
さてさて、コペンハーゲンでのCOP15という環境の国際会議も、なんだかワケの分からない力づくの結末になってしまったようです。日本のお隣の13億人以上も人口のある大きい国が、まるでドラえもんのジャイアンみたいに我儘を押し通した印象です。まさに、国家同士のエゴの戦いですね。
でも、そもそもいわゆる「エコ」ってのは所詮は100%人間の「エゴ」だし、どこまで行っても「エゴ」でしかないということは一度みんなで確認したほうが良いと思います。「エゴ」のカタマリを感傷的な偽善の衣でくるんで、商魂の油でからっと揚げて、一般消費者に喜んでパクパク食べてもらってる、ってこと。
エコのキャッチフレーズとして、「地球に優しい」ってのがよく言われます。極地の氷が融けちゃってシロクマくんがかわいそう、って。ま、確かに絶滅の危機に瀕するシロクマくんには同情します。でも、「地球に優しい」ってのは違うでしょう。
なんでかっていうと、例えCO2が増えて温暖化がすすみ、仮にシロクマが地球の上からいなくなっちゃったとしても、さらに言えば、人類がいなくなっちゃったとしても、地球にとっては辛くもないし、寂しくもないってのは、言うまでもなく当たり前です。50億年ほど前、生まれたての頃の地球には大気もなく、とても生命が存在できるような環境ではなかったのですが、それも単に地球のありようのひとつでしかないわけで、生命のあふれる現在の地球と比べて、「客観的」にどちらが良い悪いと言う価値の違いはありません。
結局のところ「エコ」は、「現在の人類にとって、今の安穏とした暮らしを送れる居心地の良い環境を維持すること」を唯一至上命題とした、先進国を中心とした人類の「エゴ」による主観的な取り組みに過ぎません。それを、「地球に優しい」だとか、「シロクマくんかわいそう」だとか、センチメンタルな言葉で飾るのはやめたほうが良いでしょう。極めて冷徹に合理的に、現在の状況はどうなっていて、根本的な問題とその原因がどこにあり、どういう対策が必要なのか、というところを突き詰めて行くことが、人類の生存のために不可欠なのに、表層的な偽善と自己満足と商業主義に踊らされて終わり、ってなことになりかねない現在の状況は、実は結構危険なのかも。
例えば「マイ箸」ってのも、本当は国産の間伐材を使った割り箸を活用したほうがよっぽど森林の保全に役立つのに、「使い捨ては無駄に見える」という近視眼的思考が、持ち運び用の箸を売りたいメーカーと小売に上手く利用されているという説があります。間伐材の処分ができず、森が荒れてしまったりと言う問題もあるようだし。また、使い捨ての割り箸を焼却すればC02が発生するので良くない、と言われますが、野ざらしになった間伐材や端材も早晩微生物によって分解され、どっちにしてもCO2が発生するわけです。
はたまた、「江戸時代はエコだった。もっと江戸時代の生き方から学ぼう」と言うような趣旨の本を見かけたような気がします。だったら、きっと平安時代のほうがもっとエコだったでしょう。いや、それよりも縄文時代だし、それを言うなら、旧石器時代は僕の推定では相当にエコだったはず。じゃ、「旧石器時代の生き方から学ぼう」ってのは誰も言わないのはなぜだろう?おしゃれなエコバッグとかを持って「自分にできることから少しでも」なーんて、本質から相当ずれてるような気がしませんか。(この辺の「自分らしく、自分にできること」シンドロームについては、別の機会にお話してみたいです)
さて、仮に温暖化が進むとゴキブリが絶滅する、ってことが分かったらどうなんでしょうか?「ゴキブリさんを救おう」ってキャンペーンが始まるのかな?アース製薬やらキンチョーやらは、ゴキブリの敵って非難されちゃうんだろうか?もちろんそんなことありえませんよね。だって、ゴキブリは
人間から見て「迷惑だし気持ち悪い害虫」なんですから。だから見かければ殺虫剤を吹きかけるし、コンバットで巣ごと退治しようとしても、誰にも非難されません。(ゴキブリ擁護活動家でも居れば別ですが)。でも、地球的視点で考えればシロクマとゴキブリの間になんら有意差はないでしょう。
結局、繰り返しますが今の「エコ」ってのは、今の安穏とした暮らしを送る人間にとって都合の良いだけの「エゴ」に過ぎない、ってことをみんなでしっかり確認して、じゃ、その目的(我々の生存)に向けての最適な手段は何か、というところを、みょうちくりんな欺瞞や偽善抜きに突き詰める作業が必要なんではないかなー、と思ってます。
ん~、今日はジムで走って泳いで疲れちゃって、頭がボーっとしてワケの分からん屁理屈こねくり回しちゃってます。燃費最悪のクルマで日夜走り回ってる僕にこんな話をエラそーにする資格、全くありましぇーん。どーもすんましぇーん。
ではでは。
Posted at 2009/12/20 22:48:56 | |
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