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ネズーのブログ一覧

2014年12月30日 イイね!

鉄(鋼)を理屈っぽく考えてみる。最終回

ということで、鉄のお話も今回でおしまいです。



いかがでしたでしょうか?興味の無い方にはどうでもイイ話ですねw


まぁぶっちゃけて言えば、過去7回でお話した事を知らなくても

今後の人生に特に問題はないでしょう。


でも、今DIYをやってる人や、今後やりたいと思ってる人には

一口に「鉄」と言っても用途によって様々な種類があるし

使用する環境やその他でも考える事はたくさんあると言うことを知って欲しいと思います。


今回のシリーズで書いた内容だって、鉄に関しての本当に入口レベルの話です。


しかし、今の世の中便利になったもので、知りたいと思えばかなりの所まで

ネットで調べる事は出来ます(もちろん情報の精査は必要ですが)。


自分が使おうとしてるモノの材質に興味があれば調べられるでしょうし

ちゃんと調べれば、ブレーキを含めた脚周りの部品やボルト類にホムセンの軟鋼材料を使ったり

ホイールナットにアルミ製を使おうなんて気が起きるはずもありません・・・・・と

思ってるんですがねぇ。かなりいますよね。

ワタシに言わせれば何で好き好んで時限装置を愛車につけるのか理解できないんですがね。




今回の内容を覚えて欲しいのではなく、

知りたいと思うきっかけになればといいなぁと考えています。



正直言って、反応がかなり薄かったので興味持ってる人は少ないんでしょうね。

次はアルミとか考えてましたが、結構手間食うので今回で終わりの可能性高いです。

ま、お友達の方なら直接訊いてくれればお教えできますしね(^^



とにかく、鉄に関してはこれでおしまいです。全部見てくれた方、ありがとうございました☆
Posted at 2014/12/30 22:11:33 | コメント(6) | 理屈っぽいシリーズ | 日記
2014年12月24日 イイね!

