ずい分と間が開いてしまいましたが、決してまた企画倒れしていた訳ではないですw
とりあえずその場の思いつきで書いてる為、記事の内容が正しいかどうかは保証致しかねます。
早速本題に入りますが、過去記事やこれまでのブログに登場したエンジン搭載位置による遠心力の大きさと向きを示した画像について、先ずは説明します。ちなみに、本来は車に対してもっと複雑かつ多くの要素が合わさった上でコーナーリングが完成する訳ですが、今回はあくまでそれぞれの位置の重量物が車体に及ぼす力の差を説明したい為、その他要素は割愛させて頂きます。
図1 エンジンの搭載位置とその遠心力
これは過去の記事でも説明した通り、車(図の長方形の物体)がある点を中心に、惑星が太陽の周りを公転するように、円を描きながら旋回しており、この時の車に掛かる遠心力の大きさと向きを示しています。この時車に掛かる遠心力(F)は、重さmとそれぞれの半径(r₁、r₂、r₃)、角速度(ω)の2乗に比例します。
その中の重さである質量mが大きければ大きいほど遠心力Fが大きくなるのだから、当然ながら重量物であるエンジンが載っている部分は、この影響をもろに受ける事が想像出来ると思います。
最初の図1で車は円をなぞるようにコースを周回しながら旋回を続けています。ではこれを、先程惑星の例で述べたように”公転”とします。ただ、周回を続けるには車そのものも回転しながら向きを変えなければ、旋回は出来ません。ではこれを公転に対して”自転”とします。
図2 車体の前後間における遠心力の比較
この図2では図1の車両の公転において、一つ目は重量物(青四角)が及ぼす前後別の遠心力(赤矢印)、二つ目は車両に発生している自転する力(図2車体中央の黒い回転矢印)、そしてこの二つの力が組み合わさる事によって発生する旋回特性の違いについて、フロントエンジン、リアエンジンそれぞれ説明して行こうと思います。
先ずはステアリングを切る事によって車は進行方向を表す黒矢印の方向に向かって旋回を始めます。この時に、最初に書いた”公転”を始めるとともに、車両自体が向きを変える”自転”が発生します。また、車両は図1のように公転している為、旋回を開始するとともに車両には”遠心力”が発生します。
と言う事でフロントエンジン(図3)とリアエンジン(図4)をそれぞれこの図2の考え方に当てはめてみると・・・
図3 フロントエンジンの場合
ここでフロントエンジン車の場合、図3のように車のフロントにより大きな遠心力が発生します。車の後輪側よりも重量物が載っている前輪側により大きな力が発生し、結果としてより強力な遠心力にフロントがアウト側に強く引っ張られ、車はアンダーステア傾向になる事が何となく解ると思います。
赤い回転矢印は自転する方向に対するイメージであって実際にこの方向に回る訳ではないですが、車が向きを変える”自転”に対して阻害する要因である事もお解り頂けるかと思います。
図4 リアエンジンの場合
続いてリア(或いはミッドシップ)エンジンの場合、フロントエンジンとは間逆で重量物の載った後輪側により大きな力が働きます。ここで、フロントよりもリアの方がこの力でアウト側に強く押し出される訳ですが、ここでこの力が及ぼすイメージである赤い回転矢印が”車が自転したい方向”と”重なり”ます。多くのMRではこの”自転する力”がより強力かと思いますが、これは良い意味では強力な旋回性能を、悪い意味ではスピンし易い特性を生んでいる事が解るかと思います。
以上、図3と図4の比較により、両者のエンジン搭載位置による大まかな違いが解って頂けたかと思います。この比較だとリアエンジン車の利点だけを挙げただけみたいですが、これではMR2マンセー!みたいなシリーズで終わってしまう為、次回はシルビアの得意項目である某曲乗り的走法に焦点を当てて、両者の特性を比較してみたいと思います。
それと順番が逆になりましたが補足。特に高校物理を心得ている方は既に内心で指摘されているかも知れませんが、
「重量物が載っている分車輪に荷重が掛かりグリップも比例して上がる為、遠心力と相殺されるされるのではないか?」こんな事をお思いでは??
結果から行ってしまうとタイヤの荷重に対するグリップは非線形性であり、最終的には荷重から得られるグリップよりも重量増による遠心力の方が勝ってしまい、よって上記のエンジン搭載位置別の説明も成り立つ訳ですが、この辺の話は複雑でマニアックになってしまう一方で興味深い内容でもある為、このシリーズとは別に機会を作って考察してみたいと思います。
Posted at 2011/12/06 21:09:31 | |
トラックバック(0) |
その他。 | 日記