エンジンを弄ろう その61
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
12時間以上 |
1
ここでバルブタイミングを取ろうと思います。ヘッドの無い状態でバルブタイミングを取れるのはOHVならではです。
この作業に必要な道具は、マグネットベース、ダイヤルゲージ、タイミングディスク、太目の針金です。
今回使用しているswiftune製のSW5-07カムシャフトのバルブタイミング指定値は106度~108度。
これは1番シリンダーの排気上死点からピストンが下がっていきクランクの角度が106度~108度の時点で吸気バルブが最大リフトする状態。つまりカム山の頂点がカムフォロワーに当たっている状態となるように調整するということです。
ちなみにノーマルのカムシャフトでスプロケットのポンチマークを向かい合わせた状態だとバルブタイミングは104度程度なのでここから2度~4度の範囲でタイミングをずらします。
調整量は結構微妙で、スプロケット外周上でもミリ単位なのでチェーンのコマずらしなどでは対応できません。
調整作業に必要な測定機器をエンジンに装着します。
画像のようにタイミングディスク(全円分度器)をクランク先端に固定。
指針となる針金を適当なボルトに固定し、タイミングディスクの外周を指し示すよう設置。
エンジンブロック上面にダイヤルゲージを取り付けたマグネットベースを貼り付けます。
2
マグネットベースとダイヤルゲージを使用し、1番シリンダーの上死点(0度)を出します。上死点には圧縮上死点と排気上死点の2種類がありますが、スプロケットのポンチマークを向かい合わせているときの1番シリンダーは排気上死点なので、むやみにクランクを回したりしていなければ間違えることは無いと思います。
ピストントップにダイヤルゲージを当ててクランクを回していき針が振れなくなるところでクランクを止めます。
3
上死点を出した状態でタイミングディスクや針金を調整し0度を指し示すようにします。
この基準点を作ることでクランクを回転させたときのクランク角度を読み取ることができます。
4
続いてカムのリフトを計測するため、1番シリンダーの吸気用カムにプッシュロッドを入れて先端にダイヤルゲージを当てます。
エンジンブロックの上面には様々な穴が開いていますが画像の穴の位置が1番シリンダーの吸気用カムです。
5
クランクシャフトをエンジンフロント側(クランクプーリー側)からみて時計回りに回転させていくとプッシュロッドが突き出してきてこれ以上針が振れなくなるところがカム山の頂点付近です。ダイヤルゲージの指示盤を回転させ0の値に合わせます。
ただ、この計測法のみだとチェーンの遊びなどの影響で誤差が大きいので「付近」としました。クランクの回転が行き過ぎた場合、逆回転で戻しながら合わせると遊びの影響で微妙にズレます。必ず順方向だけで合わせます。
6
1mmリフト方式でより正確なバルブタイミングを出していきます。
カム山最大リフトの前後1mmでそれぞれのクランク角度を読み取り、その丁度中間の値がカム山頂点でのクランク角度となります。
この方がより正確なバルブタイミングを取ることができます。
ただしカム形状が完全に左右対称でないとこの方式はとれません。
7
カム山が頂点になる手前、1mm低い状態でのクランク角は・・94度
8
カム山が頂点を乗り越えて1mm低くなった状態でのクランク角は・・119度
ということで119度と94度の中間は・・106.5度
あれ?バルブタイミング大体出てますね・・
ひょっとしたらこのカムシャフトはノーマルスプロケットで組んでも自然と指定のバルブタイミングが出るようにキー溝を掘ってあるのかも知れませんね。
とまあこんな感じです。
つづく
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