鉄(鋼)を理屈っぽく考えてみる。その6

今回はサビについて少しお話します。




みなさんはサビと言うと、鉄に付着している赤いのを思い出すかと思いますが

あれは赤サビというサビの一種です。

鉄についている黒い皮膜(黒皮)も黒サビというサビですし、古びた1円玉の表面の白いのもサビです(白サビ)。

他にも銅表面の緑色の腐食物(緑青)などもサビの一種です。


金属が酸化して発生した物をサビと呼ぶと思ってもらえればまぁ大筋で間違っていないかと思います。



今回は鉄の話ですので、鉄錆について話を進めていきましょう(^^




鉄錆とは、鉄が自然界で本来あるべき姿です。

鉄を何の処理もせず、屋外にずっと放置しておくと赤錆が出てきます。

それでも放置し続けると朽ちていき最終的には錆が塊や粉状になったものになりますよね。


鉄鉱石の中の鉄は、そのような状態で存在しているんです。



シリーズ冒頭で、鉄鉱石を炭素と一緒に加熱して還元することで鉄は金属としての形態になると言いました。

錆はそれと逆の変化というわけです。




では、赤錆発生のしくみを簡単に説明しますね。







鉄は単一の元素からなる原子の共有結合により成り立っている金属です。

あ、あきらめそうになったアナタ、頑張って!www


つまり、鉄の原子同士がしっかり手をつないだ状態だと思ってください。



その鉄の表面に、水と酸素が存在していると錆の発生が始まります。


詳しい化学式はナシにしますが、水と酸素は鉄原子から電子を1個奪っていきます。

電子を奪われた鉄原子は、鉄イオンとなります。

イオンは鉄原子同士の手のつなぎあいに参加できなくなり、別の酸素と手を結びます。


そうして生成される酸化した鉄がサビなんです。




大丈夫ですか?ついてきてますか?w

ちょっと休憩にミサワ置いておきますね。































イイ感じでイラッ☆ときたら次へどうぞww






















サビ発生の一番最初の条件は、酸素と水があること。

それに電子の移動を活発にする条件が加われば(金属間の電位差など)、さらに酸化は加速します。



塩分があるとサビるのが早いのは、塩分を含むものは塩化物イオンも含むため鉄に付着すると

電位の移動を促進(電子を奪いやすくする)するためと、

鉄表面のサビを取り除く効果があるために金属としての鉄が空気中に晒され易くなるためです。



では、サビを防ぐにはどうすれば良いのでしょう。


サビの発生の第一条件が水と酸素ですから、それらを鉄の表面に触れさせないようにする事が一番でしょう。

触れさせない方法としては、

・塗装する 金属以外の物体で鉄表面をコーティングして酸素に触れさせない

・めっき 鉄以外の金属でコーティングする

・サビで覆う

などがあります。


最後のは「?」と思われたかも知れませんね。


最初に言った通り、サビは鉄が自然界であるべき姿です。

ということは、鉄はサビになればそれ以外の形になりづらいとも言えます。


ですので、鉄の表面を緻密なサビで覆ってやれば、内部へのサビは進行しにくくなるんです。

自然に発生する赤錆は皮膜がスッカスカなので、錆はドンドン内部に進行していってしまうんですね。


黒錆は赤錆とは違う化学式の錆で、これも赤錆の発生を抑える働きがあります。

また、耐侯性鋼という材料は元々錆びにくい上に、発生した錆が緻密な皮膜を形成するように作られていて

錆びることで自身が錆で朽ちることを防ぐ材料です。ただし、塩分の存在する環境では塩化物イオンが保護皮膜を破壊するために錆は進行してしまいます。



錆びない鉄と言えばステンレスを皆さん思い浮かべると思いますが、

実はあれも表面に錆を作ることで赤錆の発生を防いでいます。

耐侯性鋼の保護皮膜が赤錆なのに対して、ステンレスの錆は見えにくいので素材のままで錆びないと

思ってた方もいるのではないでしょうか。


ただしステンレスの皮膜も錆の一種なので、赤錆を接触させていると赤錆による皮膜の破壊が起こって錆び始めます。

あと、ステンレスと鉄を接触させた状態で置いておくと、電位差によって鉄の錆が促進されます。


電位差による錆(電蝕)を防ぐには、異種金属を直接接触させないか、もしくは

接触している金属の電位の低いほうに、さらに電位の低い金属を貼り付けてそれを腐食させる方法があります。


例えばステンレスと鉄が接触している場合は、鉄のほうに鉄よりもさらに電位の低い亜鉛などの金属板(犠牲電極)を貼り付けます。3種の金属のうち一番電位の低い亜鉛が錆びることで、鉄を錆から守るという方法です。




今回はここまで。
Posted at 2014/12/24 20:18:05 | コメント(4) | 理屈っぽいシリーズ | 日記
2014年12月24日 イイね!

鉄(鋼)を理屈っぽく考えてみる。その5

今回で材料の記号に関しては終わりにします(^^



「特殊鋼」


SS材やSC材では機械的性質が不足する場合に用いられます。

炭素鋼に各種金属元素を添加することで、様々な性質を向上させる事ができます。


代表的な材料としては

SCr(クロム鋼)
SMn(マンガン鋼)
SMnC(クロムマンガン鋼)
SCM(クロムモリブデン鋼)
SNC(ニッケルクロム鋼)
SNCM(ニッケルクロムモリブデン鋼)

など、SC材より強さが求められる場合に使われる構造用合金鋼



SKS SKD SKT(合金工具鋼)の様に工具に必要な性質を強化した工具鋼



SUS(ステンレス鋼)
SUJ(高炭素クロム軸受け鋼)
SUP(ばね鋼)

