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2009年10月02日

ベンツC200 W202 というクルマの雑感 3

ベンツC200 W202 というクルマの雑感 3 さて、今日は先日の続きです。

の前に。
仕事柄よく色々な車を乗るのですが、そこで思うのが「デッサン・クロッキーの欧州車に、浮世絵感覚の日本車」という印象について。

もちろん画材や気候条件(主に湿度の高低によるモノの見え方の違い)による差もあるのですが、西洋画は光と影、解剖学的に正確な骨格、絵的な配置などに全体的な注意が注がれているという印象を受けます。

それに比べ、昔の日本画は全てが実線で輪郭を表現されています。墨と紙いう画材のせいもあるでしょうけど、後から描き込みを足していくということはあっても、全体の描線は一発勝負。失敗しちゃったからソコだけ修正という訳にはいきません。
写楽の大首絵や春画などが特徴的かと思いますが、描きたいところ、印象的な部分というところがそのまま大きかったり、みょうにリアルで精緻な表現になっていたりと、まるで近代絵画のようなデフォルメがなされた表現もあったりします。

欧州車の全体的な印象も絵画に共通するものがあって、全体的なレイアウトやパッケージング、走りの印象など、クルマとしての全体骨格・基本設計・デザイン等には感心させられることが少なくありません。
が、ソコから息切れしてしまうのか、はたまたただ単に詰めが甘いだけなのか。プラ部品・ゴム部品・電装品関係の信頼性が意外なほど低かったり、外装仕上げが甘く、がっかりさせられたりという事が珍しくありません。
基本部分は丈夫と言えば聞えはいいのですが、プラ・ゴムもなければエンジンも成立しない訳ですからね。
日本車は、そのモデルチェンジのやり方にも問題があるというか、一度作っちゃったら、あんまりお金をかけたくないだけなのか。とにかく骨までしゃぶりつくすといったらいいでしょうか。延々と基本設計は変えずに使い続けるんですよね。
その代わり設計変更が効くところは随分変更が繰りかえされて信頼性や使い勝手はどんどん向上していく。「一所懸命」という言葉がありますが、まさに一点に集中する。
だから大本で基本設計が古くとも仕上がり品質は高く、機械としては壊れず故障せず、長期間の耐久性はともかく、10年15年という程度の期間であれば滅多に朽ちることはないという、それはそれで優秀な機械であると思います。全体的には幸せ、という感じでしょうか。


さてベンツ君です。
前回「北国の生まれ」という事を書きました。その寒いからなりの彼らの主張「こうあるべきだ・これがいいのだ」の部分について。

北国の車たちにとってバッテリーは、エンジンが目覚める前に使える唯一のエネルギー源です。このため温暖な日本ではバッテリーの存在が比較的に軽く見られがちですが、厳寒の地ではエンジンがかからなければソコに取り残されるだけです。最悪、待っているのは凍死、という笑えない事態もありえます。
携帯電話の雄、ノキアがフィンランド企業であることも偶然ではありません。彼の地では携帯電話を持っていること、繋がることが命綱だったようです。このことから携帯電話普及の当初から普及率は世界一だったため、それがノキアの成長の基にもなったそうで。

あちらは日本ほど人口密度が高くないですから運よく通りがかりの人が来た、という幸運に期待するより、何とか自力で脱出するべく頼みの綱のバッテリー様は特別扱いです。

基本的に電気は貯められません。バッテリーとは、化学反応の結果によって電気を発生させている化学プラントです。このためあんまり低い温度では化学反応が進みにくく、また、必要以上に加熱されてもバッテリーにとってはよろしくないようです。このため、ベンツ君の場合は日本車で一般的なエンジンルーム内への配置ではなく、特別室たるトランクルーム下のスペースに配置されています。しかもディーゼル用と見間違うばかりにデカイものが。
理由としてはエンジンルーム内への配置に比べ加熱される悪影響が少なく、しかも積載スペースの制限を受けにくいから、という理由でしょう。

バッテリーとは充電しすぎても放電しすぎてもよろしくない物のようですが、低温の時は元々発電反応が弱く、そこでひとふん張りさせると過放電となりがちです。これを防ぐには、もともとのバッテリーの容量自体に余裕を持たせるのが最良です。このため巨大バッテリーの登場と相成ったのだとか。未だに交換した事が無いのですが、あれ、いくらするんだろう?
ちなみにベンツのリモコンキーに使われている電池にはボタン電池が2個使われています。私が使い始めてからCは4年経ちますが、未だに電池交換はしていません。トヨタのリモコンキー(もちろん電池は1個)なら電池の寿命は2~3年位だったんですけどね。

