• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2010年02月27日

事故車の境界線

事故車の境界線 世の中には色んなクルマ屋さんがあります。当然色んな尺度があるでしょうけど、一つにはありがちな尺度として「誠実か否か」という事があるように思います。ところがこの「誠実」という事に関して、「何を以って誠実とするか?」という、非常に難しい境界線があります。

ここで一つ、取り扱いに悩むのが「事故車」でしょう。

私は査定員の資格を持っていました。もちろんディーラーの営業であれば誰でも持っているはずの資格ではあります。過去形なのは「資格更新をしなかった」ので、今は査定員の名簿に入っていないということです。

まあ、それは置いておいて。その中古車査定基準においては、事故車という事に関しての明確な規定はありません。
ただ、おそらくそのことを言いたいであろう項目として「連続するねじ止め外板の交換」とか、「溶接留めの外板の交換」歴のあるクルマに対し「外板価値減点」を適用します。また「自動車の骨格等に欠陥を及ぼしたもの、またその修復歴のあるもの」には「修復歴減点」と呼ばれる減点をします。これらがいわゆる「事故落ち」と呼ばれる減点です。

確かに原則論から言えばモノコック構造が主流で、衝撃吸収設計をしている今時のクルマは、当たれば全体的な歪みは出るでしょう。ただ、それが一般の方に分かるレベルなのかな?という事も思います。もちろん程度の大小にも因りますけどね。
主要骨格部分はある程度まではいいとしても、車の先端部や後ろは以前と比べて潰れやすく作ってあるので、実際ラジエータコアサポートなんてところは、フロント部の接触ともなればすぐ触る所ですし、そこが修正なのか交換なのか、と聞かれると悩む所ではあります。触っていることはすぐ分かるんですが。

もう一つ、この「査定」という行為自体はあくまでもクルマ屋さんの仕入のためにある制度であって、一般の方からすると果たしてどうなの?と思わなくもありません。つまり、仕入れのときにケチが付けられる所はつけておいて、より安く仕入れるための口実としている、という側面もあったりする訳です。この査定制度・査定基準というものは。
実際、この査定基準というものは保険会社サイドではほとんど認知されていません。あの時は「あい○い」が相手でしたけど、とぼけられたのか、本当に知らなかったのかは知る由もありませんが、損害額認定の時の判定基準がどうも私の感覚とズレていました。このため「普通、車の価値判断では日本自動車査定協会の協会基準を元に算定をするのがクルマ屋の常識ですが、あなた方の判断基準の根拠を示して欲しい」と言った所「ウチの独自基準で、いつもこれでやらせてもらっています」という回答でした。

ちょっと余談になりますけど、修理を「した・しない」よりも保管状況によっても車の状態は大きく異なりますし、何より修理をしたにしても、きちんとした手順や段取りを踏んだ、きちんとした修理ならば、新車塗装と同レベルの仕上がりにはなるんですけどねえ。
ただ問題なのは「鈑金修理に関してはキチンと3割以上抜こうとする」ディーラーの下請け基準とか、「そういう金額で仕上げなければいけない」修理屋さんの台所事情とか。その他、妙に低い算定基準の時間工賃や標準作業時間の設定であるとか。そういうところなんですけどね。
で、結局そのツケはユーザーが支払っているんですけどね。


話を戻して。
ただ、困るのは、事故というイメージだけが一人歩きして、同時にこの「修復歴」という言葉も独り歩きしているような感があるということです。つまり「直してるんでしょ?」と、そのことだけがクローズアップされてしまい、別に気にしなければ、どうという事でも無い事に関しても、妙に神経質になってしまっている。
新車ならば、「ここが、あそこが」と言われてもある程度までは止むを得ないとは思いますが、ヒドイ事故歴車ならばともかく、軽度の損傷歴ならばそれは仕方ないだろう、と思うのですがね。どうせ中古なんですからもっと大らかであってもいいと思うんですが。
もっと積極的な姿勢を取るとするなら、「その分安くしてくれれば、その分安く買えるんならそれでいい」くらいの姿勢の方が中古車を楽しめるような気はします。


