
数年前、E60 545iに乗り換えて一年弱の梅雨時のこと、エンジン始動時にエアコンから噴き出してくる風のニオイに、「うわ」となりました。その後も、夏に向けて気温と湿度が上がるにつれどんどん状態が悪化し、同乗者からも「クサイ」と言われる始末、、、
ディーラーに相談しても、「BMWに限らず欧州車はそのあたり弱点なんですよね~、日本の高温多湿を前提にしてないみたいで」とか言って、とりあえずエアコンのフィルター交換を勧められやってみても全く効果なし。匂いの種類は明らかにカビ/雑菌系つまり古雑巾の嫌なニオイなので、エヴァポレーター近辺でカビ/雑菌が繁殖してるのは間違いない。E36、E39ではそこまで気にならなかったのですが、E60はエアコン内部の構造のためか、ニオイがきつくなっているようです。ちなみにこのニオイ、エンジン始動直後だけで、吹き出し温度が下がってくると分からなくなるのですが、やはりエンジン掛けてこれから行くぞーってときにクサイのはテンション下がります。
放っておけないってことで、色んな手を試しました。シート下に置くタイプの活性炭消臭剤、光触媒型の消臭剤、長いノズルをエアコン噴き出し口から差し込んで奥を殺菌・消臭するスプレー剤、二酸化塩素のタブレット、わさび成分の消臭剤、バルサンのように閉め切った車内で煙をたいて殺菌・消臭する薬剤、カーショップでの簡易エヴァポレーター洗浄、などなど。一時期は毎週のようにオートバックスやイエローハットやらに通ってました。
どれもある程度は効果があり、特にバルサン型のものや簡易洗浄は数日~一週間は効果がありますが、次第にまた元の状態に戻ってしまいます。本格的に対処しようとすれば、エヴァポレーターをはずして洗浄しないとダメ、というオオゴトで、しかもたとえこれをやったとしてもまた次のシーズンには似たような状況になってしまうのは明らか。
というのも、エヴァポレーター内が結露水で湿っている状態でエンジンを止めると、エアコン内部の空気が淀んだ状態の中でエンジン余熱で温度も高まり、高温超多湿=カビや雑菌にとっての楽園状態になるのが根本原因だと思うので、一度綺麗にしたところでしばらくすれば元の木阿弥のはず。
友人のE60乗りに聞いても、「我慢するしかないよ」って言われるだけだし、ネットなどで色々と調べても抜本解決策が見つからず困り果てていたある日、iDriveのエアコン調整のメニューで「パーキングベンチレーション」という項目が目にとまりました。機能としては、タイマーをかけて予約した時間に30分ほど換気を行うタイマーモードと、項目を選択したその時点から30分ほど換気を行う即時作動モードがあります。
この項目があるのは前から知っていたのですが、それまではいったいどういう時に使うのかイメージがわかず、忘却の彼方となってました。ただ、そのときにはエアコンのニオイで困り果てていたこともあり、溺れる者は藁をも掴むって感じで「もしかすると、こいつをエンジンを止めた後にかけておけば、エヴァポレーター付近で雑菌が繁殖する前に乾燥できるかも!」と思ったわけです。
試しに駐車するときには必ず「パーキングベンチレーション」をかけておいたら、ななな、な~んと、それまでの嫌なニオイが1~2日で全くしなくなっていたのです!!正直これは感動的でした。(なんだか、テレビショッピングの売り込み文句みたいですね。)もしかすると皆さんの間ではとっくに常識的なことなのかもしれませんが、「カビ・雑菌をそもそも繁殖させない」という根本治療につながる機能がクルマに備わっていたというのが、私にとっては感動ものでした。これ以降、どのクルマでもエアコンが冷房側で働く季節には、必ずパーキングベンチレーションを即時作動で使ってます。ある程度バッテリーへの負担にはなると思いますが、日頃それなりの距離を走っているせいか、今のところ全く問題ありません。
それにしても、日本向けのクルマにはこの機能をもっと使いやすい形で、例えばダッシュボードに専用ボタンがあって駐車時にはそれを押せば勝手にパーキングベンチレーションをやってくれる、というような設定になっていればいいのにと思います。プリウスみたいに太陽電池でパーキングベンチレーションをする機能がまもなくどのクルマにもついてくるのかもしれません。でも、そうなったら消臭剤メーカーにとっては大打撃ですね。
もう季節外れになりかけた話題で失礼しました。
9月1日追記:写真は左側がE60 M5、右側がE93 B3のパーキングベンチレーション画面です。
Posted at 2009/08/30 13:50:28 | |
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