さて、そんな特別室まで奢られたバッテリー様には、いざという時のことのために様々な配慮がなされています。

トランクルームにはもちろん作業灯があります。これくらいならベンツにもあるのです。トランクを開けると勝手にこの電灯が点くのですが、感心したのはこれを消灯するスイッチがあること。
もちろんトランクを開ける時間帯が明かりが必要な夜間ばかりとは限りませんし、あちらはミネラルウォーターの国ですから、しばらく開けっ放し、電灯をつけっぱなしになることもありえるのでしょう。だから必要ないときには消灯する。なんか見習いたくなります。

明かりつながりで室内灯です。ベンツには前と、後ろ用の2つ室内灯が設置されているのですが、スイッチが点灯のさせ方によって4つに分かれています。安全性も含めての事でしょうけど(走っている最中に室内を明るくすると外が見えにくくなる)、後ろ席用の明かりだけ点けるスイッチがついています。

空調で感心した点があります。
日本ではよくエンジンかけっぱなしで駐車場もしくは路肩で止まっている車を見かけます。夏は夏でクーラーをかけ、冬は冬でヒーターを入れるためにエンジンがかけっぱなしにされています。
ベンツの場合は「必要なければ、さっさとエンジンを切れ」という事なんでしょうけど、エンジンを止めた後でもラジエーターの余熱を使っての送風だけはできる、というスイッチがあります。もちろん鍵を抜いてあってもこのスイッチだけは作動します。
ちなみにオーディオも鍵を回さなくても作動するんですよね。おそらく全回路に電気を回して使うのがオーディオだけというより、使う可能性のあるところだけは繋いであるということなんでしょう。

笑ったのが、フロントのデフロスター(曇りとり)スイッチです。クーラーが作動している時だろうがヒーターが作動している時だろうが、とにかくデフロスターを作動させるとエアコンパネルの表示がいきなり「Hot」に切り替わり風量はMAXに。豪快に温風がフロントガラスに向けて噴出されます。最初に触った時には一瞬「何が起きたんだ?」と思いました。
まあ、曇り取りの効果自体は素早く現れますが、夏のときにこれはないだろう?日本車なら送風温度は変えずにひっそりと送風場所を切り替えるだけなのに。目的の為にはは手段を選ばないってことか?
ただ、たしかに北国の曇りとりとしては雪を溶かすということも考え併せてのシステムなのかもしれません。

ただ、エアコンの送風温度管理がけっこう杜撰なのが少々。日本車の場合は温度調整スイッチに敏感に反応して細かく送風温度が切り替わってくるのですが、ベンツ君は「暑いか、寒いか」の2通りはあるのですが、その中間のちょうどいいというポイントが非常に狭いようで、チョコチョコスイッチをいじくるよりはエアコンを切るか、窓を開けたほうが早い、という事が少なからずあります。
もしかしたら、それを狙っているのかもしれません。

そんなわけで今日はこの辺まで。
次回はベンツの雨対策について書くことにしましょうか。ちょうど雨続きですので。
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Posted at 2009/10/02 15:33:43

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この記事へのコメント

2009年10月2日 16:29
はじめまして

W202はいいクルマなので大切にして下さいネ。

最近のメルセデスベンツの車造りには、いささか疑問ですよね。
モデルチェンジのサイクルが短くなり、部品の耐久性も明らかに低くなっています。
特に補修部品の品質が。
日本車を「学んだ」みたいですね。

h.shibataさんのW202も1本ワイパーですが、ベンツらしいと言えば聞こえがいいですが、
コレ、豪雨の場合にはワイパーが追いつかないですよね。
僕が雨の日にAMGに乗らない理由の一つがこのためです。
コメントへの返答
2009年10月2日 19:15
コメントありがとうございます。

はじめは随分警戒しながら乗っていましたが、今のところはいいコにしてくれております。

近頃では車種も増え、ユーザーも随分増えたものだとは思いますが、やはり基本的にメルセデスというメーカーはセダンの会社(乗用車というカテゴリーでは)であり、S、E、Cとその派生車までを守備範囲とする規模のメーカーなのだ、と思っています。
このため、ある程度までは無条件に信用できそうなのはその辺まででしょう。
A、B、ML、R、Vあたりなどは会社として手を出すべきではなかったですね。外野からの無責任発言ですが。

