さて、SWをまだ2年少ししか乗ってないような若造がSWについて偉そうに語るのもほんとどうかと思いますが、取りあえず本題に移りたいと思います。今回は文字しかないのでご容赦ください(汗)
SW20のイメージというとネットでも現実世界でも1型の悲劇的なデビューの所為か、全体的にマニアックで近寄り難い雰囲気を醸し出している様です。事実、友人に貸そうとしたり部車として提供しようとしたら「恐いから」と敬遠されるくらいの扱いですw
では具体的にどういう事例が挙げられるかと言うと、
・リアがスライドしたらピーキー。
・アンダーかすぐスピン。
・上級者向け。
・限界や完成度が低い。
具体的にはまだ他にも色々ありますが、どうも玄人向けだったり中にはその特性を理解できずに駄作扱いされる方もいらっしゃる模様です。これらも考慮して話を進めて行きます。
1.MR2って速い車なの?
デビューした時代を考えれば十分速い部類かと思います。
というのもこの車の登場は1989年の半ばで設計その物は80年代。丁度この頃と言えばR32スカイラインやセダンではシーマやセルシオなど、この機会のデビューやモデルチェンジで一気に日本車の高性能化が進んだ過渡期です。
確かこの時2リッターターボで225馬力というスペックは最強クラスだった筈で、ピーキーと言われた1型の操縦性は実は意図的な味付けとも聞きますし、1型の純正がオープンデフというのは差し引いても競技ベースで交換前提ならまず遅い事は無い筈です。たぶん。
又、ブレーキやタイヤサイズの実質容量アップを図り、大幅に穏やかな乗り味へとリセッティングされた2型以降は割と万人でもそのMR故の高性能さを体験できたと思います。
後発車両の進化、台頭。
但し、存在に影を潜め始めるのは90年代も半ばの頃でしょうか。インプやランエボといった2リッターターボクラス最強を誇るスポーツ4WDの台頭や、ライバル勢の大幅な性能アップ(FD3Sの5型以降など)、更にはS2000などの新勢力と、そこまで大きな仕様の変更は行わなかったSW20としてはどうしても”スペック的に”彼らから一歩引いたポジションに後退してしまった事は否めません。そもそも世代が違います。
それでも今だ現役で競技に使われ、たまにこれらのライバル勢に肉薄する事も珍しくないことから、ポテンシャルはノーマルでも決して低くは無い部類に位置すると思います。
ちなみにどうしても後の高性能車と比較されるのは、例えばFD3SやS2000はジムカーナのN3等で被っていること、又購入出来る物件が中古車という性質上、車種や年式に関らず選択肢として同じ篩にかけられて比較される為で、仕方の無い事だと思います。
2.MR2って難しいの?危険なの??
冒頭のイメージでも一例が挙がってますね。これらをバッサリと否定から始めたいところですが、現実は完全にそうはいかないのでその辺の補足から入ります。というのも、少なくとも初心者がいきなり公道などリスクが有る場所で全開アタックかますと裏切った時が大変危険で、事実MR2買って一週間で全損→廃車みたいな武勇伝?がネット上でもちらほら見かけるからです。
2-1 アンダー、そしてスピンへ。
この車は世間離れしたレイアウトですし、それに応じた前後の荷重移動がしっかり出来なければこの車の限界は低いと感じてしまうハズです。何故なら、前輪は普通よりも乱暴なブレーキではロックするか荷重が不足して曲がりませんし、後輪も重量物を積んでいる以上荷重を掛ければ限界は高いものの、荷重が乗らなければ急なスロットル操作や以前説明した
慣性力がグリップに勝ってスパンと裏切ってスピンモードです。
2-1-1 アンダー対策
とにかく前荷重で曲がるきっかけを作らないと酷い場合アクセルを開けてもプッシュアンダーで終わる可能性さえあります。裏を返せばそれ程安定していると言う事。
一先ずブレーキの操作を徹底的に身に付けて下さい。
