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イイね!
2011年01月19日

輸入車の障壁 2

個人的には好きな輸入車はあります。前回、色々書かせてもらいましたけど。
何が好きって、やはりあのどっしり感ですかねえ、まずは。日本車と比べてそれほど重いわけではないのに、矢張りがっしりしている。そういう気はします。何と言ったらいいのか、やはりここはこうするという設計・製造時の重点ポイントが違うんだろうなあ、と。

外車に関してよく聞くのが「なんだかんだ言っても、一番重要なところは壊れないんだよねエ」という話です。ボディ然り。エンジン然り。
でも言い方を変えればサポートメンバーが大した事がないので、マイナートラブルはよく出ると、という事でもあります。パワーウインドウが動かない、警告灯が点く(最近日本車でもO2センサー関連はよく点きますけど)、エアコンが壊れた等々。色々頭の痛い事例はあるのですが、それでも大物部品は何とか無事(?)に動いている。

私的にはこの違いを絵画に例えて解釈しています。向こうの絵(外車)は全体の光と影から描き出そうとした、全体形のデッサンから基本設計なり新車構想なりが出発している雰囲気が濃いのに対し、日本車(画)はモノの大小問わず輪郭線から絵が出来上がっている。
つまり向こうは全体デッサンを整えるのがまず先で細部の描き込みは、その後じっくり取り掛かればいい派であるのに対し、日本車は細部のディティールがキッチリ描き込まれた部品群を精密に組み上げて何とか破綻のない全体形を形作る、という印象です。

だから日本車は、車としてはマイナートラブルは少ないかもしれないけど、でも何となく全体形がおかしいと時に感じなくもない。でも優秀なサポートメンバーはいるし、細部設計は得意なのでソツはない。で、たまにデッサンに気を配った車が出てくると場外ホームランも出たりもする。
向こうの車は、ある意味アベレージヒッターなのかもしれません。デッサンから入るという事は、車全体のバランスに大きな間違いが生じにくいことにもなります。そういう意味では間違いは少ない。
ただ、良くも悪くもデッサンを整えた後の細部仕上げを経ないと最終完成形には至りにくいので、特に初期の製品ではマイナートラブルが続出することも珍しいことではない、というところでしょうか。「最終型を買え」といわれる所以がこれでしょうね。

逆に日本車では、生産開始当初からあんまり大きなトラブルを抱えたという話をそれほど聞きません。よく自動車雑誌などで発売開始直後を買うのではなく、発売後半年位してから買うのが上策だ、位の話も目にします。
が、販売の現場にいた人間からすると「あながち間違いじゃあないし、そういう事例もなくもないけど、それほど神経質にならなくてはならないほどのもんでもなかった」と思っています。最近のことは分かりませんが。




こういう違いがあったりすると、例えば実際に自分でその車を所有する訳でもない人の評論が「こいつは素晴らしい」となった車があったとします。
でも、実際に買った人は24時間その車と付き合うことになるので、その後の経過というのを見ているわけです。実際に乗ってみても素晴らしかったのならば言う事はありませんが、結果的にはマイナートラブルの続出にさいなまれ、エンジンは止まり、乗ってる期間と工場に入庫している期間のどっちが長いの?という位のクルマだってあるわけです。すぐに思い浮かぶのは某Vクラスとかさ。あれにはマイッタ。
特にまずいのはファーストカーとして購入された場合でこういうマイナートラブルに見舞われた方ですね。セカンドカーならば別に他の車に乗っていけば良いだけの話ですから。


だから、という接続詞が適当かどうかは分かりませんが、とにかく日本車は買ってさえもらえれば、後のフォローは簡単でした。だって、新車なら滅多に壊れないから。
経年劣化で故障箇所が多くなることはあっても「まあ5年も経てば色々と出てくるもんですよ」と言ってみたりね。メーカー保障も5年10万キロまでだし(電装品その他は3年6万キロ)。ある程度の期間で買い換えていくという前提に立てば、初期トラブルが無いことが至上命題でもあります。だからこその新車なんですから。
ボディが何となく弱かろうが、却ってその方が新車に換えてもらったときに、より新車の良さが伝わったりもしますから、それはそれで都合が良かったりとかさ。もっとも、衝突安全を言い始めてから以降、ある程度の年数や距離を乗っても経年劣化をアリアリと感じさせられる、という事はかなり減りましたけど。

外車は基本設計や基本骨格はよくとも、それ以外が大らかなもんですから、その後の手間は掛かるんですよね。細かいこと(特に維持費)を気にする人は乗れません。
また、最初の頃は関税障壁も異様に高かったですから、その価格に見合うだけの品質に仕立て直さないと(PDI作業)車を買ってもらえませんしね。だから当初のお客さんというのは色んな意味の障壁を乗り越えて乗り越えて輸入車に辿り着いた方々だった訳です。吉田茂のベンツとか。そういう経緯で一般人が近づけない、という事も含めてのステータス形成もあったのかな?という感じ。
未だに左ハンドル車とか、白とか黒のボディカラー(なんか悪いことをしてそうな政治家の人や頭に「ヤ」のつく自由業の方々御用達というイメージのある)の相場だけが高めなのも、恐らくそういうイメージで見られたい方々の心の襞をくすぐった金額なんでしょう。

でも修理箇所が一巡してしまうと、後は消耗品だけで済むという一面もあったりね。クルマそのものは頑丈に出来ていますから、その後の余生(?)は平穏な日常に戻れる、という感じでしょうか。



ガラパゴスということをいうのは簡単なんですが、そういう経緯だってあるわけです。その他には、これは国民性といったらいいのかなあ?私のような立場にいると不思議でならないことに、車両費用はあんまり気にならないクセに、何故か維持経費(ガソリン代とか税金関係)だけは妙に気になる人が多いんですねえ。
冷静になって考えてみれば、そっちの方が損でしょう?と傍からしたらそう思うのですが、本人がそう思い込んでいる以上、理論武装して説得に掛かっても頑として御納得されないのは分かりきっているので、それ以上こっちも言わないんですけどね。


もっと外車を売りたい、と考えるのであれば、ぼったくりにしか思えない販売価格を設定している所もありますけどまあ、それはそれとして。それ以上にフォロー体制というか、維持経費をあまり感じさせない方策というか。あんた方の商品特性をもっと理解しなさいよ、とね。デッサンから入るのはいいけど、細部描写にこそ心惹かれる国民性もあるんですから。

折角ブランド意識だけはキッチリと出来上がっているのだから、それをもっと上手く利用できれば最強になれるだろうなあ、と思うんですがね。ちょっとこの辺、囲い込みという言葉を履き違えている人が多すぎるような気はします。

門戸を開く、という言葉に言い換えてもいいかもしれません。
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Posted at 2011/01/19 14:31:02

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