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イイね!
2009年11月14日

整備屋さんの憂鬱

足あとを辿っていった中で、「このままクルマに触り続けていられるだろうか」という意味合いの言葉を見つけました。仕事を出している整備屋さんでも同様の言葉を聴いたことがあります。

前回のブログでも、ますますクルマは「メーカーとして触って欲しくない所は触らせないような設計になってきている」と書きました。
プリウスなどでも高電圧回線などにはオレンジ色の被覆を被せ、いかにも「触るなよ」という雰囲気を撒き散らしています。それ以前ではエアバック関連の配線に黄色の被覆を被せていました。やはりここも触って欲しくない配線なわけです。

例えばチューニング関連では、そのベース車両が最新でもR34やS2000あたりで止まってしまっています。ヘタすりゃ10年前の製品です。これ以降、直噴エンジンが幅を利かせてきたこともありますが、クルマそのものが触れる・いじれるクルマではなくなってきています。

例えば直噴ガソリンエンジン。
以前のように「燃料を大量に噴けば良い」様な大雑把なエンジンではありません。燃料噴射装置は直接ピストンの中にまで入り込んでいて、その噴射圧力も150気圧とかそれくらいの圧力です。噴射角度や噴射圧力も厳密に計算され、ピストン頭頂部に作られた窪みでガソリンの霧が渦を巻き、着火点から火炎が広がりキレイに燃え広がるように考えられています。
燃費を良くするためにエンジンをかけた直後でもギアチェンジが出来るように(普通はATFにも適正作動油温というものがあるので、ある程度油温が上がるまではATのギアチェンジには制限がかけられている)、エンジンスタート直後はまず優先的にATFを暖めてATへの負担を軽減するといった制御までしています。

いまのGT-Rはアルミブロックエンジンですが、普通のエンジンならピストンシリンダーの所にだけ鋳鉄製の筒が嵌め込まれています。耐摩耗性向上の為です。GT-Rではこんなことはしません。ピストンシリンダーの内壁にプラズマコーティングと呼ばれる加工を施し、そこにうすーく鉄をコーティングして同様の効果を持たせています。
こうすることにより軽量化ももちろんですが、エンジンブロックの冷却性能も高められている訳です。こうすることにより、より高い燃焼温度(つまり高出力化)を目指すことが出来る訳です。
ここには「そんな造りではオーバーホールできないじゃないか」などという低レベルな(失礼)言葉は通用しません。作業レベルのまばらな整備現場で弄られるよりは、作業品質の管理が行き届いた工場の生産段階・設計段階で対処できる限りのことに対して手を尽くしてあるというわけです。

失礼な言い方ではありますが、そうした後加工は「お呼びでない世界」なんですよね。あそこまで考慮しつくされている車は。だから、エキスパートショップ以外で整備されたクルマは保証対象外ともしているわけです。
批判も多いのはわかりますが、無造作にいじられた所為で、その製品寿命を全うできなかったクルマも数多い訳ですし、現実に私もそういうクルマを見ていますので、そうしたメーカーの姿勢も分からなくもありません。まさに走る凶器(狂気)な訳ですから。


さて、時代はハイブリットです。電気制御の塊です。迂闊な近寄り方では「テスターを当てて」車にお伺いをたててご機嫌伺いをする以上のことはできません。それ以上にメーカーが整備工場を信用しきっていないので、触れる部分は極力少なくしてもいます。

回生ブレーキと呼ばれる部品があります。クルマの運動エネルギーを電気磁石の軸に伝えて、そこにコイルを近づけることにより発電のエネルギー源とし、減速をさせつつバッテリーに電気エネルギーを回収させようとする装置です。普通のブレーキならば運動エネルギーを熱エネルギーに変換するだけですが、プリウスでは電気エネルギーにも変換させる訳です。
このため通常のブレーキよりもプリウスのブレーキは装置にかかる負担が減っています。で、あろう事かプリウスはブレーキ部品の一部にプラスチックが使われているようです。
これでも強度は充分だということなんだそうですが、ホントかよ?



クルマを好き勝手にいじり壊す時代は終わりつつあるのかもしれません。恐らくこれから必要なのは「クルマをよりよい状態に持っていくためにはどうあるべきか」を前提にした維持管理なのかな?という気がしています。あくまでも機械である以上は、どうしたってメンテナンスは必要なんですから。

ただ、意識や意欲の低い不勉強な整備業者は取り残されるでしょう。

また、今の船舶のようにクルマは完全に趣味のもの、という位置に追い込まれるのかもしれません。「昔、クルマは個人所有が主だった」なんて昔話で語られる世界は嫌な話ですけどね。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2009/11/14 16:38:48

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