など、用途に適した性質を追加した特殊用途鋼


などがあります。


添加される元素にはクロム、ニッケル、マンガン、モリブデン、タングステンなどがあります。


クロムはステンレス鋼に代表される様に錆びにくくする効果があります。

ニッケルは耐食性を良くします。

マンガン、モリブデン、タングステンは機械的性質を向上させますが、
特にモリブデンやタングステンは高温時の靭性向上などの効果があります。

それぞれの元素を組み合わせることでさらなる効果を生む場合もあります。


ニッケル・タングステンは高価な元素ですので添加されている鋼は比較的高価になりがちです。



このあたりの特殊鋼は種類も多く、特徴も多岐に渡ります。

クルマの場合でも、部品の目的によって求められる性質は色々ありますよね。

フレームであれば強度や粘り強さが必要ですが、複雑な曲げ加工が施されるので
加工性に優れる事も必要になりますし、動力系では硬さや強靭さ、耐摩耗性が重要です。
エンジン内部は高温高圧に晒されますので高温時の機械的性質も大事です。


こういった細かいニーズに対して鉄鋼材料はその豊富な種類で対応するんですね。


基本的に鉄はその性能に対して価格がこなれています。
部分的にはアルミや他の金属の方が優れた性質を持っている場合もありますが、
総じて高価になります。


安価で、安定して入手できて、必要な特性に応じた材料の豊富さ。
これらの特徴は古来より使われ続けた鉄だからこその特徴と言えるのではないでしょうか。



さて、次回は鉄というと切り離せない「サビ」について少しお話をしたいと思います。
Posted at 2014/12/24 11:01:00 | コメント(4) | 理屈っぽいシリーズ | 日記
2014年12月24日 イイね!

鉄(鋼)を理屈っぽく考えてみる。その4

はい、その4です。



今回はS--C材とSK材です。


《鉄→鋼→機械構造用炭素鋼【S--C】》


機械の構造に多く使われる鋼で、S--Cは略してSCとも書かれたりします。

実際はSとCの間に二桁の数字が入ります(例:S20C S45Cなど)。


数字は炭素の含有量を表しており、S20Cなら0.20%の意味です。
実際に良く使われるのはS20C~S55Cぐらいまでですね。


鋼に含まれる炭素が多くなるほど鋼は硬く、脆くなっていきます。
炭素の含有量が0.60%を超えると別の名称になります。(炭素工具鋼:SK)

もう一つ大事な事は、鋼は焼入れを行うと硬度が増すと言われていますが、
焼入れは炭素含有量の少ない鋼にはあまり効果がありません。

逆に炭素量が多いほど増す硬度の度合いは大きいとも言えますが、
0.6%を超えると硬度はそれほど変化しません。

それと炭素が金属組織から析出している鋳鉄などは
加熱→冷却の過程で割れなどを起こしやすいです。


以前に「焼入れローター」なるものが存在しないと書いた事がありますが、これがその理由です。


また、どうしてもS20Cなどの炭素含有量が少ない鋼で表面硬度を上げたい場合には、
周りを炭素でくるんで熱処理を行うことで表面組織のみ炭素含有量を上げて
焼入れを有効にする方法もあります(浸炭焼入れ)。

またその場合にはS20CKというように末尾に「K」が付いた
浸炭はだ焼専用鋼という種類もあります。





《鉄→鋼→炭素工具鋼【SK】》


炭素含有量が0.60%~1.5%の鋼を炭素工具鋼と呼びます。

JISでは昔はSK1~SK7という数字一桁で分類されていましたが、今はSK60~SK140となっています(SK1=SK140)。

SC材と同じく炭素含有量を示しています。

先ほどSC材の所で炭素量0.6%を超えると硬度はさほど変化しないと書きましたが、

耐衝撃性や耐摩耗性は変化します。


工具鋼の名前が示すとおりヤスリや刃物などに用いられますが、SK材は全般に温度が上がると硬度が下がる

傾向があるので、基本的に常温+αぐらいまでの温度域で使用されます。



素材の説明は次回くらいで終わりにしましょうかね。

あんまりこういうのばっかでも退屈でしょうしね(^^;
Posted at 2014/12/24 10:56:22 | コメント(2) | 理屈っぽいシリーズ | 日記
2014年12月23日 イイね!