・直線(迷惑のかからない所!)でいいのでフル制動練習。
・一度ロックさせて限界やタイヤの感触を探って下さい。
・ロックする寸前をとにかく意識して下さい。
・一瞬ロックしても恐がらずブレーキ緩めてグリップを復活させて下さい。
・
フル制動まで出来れば相当前に荷重が移っていることが体感出来る筈です。
最初私はヒールトゥとセットでこればかり練習してた気がします。これでブレーキのコントロールを覚えれば、フル制動だけじゃなくてコーナー進入で曲げる為の細かなブレーキ操作も恐くなくなります。
まあこれはどの車でも必要ですけどねw
2-1-2 スピン対策
これもSWで最初に陥り易いかも知れませんが、実はグリップ走行なら案外そこまで危険だったり不安定な恐さは無いです。要は操作の手順とさじ加減。
・後輪を喰わせるには後荷重が必要不可欠。
・意外ですが鼻が入ったらもう早めにアクセル入れてOKです。
・ゆっくりパワースライドさせない程度にジワジワとアクセル入れて下さい。
・荷重が載ったらケツ駆だけにアクセルでガンガン曲げちゃっても結構大丈夫です。
意外かもしれませんがこの車は鼻が入ってしまえばアクセルONでOKです。というのもこの車でのスピン例は大体リア荷重不足のものが多く、これを見直すだけで格段にリアの限界が向上します。そしてそもそも後輪駆動なので、リアの安定性を保ちながらそのままアクセルワークで強力な旋回も生みだせる訳です。
2-1-3 双方の兼合い
この2つの対策でMR2が稀に言われる「アンダーかオーバーが極端」という性格はかなり影を潜めます。少なくとも私の乗る3型では凡ミス意外でこれを裏切って恐い経験は皆無です。どうしてもこの2つの項目は覚えるまでがしんどいかもしれませんが、逆にこれを覚えてしまえばどの車にもハイレベルで応用出来るので良い機会と思って習得するのが吉です。
少なくともこの事だけでも守り、きちんとした荷重移動と操作が出来れば、世間が思うところの理不尽な難しさや危険さはだいぶ影を潜め、比較的安定させながらそこそこのペースで走る事は素人でも十分可能です。
2-2 テールスライドの恐怖
スピンと若干被ってますが、確かにシルビアなどドリ車みたいな本格的なレベルのドリフトというと一筋縄では行かず、色々と壁にぶつかります。まあこれは後の「ドリフトしてみよう」で詳細に触れるとしましょう。
但し、そのテールスライドですが、MR2だって後輪駆動です。出来る出来ないの次元ではなく、真面目にスポーツ走行されるならしっかり立て直せる技術とサイドなどでの緊急回避は覚えておかないと大変危険だと思います。
・例えば定常円位ならMR2といえど決して無理難題ではないので是非覚えて下さい!
・サーキットみたいな許された場所で限界に挑戦して少しずつ覚えるのも有効です。
但し、やり過ぎると黒旗上がる可能性有りますがw
万が一失敗した時もリカバリーが効き、生存率はこれで格段に向上します。
3.初心者は乗っていいの?
他と比べて少し難易度が上がるのは事実ですが、答えはYES。1型は判りませんが、2型や少なくとも私の乗る3型以降なら問題ないです。だって私みたいなのでもそれっぽくは乗れてますし、かえって一から高度な操作を覚える満足感さえあります。
ちなみに最初にFRに乗っていた人の方がかえって大変かもしれません。というのもどちらが難しいと言う話では無く、単純に荷重移動等の操作のタイミングが違う為、そのままの操作では例のアンダー&オーバー地獄に苛まれる気がします。
さて、先ずはSW20の難易度やら特性について書いたら、内容は触りのくせに大変読みにくい長文になってしまいました(汗)次はこれらも踏まえてSW20の構造上から更にこの車の長所や短所に迫っていきたいと思います。
ブログ一覧 |
MR2という車。 | クルマ
Posted at
2011/02/13 23:49:29