
先日の朝日新聞に出ていましたが、国交省が高速無料化の経済効果試算をしていたのに隠していたとか。(この間、
高速無料化をちょっと茶化しちゃいましたが今日はその続き、かな。 )
で、その時のっていたグラフ(写真はℂ朝日新聞社)を見てみると、無料化すると3兆円近い経済効果、ってことになります。(赤い折れ線ですね)
でも、僕が本当に気になるのは、この赤い折れ線の3兆円は一般道での「プラス」と高速道路の「マイナス」を相殺した結果として出ているものだってこと。
つまり、この効果は「一般道で渋滞や事故が減ることによるプラス効果」と、「高速での渋滞や事故が増えることによるマイナス効果」の合算です。さー、ここでよく考えないと、と思いました。
50km離れたところに行くために、今は一般道で平均時速25km、2時間かけていくオプションと、高速代を払ってちょっと遠回りして平均時速80~100km、30~40分ほどで行くオプションとがあったとします。
これが、無料化の暁には多分こうなります。一般道の平均時速が35km程にあがり、1時間30分ほどで目的地に着き、高速道路の平均時速が40kmほどに下がり、1時間15分ほどで目的地につく、というパターンです。利用料金が無料なんですから、並行する一般道と高速の平均速度は理屈上は限りなく近くなるはず。つまり、高速が早いと思えば乗るし、遅いと思えば降りるわけですね。一般道は結構信号がありますから、相当な田舎以外では平均時速35km程度がいいところでしょう。
上の思考実験をしてみて何が起こっているのかというと、全体の平均速度が少し上がるかもしれないけど、目的地に早く着くオプションがなくなる、ということです。事故や渋滞が起こった時に次のインターまでは降りられないので、下手をすると高速の方が遅い、という現象も結構起こりそうです。 ちょっと高いけど早いオプションと、安くて遅いオプションのどちらかを必要に応じて選べる方が、単なる「効率」だけではなく、「効果」も考えると経済的には意味があるのではないかと思います。
最近の世の中は何でもかんでも「平均化」の方向に向かっているように思います。本当にそれでみんな幸せなんでしょうか?オプションがない世界を突き詰めていくと、極めて味気ない、やる気も何も起こらない世界になりそうな気がしてしょうがないんですが、私の考えが幼稚なのでしょうか。多分そうなんでしょうね。
でもね、ハトヤマさん、やっぱり高速無料化なんて要らないよ。
Posted at 2009/09/14 21:26:25 | |
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