・結果大回りに
・T2立ち上がりの車の向きが悪く、T3からの立ち上がりが悪かった。

B:
・T4をアクセル前回で行けなかった。小回りしすぎか?

C:
・T5の進入の切り遅れ。
・T6でアンダー傾向、T7に向かってもっとしっかり向き変えて。

D:
・T8進入でブレーキ遅れ、結果アンダー。

E:
・T8の失敗が後引いて、大回りに、クリップつけてない。



これらの改善点をもとに、次の走り方を決めます。


C, D, E: : T5, 8, 9, 10の180度程度回り込むターンは失敗が後を引くのに、グリップ感があまり無いため、全体的にコーナー進入でしっかり減速、コーナリング中も前加重をしっかり維持するようこころがげます。

A, B: さらにT1では外に膨らまず、その先のT3にむけてきちんと向きを変えること。
それとT3~T4では、コースアウト側のコース外のコンクリート部分まで目一杯使っ
て、T4を大きなRにし、アクセルはオンのままで。


このイメージを持って、3セット目で走った結果、青いラインのようになりました。
ラインを見る限り、A, Bはほぼ狙い通り。C, D, Eも改善が見られます。


ではデータ上、実際どうだったのか。細かく見て行きます。



まずSector 1ですが、
・T2の進入で減速ラインにちょっと乱れがあります。またボトムスピードになっているのが、クリップより奥です。ここは修正を意識しすぎたかもしれません。
・しかしT3にむけて車の向きが変わっているため、加速ラインに凹み(減速)がありません。当然T4に向かって速度が伸びています。

・因みに計測開始時点の速度が赤の方が高いですが、これは青のタイムが1周目にでているせいです。




次にSector 2ですが、
・T5の進入がきれいにできており、結果として速度グラフはきれいなV字、かつボトムスピードを上げられました。
・またT6の処理もきれいにできており、結果T7の脱出で速度を伸ばせています。




Sector 3, 4ですが
・T8の進入は、前回の切り遅れ、アンダーを気にするあまり、コーナリング操作の始まりが少し早すぎ、ちょっとブレーキが余ってます。またボトムスピードも遅くなってます。
・T9, T10では、逆にしっかり前加重でコーナリングできた結果、きれいなV字でかつ
ボトムスピードも高く、T11にむけての加速の伸びもよくなってます。
・但し速度が乗った分、T11のラインは少し大きくなってますね。


で、この走りがどうタイムに影響したのか。



Secotor 1~3でセット3の方が速いです。
・S1は主にラインを小さくし、走行距離を短くしたのと、脱出の加速差でしょう。T2での減速で細かいミスはありましたが、それをセクター後半で補えてます。

・S2だけで0.4秒稼いでますが、T5~7のコーナリングが決まったのとその結果バックストレートでしっかり加速できてるからでしょう。

・S3はT8でミスもあったものの、走行距離が短くなり、T9のコーナリングが決まっているのがポイントではないかと思います。

面白いのはSecotr4です。赤の方が0.05秒速いです。
走り方としては悪くなかったと思います、しかし速度が乗った分T11のラインが外側になり、走行距離が増えています。おそらく距離の増加の影響が、速度の伸びより大きかったのでしょう。

これはいつも悩まされるんですが、速度を上げると、走行距離を適切に短くすることは、相反するのでこのベストバランス見つけるのに苦労します。

ただ全体で見れば青は赤より10m距離が短くなっている上、タイムも速いので、青の方がいいバランスですね。


おおよそ、こんな感じで、タイムを縮めるステップを捉えてます。
もしこの次があるなら、

・T2の進入精度の向上
・T8の進入動作開始をほんの少しだけ遅らせる
・T10の脱出速度を上げて大回りになる分、T11のRを大きく取って、コーナーリングを楽にし、その分ストレートへの脱出での速度の伸びを増やす。

というのが修正点になります。


で、何が言いたいかといいますと、

走行会で休憩中に、あんまり社交的じゃないのは
こんな事色々考えているからです~、すいません。

って話です(爆)。
Posted at 2012/09/13 01:20:25 | コメント(6) | トラックバック(0) | LAP+ロガー分析 | クルマ

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「@らくたろう 基本的にマランゴーニのOEMだそうですよ(^^;;」
何シテル?   11/06 13:38
プジョーに10年くらい乗ってます。 P205GTI -> P106 1.3 Rallye ->P106 Rallye16V(今) かつての2台は両方ともサー...
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