
「ロスト・イン・トランスレーション」っていう映画をご存じでしょうか?2003~2004年に結構話題になり、2004年のアカデミー脚本賞をとった映画です。予告編は
こちらと
こちら。
当時、取引先のアメリカ人にこの映画を強く勧められ、見てみました。日本語や日本の風習を理解しない欧米人からすると謎めくはずのシーンも、日本人が見ると「分かっちゃう」感じはありましたが、文化や風習が全く違い言葉も分からない環境での疎外感や、そこで共通するものを持った者同士の連帯感のようなものは昔を思い出して「そうだよな、そうだよなー」っていう感じで、それなりに楽しめる映画でした。「ガイジン」として日本にいるとどんな感じになるのかの疑似体験としても面白かったです。
日本にいる
エクスパット(Expatriate:欧米本国からの駐在社員/役員)たちの間で、この映画は大変人気があったようです。彼らがまさに肌感覚で体験している世界を見事に切り取っていたからでしょう。
ところで、この映画のラストシーン近くに差し掛かった時に妙な感覚を覚えました。
「ん?この映画、前に見たことあるかも??」
そう、デジャヴュあるいは既視感ってやつですね。はじめてきた場所なのになぜかその風景が懐かしいというか、絶対に昔ここには来たことがある、って感じるやつ。
画面が進むにつれて、「おれはこのシーンを絶対に見た」という感覚がどんどん強まります。
ラストの、ビル・マレイとスカーレット・ヨハンソンが新宿の繁華街で抱き合うシーンで、「そうか、おれはこの風景を、反対側から見ていたんだ」ということに気付きました。そして、二人の背後にはブルーのBMWが。
そうです、買い物に出かけた先で遭遇した撮影風景を、「安っぽいCMか学生サークルだろう」と思っていたのですが、この映画のラストシーンだったのでした。
だって、周りを歩いているのも全く普通の通行人で、エキストラはほとんどいなかったと思うし、フツーの女の人が「撮影中ですのでご協力ください」って言ってクルマをとめて、目の前でガイジンカップルが抱き合うのを、ありきたりのカメラで撮っているだけだったんですから、「映画撮影」って感じでは全くなかったです。(因みに場所はヨドバシ時計館の前の道、新宿駅向きに車が止まっています)
そんな訳で、スクリーンに自分のクルマが映っているのを見てカナリびっくり。DVDが出て早速買ったのは言うまでもありません。(幸か不幸か、運転席は二人の後ろで映ってません)
このクルマはその後545iの下取りにBMWに売却したのですが、どこかでまだ元気で走っているのでしょうか。E39 530i M-Sports トパーズ・ブルーのオーナーの方、貴方のクルマはもしかするとアカデミー賞受賞映画に出演した個体かもしれません。どうぞ大事にしてあげてくださいね。
Posted at 2009/08/06 19:47:26 | |
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BMW | 日記