オープンカーに乗るようになって、改めて感じるのはクルマとバイクの違いは大きい、ってことです。
何をいまさら寝ぼけたこと言ってるんだ、違っていて当たり前だろ、と思う方も多いと思います。私も以前は違っていて当たり前というか、まったく別種の乗り物だと思っていました。ただ、オープンカーだけにはかなりバイク寄りのイメージを持ってたんです。
そもそもオープンカーを買おうと思ったのは、「ヘルメットかぶってバイクに乗る」のがちょっとうっとおしく感じることがあったためです。オープンカーはクルマとバイクの中間的存在で、両者のいいとこどりをしたもの、というイメージでいました。つまり、オープンエアの開放感があり、夏の暑さや冬の寒さにはエアコンやシートヒーターで対応、いざとなれば屋根もしめられるし、なによりコケる心配がない、という訳です。
でも、実際オープンでいろんなところに出かけるようになって感じるのは、「やっぱりクルマはクルマだな」ってこと。もちろんオープンカーならではの気持ち良さには言葉にできないぐらいのものがありますし、最近では3:1ぐらいでB3に乗ることが多く、M5クンはちょっとかわいそうかも。でもやっぱりバイクとオープンカーの違いは大きいんです。
何よりも一番違うのは、走りの「立体感」です。これは、山道に行くと強く感じるのですが、バイクは何と言っても速度と自分の曲がりたいイメージに合わせて車体を寝かすことでコーナーをクリアしていきます。常に「減速して体を倒す」「アクセルを開け、加速で車体を起こす」という上下の動きを前進や左右の動きと合わせて積極的に仕掛けていく訳ですね。(ちなみに、左右の動きの面でも車体の幅が狭い分、車線幅をいっぱいに使ったコーナリングラインの組み立ても必要で、公道でもアウト・イン・アウトなどライン取りの自由度が多くなります)
これが、山道のアップダウンと組み合わさることで、「アクセル、クラッチ操作、ギア選択、ブレーキング、重心移動」の一連の無意識の動作が上手く決まると、まるで空を飛んでいるかのような心地よい3次元での移動感覚につながるのです。これを味わってしまうとハマります。学生のときには夜中に走り始めて、夜が明け始めるころに気がついたら250km以上離れた海岸まで来ていたこともありました。夜のカーブはもちろん怖い面もありますが、より3次元飛翔感覚が強まるんです。
B3カブリオで山道を走って全く違うと感じたのはこの点です。オープンエアの爽快感はもちろんあります。むしろ、重たくて暑苦しいヘルメットをかぶらないことで、視界や光の感覚の爽快感ではB3の圧勝です。でも、やはりクルマはあくまで「2次元の乗り物」であることを痛感するのです。ブレーキングや加速時に前輪後輪のある程度の荷重移動の感覚もありますが、バイクのように積極的に体の重心を移動しながら車体を倒していく、といった感覚とは完全に違うということを、当り前ではありますが改めて実感します。
あと、ネイキッドバイクの場合は風というか空気の「硬さ」や「暴力的なまでの力強さ」を生身の体で感じるのも大きな違いです。オープンカーの場合、「高速で風の巻き込みが云々」「同乗者が髪の長い女性の場合には云々」という試乗レビューがあります。大型ネイキッドバイクの場合にはライディングの姿勢にもよりますが、概ね時速100~120kmぐらいを境に、「正面からぶち当たってくる風圧に体を持って行かれないようにする」という戦いになります。これはオープンカーでは全く味わえません。(味わいたくもないと思うけど)
逆に、バイクで60~80kmで流している時に体に感じる風はとても心地よいものです。秋晴れの空の下、ゆったりとした田舎道を60kmぐらいで風を感じながら、少し車体を倒してカーブをクリアしていくのは、こちらも病みつきになる感覚ですね。(これでヘルメットがなければ最高、といつも思いますが、ちゃんと着けてます)
さて、オープンカーとバイクに共通する感覚としては、「匂い」があります。通常のクルマで窓を開けているのとは違い、オープンカーもバイクも「その場所の空気」にどっぷり浸かってますから、雨が降った後のアスファルトの匂いとか、工場地帯のオゾンっぽい臭気、山道でどこからか漂う花の香りなど、「それぞれの場所でいろんな匂いがするもんだなー」と改めて感じます。
って、こんな文章書いてたらバイクに乗りたくなってきた。明日は仕事にゼファーで行ってみようかな。天気はどうなるだろ?
Posted at 2009/08/24 22:48:39 | |
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バイク | 日記