
前にも書きましたが、僕は普段の運転では大抵ステアリングのパドルシフトやシフトスウィッチを使って、ギアを自分で選択して走ってます。それで、前から不思議に思っていたんですが、先日、M5点検の代車でやってきたE91に乗った時に、同じBMWでなぜパドルシフトの方式が違うのか、ということを改めて感じました。
というのは、M5とB3はどちらもステアリング裏の右側にシフトアップ、左側にシフトダウンのパドル(M5)ないしはスウィッチ(B3)がついてるんですが、E91やその他(Z4やE90が代車で来た時もそうだった)のパドルシフトはステアリングの両側に「引くとシフトアップ、押すとシフトダウン」のパドルがついています。このため、いつもの調子でシフトダウンしようとしてシフトアップしてしまう、というチグハグなことが何回かあり、結局パドルを使うのをやめて、ATモードメイン、たまにシフトノブで変速、という形で運転しました。
以前は、「片手になった時にどちらでもシフトの上下ができるから、両側にアップダウン用のパドルがある方がいいのになー」って思ってました。特に、交差点を曲がるときにステアリングを大きく切り込んだ時、パドルがどこにあるか分かっていないと、シフトノブで操作するしかなくなるので、一般道ではあんまり意味ないじゃん、と思ってました。また、他社のクルマではステアリングコラムにパドルが固定されていて回転しないものもあり、「いろんなやり方があるもんだ」と思ってました。自動車評論家はこのコラム固定型を推奨する人が多いようですね。
でも、ドライバーズトレーニングに行ったりして正しいステアリング操作のやり方を教わり、M5でもそれで走るようにしてみると逆にステアリングの右手、左手の中指一本で素早くギア選択ができるメリットを体感するようになり、今では逆に「全部のモデルをこのやり方にすればいいのに」と思ってます。つまり、ステアリングと一緒に回転、右アップで左ダウンのF1型。
というのも、本来パドルシフトはスポーツ走行時にATやSMG任せではなく自分でギアを選択して走り込むためについてる装備で、だとするとやはり手の位置は常にステアリングの定位置を占め、大きく切り込む際にも同じ位置にあるように素早く持ちかえて舵角を間違えないようにする、という操作が基本になるはず。それであれば、親指を動かすことでステアリング保持が不安定になりがちな「両側アップダウン」式よりも、中指一本でシフト可能な「右アップ、左ダウン」型が理にかなっていると感じるから。F1もこの方式(というかF1のやり方を市販車に応用してるんだけど)だし、本気で走りたいならこれでしょう。(F1の舵角はきわめて浅い、というのももちろんあります)
それでも、深~く曲がりこんだあと、さらにシフトダウンして加速したい瞬間に左手がパドルから離れているときには、マニュアル車同様シフトノブでダウンする、という操作が必要になる場合もありますが、これはほとんどの場合街乗りで遭遇する場面なので(峠道なら十分シフトダウンして回転あげてるので)、実際上問題を感じません。大きな舵角での素早いシフトチェンジが必要なラリーの場合にはさすがにそうもいかず、ステアリングコラムにパドルを固定して「探す必要がない」パターンが多いようです。
ただし、街乗りでの交差点でラリーのような変速をすることも少ないはずだし、ステアリングコラム固定式のパドルシフトを推奨する自動車評論家は、何のためにパドルを使いたいのか、良く分かりません。峠などで必要となる90度弱の舵角の際には、手の位置を変えないとパドルに届かないと思うんだけど。(それこそ、WRCのクルマみたいに長大なパドルを付けておかないと)
って訳で、パドルやスイッチをつけるならステアリングホイール側で一緒に回転する、右アップ左ダウンがいいと思ってます。楽チンに高速なんかを流す時には普通に自動変速に任せればいいわけだし、そう考えると「両側アップダウン」と「右アップ、左ダウン」の両方を車種によって使い分けるBMWのやり方には「?」を感じます。もうちょっとポリシーを一貫させた方がいいんじゃないのかな?
その点、ラグジャリー志向と捉えられがちなアルピナが、「右アップ、左ダウン」のスウィッチトロニックを採用しているあたりに、本当に狙いたいところというか、アルピナなりのこだわりがあるんだろうなー、と思った次第でござる。
Posted at 2009/12/14 09:28:11 | |
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BMW | 日記