ただ、世の中には「事故車専門(しかもそれほど軽微ではない修復歴)の中古車屋さん」も存在していることも事実です。私なんかが見ると「あーあ」と思うのですが、そこはそれ、見慣れない人は「まあ安い」となってしまうようです。

あまりに潔癖すぎる世の風潮の弊害というような気もしないでもありませんけどね。

あ、そうそう、最後になって思い付いたことを。

中古車買うんなら「安く買える」ことに感謝して、予算の上限いっぱいで購入価格を考えるよりも、2~30万円安く買えるクルマにしておいたほうが「心の余裕」が違います。そうしておいた方がいいです。いっぱいいっぱいだと気持ちにゆとりが持てません。
御参考になさってください。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2010/02/27 11:03:37

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

マツダドライビングアカデミー
zakiyama @ roadstinさん

🥢グルメモ-1,066- 豚花百 ...
桃乃木權士さん

Picnic Fisherman ...
オグチンさん

オフ会に協賛させていただきました~ ...
FJ CRAFTさん

2025年8月の「トミカ」(*´ω ...
badmintonさん

8/21(木)今朝の一曲🎶ジェシ ...
P・BLUEさん

この記事へのコメント

2010年2月27日 11:39
はじめまして!!

心の余裕>まさにおっしゃる通りと思います。






気にしすぎると買えないですよ、中古車は・・・。

特にロードスターなんかは・・・・。(個人売買で、ワンオーナー事故無しとかなら別ですけどね。)
コメントへの返答
2010年2月27日 12:09
いつもお越し頂きありがとうございます。

クルマ関係の金額というのはそこだけいつも重力異常を起こしているので、一般的な金銭感覚を持ち込むと「?」と感じるものです。

ぶっちゃけ「20万円~30万円」という店頭価格のクルマは、クルマ屋にとっては「誤差の範囲内を含めた、仕入れとしては解体車価格」が化けた表示価格と思ってもらって間違いありません。5万円で引き取って、ちょっと洗って置いておいて、台辺り10万か15万くらいの利幅を見込んで、消費税を込みの価格にすれば、ほーら20万円になるでしょう。後は売る人がゴネると「じゃあ、2万円足して7万円で引き取るよ」とかね。

ただありがたいことに、日本車はそれほどヤワでは無いですから、そういうクルマでも動くことは動きます。
どうせダメでも20万円。それに惚れ込めれば安いものです。


「ワンオーナー・事故なし」「超限定車」なんてものは単なる売り文句でしかありません。それが好きなら仕方が無いですけど、色々事情はあるにせよ、前オーナーからしたら所詮「要らなくなったクルマ」であることには変わり無いですからねえ。

だから大らかに、心に余裕を持って接してあげることが大事なんじゃなかろうか?と思うんですがねえ。
売り手にとことん付き合うつもりでもなければ、「まあ、中古じゃけえのお」と大人に構えて、でも30万くらいは余分にみておく。

うーん、大人だ。

これを目指しましょう。

プロフィール

「[整備] #タフト ダイハツ・タフト オーディオレス車への純正ナビ取付 https://minkara.carview.co.jp/userid/603944/car/3542135/7641092/note.aspx
何シテル?   01/14 11:39
どノーマル車が好きなので、派手なカッコにしたりとか、ボディへのお絵かきはしません。中味もそのままです。仕事が暇な時はクルマを磨こうかなあと思ったりもしますが、大...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

ブログカテゴリー

リンク・クリップ

浜松市 歯科 オペラデンタルオフィス 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2011/06/10 09:35:08
 
しばた新聞 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2009/09/22 19:37:56
 

愛車一覧

トヨタ マークX トヨタ マークX
22年ぶりにセダンに戻ってきました。と、思ってたらC200がセダンだったからそうでもない ...
トヨタ ラッシュ トヨタ ラッシュ
平成30年7月15日 ハイゼットカーゴの後釜として登場です。アイ同様、4WDモデルを選び ...
トヨタ iQ チョロQ (トヨタ iQ)
Return of the Yellow これですね。 今年は妙に代車稼働率が高く、一 ...
スズキ アルト 赤アル (スズキ アルト)
アルトです。どノーマルです。CVTです。しかも人生、初赤。初ハイブリッド(エネチャージ) ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation