エアコンのコンプレッサーのベアリング交換
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
6時間以内 |
1
エアコンのコンプレッサー用のベアリングをようやく手に入れました。
これで交換することができます。
実はオイルを注して数日もしないうちに「カタカタ」音がし始めました。
乗れば乗るほど悪化していくので、ベアリングの到着を首を長くして待っていました。
まず、マグネットクラッチを外します。
(整備手帳「エアコンのコンプレッサー点検1」4, 5項をご覧ください。)
https://minkara.carview.co.jp/userid/563851/car/621240/3840731/note.aspx
<プーリーの状態>
オイルが効いているのか、簡単に手で回せます。
その後、プーリーをクランクプーリープーラーで外します。
<外したプーリー>
ベアリングを外すためには12ヶ所のカシメを取り除く必要があります。
ところで、なぜ、抜け止めがされているのかな。
たとえプーリーがベアリングから外れたとしてもマグネットクラッチで押さえられるので抜け止めはいらないはず。
何か嫌な予感…
2
<カシメの除去>
電動ドリルにロータリーヤスリを付けて、ひたすら削ります。
3ヶ所もやると、手も疲れてくるし、嫌になります。
<カシメを除去した状態>
ベアリングの表面と同じくらいの高さまで削り込みました。
3
<ベアリング外し>
次にペアリングインストーラー(48mm)を使ってベアリングを叩きます。
ベアリングのアウターレースがプーリーに隠れているので、インナーレースを叩くのですが、うんともすんとも動きません。
さらに適当に叩いていたら、シールド部分を陥没させてしまったので、もう車に取り付けることもできません。
このままでは当分の間、車に乗れなくなります。
焦ります。
<カシメの除去具>
カシメの削りが甘くて抜けないと考え、追加で工具を用意し、いろいろと試してみました。
ホームセンターに自転車を走らせ、何と2往復もしました(合計8km!!)。
左から、
ロータリーヤスリ: 奥まで削れず
砥石: 1,2ヶ所削れて、終了!
ダイヤモンドヤスリ: 1ヶ所で目詰まり、残念!!
ダイヤモンド砥石: 3ヶ所くらいで、終了!!!
正に消耗戦です。
グラインダーのような丈夫なもので、ガシガシ削らないと日が暮れちゃいますよね。
でも、自宅で火花を飛ばしていたら、ご近所さんが驚いてしまう…
4
<ベアリングの破損>
ガーン!! インナーレースが取れちゃった…
むなしく、ボールがこぼれ落ちます。
削っちゃ叩き、削っちゃ叩きを繰り返していたら、なんと、ベアリングが崩壊したのでした。
ああ、プーリーの中にアウターレースが残っちゃった。
もう、マグネットクラッチ・プーリーのASSY交換しかないかな…
<アウターレースの溝>
と、思いきや、シールドが収まっていた2mm程の溝がアウターレースの内側に現れました。
何かのお導きでしょうか。ラッキーでした。
マイナスドライバーやベアリングプッシャーで溝を叩くと、プーラーとアウターレースの隙間が広がりました。
やっぱり、アウターレースを直接叩かないとダメですよね。
鍛冶職人のようにひたすら叩き続けました。
5
<抜けたアウターレース>
叩き続けること10分、ついにアウターレースが抜けました。
これで、何とか修理の目途が立ちました。
この後、プーリーは中性洗剤で綺麗に洗いました。
プーリー自体に傷や割れはなく、そのまま使っても問題なさそうです。
<ベアリングの新旧比較>
外したベアリング: 左 NSK製 35BD219DUK
新しいベアリング: 右 (会社名不明) ACB35550020
比較しても意味はないかもしれませんが、いつもの絵ということで…
外したベアリングはアウターレースよりもインナーレースの方が傷付いていましたが、外す時に付いたのかな?
6
<ベアリングの圧入>
いよいよベアリングを圧入します。
ベアリングインストーラーで叩き入れます。
斜めにならないよう均一に入れていく必要があるのですが、やっぱり斜めに…
最後には帳尻を合わせました。
<圧入後のベアリングの状態>
上: 表側
下: 裏側
ベアリングも節度ある回り方をするし、気持ちがいいですね。
7
プーリーの組み付け前にエアコンのコンプレッサーの本体側を掃除します。
<シャフト>
シャフトのシールが弱っているのでしょうか、ややコンプレッサーオイルがにじみ出てきています。
綿棒で軽く拭き取ります。
シャフトの周りのモサモサしている部分は、スポンジです。
<フィールドコイル>
パーツクリーナーを使って、フィールドコイルの内外を掃除します。
外して掃除しても良かったのですが、配線を外すのが面倒だったので、拭き掃除にとどめました。
その後、プーリー・マグネットクラッチや他の部品を組み立てます。
8
<コンプレッサー>
取り付け後、エンジンを始動して確かめます。
音も静かで、プーリーが止まって見えます。
違いにびっくりです。
今回、何とか交換できましたが、正直お勧めできる作業ではありません。(と言うか、そもそも誰もやらない?)
○ベアリングが抜けないようにカシメがあること
○ベアリングを抜く際にアウターレースを叩けないこと
○マグネットクラッチの磨耗がほぼ限度まできていること
これらを考えると、メーカーの思惑通り、プーリーASSYで交換するのが良いのではと。
何れにせよコンプレッサーの延命ができたということで良しとしましょう。
今回の費用:
ペアリング 1,300円
砥石各種 2,561円 (砥石の方が高いことにむなしさを感じます)
(他の材料・工具は持っているものを使用)
合計3,861円
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