
M5とB3カブリオは色んな面で対照的なクルマです。
セダンとしての利便性と、血の気の引くほどの速さを両立させたM5、オープンとしての気持ち良さと快適な速さをバランスさせたB3という感じ。
エンジン音一つとっても、見た目のゴツさとは裏腹にどこまでも伸びるテノールを思い起こさせるM5と、華奢なスタイルなのにややハスキーなバリトンを響かせるB3。
M5のシャシーやサスペンションは”強い構造”を感じさせながら、そのエンジンを回す時の感覚は、どこまでも回ろうとする、そして回せば回すほど気持ち良くなる”官能”的なもの。対してB3のシャシー、サスペンションはしなやかな感覚で”気持ち良さ”を感じさせるのに、エンジンは下からの分厚いトルクで、いつでもどこでも必要十分な速さを提供する”理性”的フィール。
さて、ダッシュボードをみていて、M5のキャラを明確に象徴する違いだな、と思うのは330km/hまで刻まれたスピードメーターではなく、燃費計です。
BMWのセダンには、ほぼ例外なく瞬間燃費計が装備されています。B3の場合には、通常の瞬間燃費計の場所に油温計がありますが、オンボードコンピュータのデジタル表示のボタンを数回押せば、瞬間燃費の表示になります。
M5にはこの瞬間燃費計がアナログでもデジタルでも装備されていません。(俺が気付いてないだけかな?)
多分これはBMWからの「セダンでもMを選んじゃった以上は、観念して瞬間燃費なんぞ気にせず走りを楽しめ」というメッセージなのではないかと勝手に都合よく解釈してます。
現在のM5の平均燃費4.6km/l、B3の平均燃費6.8km/l、どちらも高速6〜7割という走行パターンなのですが、(高速これだけ走ってこの燃費かよ、回し過ぎだろって友人には言われます、、、)確かにこれではM5の瞬間燃費が表示されてしまうと”雑念”でアクセルの踏み込みが甘くなってしまいそうですね。この辺は、BMWならではの「細けーことはいいから、駆けぬける歓びを存分に味わってくれ」という温かい配慮と理解して、心置きなくぶん回すのが本筋でしょう。おいらのような単純型人間としては、そう来なくっちゃ、って感じです。
とはいえ、BMW社も昨今の環境のなか、efficient dynamicsなどエコを前面に打ち出す方向に完全に舵を切ってます。リッター5キロなんてエンジンを積むのはそろそろ社会的に限界かもしれませんね。ティラノザウルス最後の世代みたいなものかもしれません。せっかくだから愉しまないと、ね。
プリウスやインサイトに乗って環境に貢献してくれてる皆さん、どーもスミマセン。おいらのような馬鹿ったれの分も、ECOな走りをどうぞよろしくお願いしまっす!!(でも、のんびりと追い越し車線をふさぐのだけは勘弁してね)
Posted at 2009/08/25 21:37:45 | |
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BMW | 日記