鉄(鋼)を理屈っぽく考えてみる。その3

その3です。


前回はねずみ鋳鉄についての説明でしたね。今回は普通鋼です。


《鉄→鋼→一般構造用圧延鋼【SS】》


おそらく鉄鋼材料の中でもっともポピュラーな材料でしょう。

代表的なSS400は、形状も豊富でよく使われます。

SS400の400は引っ張り強度を表します。(400→400N/mm2 断面積1平方ミリの材料を引っ張って破断時の力が400Nということ)

単位系が変わる前はSS400はSS41でした。(41→41kgf/mm2)

ところで、鋼はこういう分類以前に大きく二つに分けられます。それがリムド鋼とキルド鋼です。


鋼は精錬後、脱酸剤を入れて製鋼するのですが

この脱酸剤の種類によってリムド鋼になるかキルド鋼になるかが変わります。


リムド鋼は比較的弱い脱酸剤を用い、脱酸と同時に脱炭も行うので炭素含有量の高い鋼を作るには適しません。

さらに脱酸剤が弱いので鋼塊内部に炭酸ガスが押しやられ、外側に純度の高い鋼が生成されるため

リムド(ふちのある)鋼となります。リムド鋼は普通鋼を作る時に用いられていましたが、最近は技術が確立

して普通鋼もキルド鋼で作られるようです。


キルド鋼は強い脱酸剤でしっかりガス抜きが行われるので、ガスがキルド(殺された)鋼となります。

キルド鋼は品質が良いですがコストがかかるので特殊鋼を作る時に使われます。




実際鉄鋼材料を使うときに必要な知識と言うわけではありませんけどね(^^;


ところで、ちょっとDIYで鉄板を使ったりすると、もうひとつ良く目にする材料がありますね。


そう、SPCCとSPHCです。


これらを説明する前に「圧延」という加工法について簡単に説明します。


圧延とは、平行に一定のスキマを保った状態で回転しているローラーの間に材料を通すことで

伸ばして求める厚みの板を作り出す加工法です。


材料が熱い状態で圧延するのは「熱間圧延」、冷たい状態で圧延するのは「冷間圧延」です。


「熱間」と呼ばれる温度は鋼の再結晶温度以上(450℃~650℃程度)です。



鉄板を常温で曲げると、組織にひずみが起こります。鋼は再結晶温度以上に加熱されると
常温状態の組織とは異なった状態になります。そこで加工を行って冷却すると、
変形した状態で組織が形成しなおされるため
ひずみなく形状を変えられるんです。

精錬された溶けた鋼を圧延する際には、赤熱した状態で圧延されますが

常温の鉄板に熱間加工する場合には再結晶温度以上であればOKのため、
赤熱(800℃以上)させる必要はありません。



何も書かずに「圧延」の場合は熱間圧延の場合が多いと思います。


SPCCは冷間圧延鋼板、SPHCは熱間圧延軟鋼板となります。


何が違うのでしょう。


熱間と冷間の大きな違いは仕上げ面とその寸法精度にあります。

鋼が柔らかくなるくらい加熱して圧延する熱間圧延は、一度の圧延で大きく厚みを減らせます。

しかし、赤熱するくらいの温度で加工しますから、その後冷却の際に表面に酸化皮膜(黒皮)が発生し、

表面を荒くしてしまいます。


SPHCは熱間圧延で所定の寸法まで圧延して仕上げた材料で、SPCCはSPHCの工法のあと、さらに冷間圧延で

表面と寸法精度を上げた材料です。

SPHCは表面が黒皮ですが、SPCCはきれいな鋼の面が出ています。

SPHC-Pという黒皮を酸洗いで除去した材料もありますが、面の滑らかさと寸法精度は
SPCCに軍配があがります。

その分SPCCの方が高価ですね。

一般的にはSPCCの方がよく使われますが、自動車のボディなどはSPHCが使われるようです。



材質はSS材相当なのですが、SS400に比べると若干弱いです。

SS400:引っ張り強度400N以上
SPHC/SPCC:引っ張り強度270N以上



今回はここまでです(^^

Posted at 2014/12/23 12:12:08 | コメント(1) | 理屈っぽいシリーズ | 日記

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何シテル?   08/07 20:46
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