そのS、E、Cをトラックを作るが如く造っていたからこそメルセデスだったのに。トラックっていったら徹底的に実用的でなければならない仕事場ですからね。プロを納得させなければクソミソに言われ次は買ってもらえませんから。

補給部品に関して。
これはメルセデスの方針なのか、メルセデスベンツジャパンの方針なのか、という事はありますが、もっと技術情報を公開して、現地メーカーによる現地での補給部品調達や生産が出来ないのだろうか?と思います。
ちょっと込み入った部品だとすぐに「本国発注です」とやられて納期もかかればコストもかかる。本国はいいとしても、そういう意味で優しくない体勢だな、と思います。


>日本車を「学んだ」みたいですね。

と仰っていましたが、個人的な印象では「真似をしようとして、しきれていない」と思います。双方ともに。
やはり得意な戦法や領域がそれぞれにあり、慣れない事はするもんじゃないです。

1本ワイパーに関しては次回取り上げる予定です。御返答内容に当初はちょっと書いてしまったのですが、次回のネタが減ってしまうので書き直しました。

多分このシリーズはもう少し続くと思います。引き続きお楽しみいただければ幸いです。
2009年10月2日 16:44
こんにちは。
私も最初は戸惑うことも多かったですが、今ではかなり使い慣れました。
>オーディオも鍵を回さなくても作動するんですよね。おそらく全回路に電気を回して使うのがオーディオだけというより、使う可能性のあるところだけは繋いであるということなんでしょう。
これは確かにありますね。ナビがそうです。OFFにしていても最後までついています。

>笑ったのが、フロントのデフロスター(曇りとり)スイッチです。クーラーが作動している時だろうがヒーターが作動している時だろうが、とにかくデフロスターを作動させるとエアコンパネルの表示がいきなり「Hot」に切り替わり風量はMAXに。豪快に温風がフロントガラスに向けて噴出されます。最初に触った時には一瞬「何が起きたんだ?」と思いました。
夏場だと地獄ですけど(笑)でも、すぐに曇りがとれて重宝しています。なのですぐに切りますね。

今のはそうでもないですが、昔の方が独特の癖がありました。まぁ喩えれば頑固親父といった所でしょうかね。
ラーメン屋で味に拘った職人という感じがします。
コメントへの返答
2009年10月2日 19:37
いつもコメントありがとうございます。

ベンツマンセーというわけでもなく、機械としてこういうコンセプトというか、癖というか一種のおかしみを湛えたクルマなんだ、という事が書きたくて続けています。
別に「や」の人専用車じゃあないんだよとかね。
2009年10月2日 19:34
こんにちは。
メルセデスの消耗品の寿命が極端に短い理由は設計思想のためですね。つまり「金持ち以外は買うな」というものですorz
なんたってATが消耗部品ですからねw
でも40年前の部品も普通に手に入りますし、ドイツ持ってけば設計図もあるのでレストアして新車に戻すことも可能です。

メルセデスのバッテリーは主に重量配分の為だそうです。その証拠にW201、W124はエンジンルームにあります。
W140にはトランクの消灯スイッチないです。
コメントへの返答
2009年10月2日 20:14
コメントありがとうございます。

メルセデスとしては「機械としてはこれが正解なのだ」という「あるべき姿」をそのまま製品としてしまっているだけなんでしょう。
それが大前提としてあるが為に、ある意味その弊害としてコスト高になってしまうという。
ATに関して言えばギアが「一瞬で切り替わり、ショックが一時的には発生してしまう」方式と「切り替えはゆっくりとルーズではあるが、その分変則ショックを感じない」方式があります。メルセデス方式は前者です。
このため燃費性能やアクセル応答はいいのですが、ギアチェンジ時にかかる応力も相当になり、故障の原因にもなってしまったようです。
ただ、生産性重視の設計ではない為に「直そうと思えば直る」のはいいことですね。

バッテリー配置に関して。
もちろんそれは耳にしています。ただ、それだけの理由なら、わざわざあそこまで大きくする必要も無いでしょう?
R33スカイラインも「重量配分の改善」という理由からリアにバッテリーを持っていきましたが、リアのオーバーハング位置には置きたくないという理由から、あんな奥まった所に、エンジンルームにあった頃とほぼ同サイズのものを設置してありました。
どうせバッテリーがリアに置けるのならばと、色々思いを巡らしてああいう配置やサイズになったのだろうと思っています。
2009年10月2日 19:36
あ、こんばんはでしたorz
すみません今眠いんでww
コメントへの返答
2009年10月2日 20:15
あ、はい。おやすみなさい。

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