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イイね!
2011年03月04日

何で止めちゃったんだろう?&なんで嫌がるんだろう?

ハイエースワゴンというクルマがあります。私が思っているのは今の200系ではなく100系のハイエースの事です。

このハイエースの100系に平成6年の8月。とある事件が起きました。知っている人は知っている。知らない人にとってはどうでもいい事件だったのですが。



そう。ハイエースに待望の3000ccディーゼルターボエンジンが登場し、尚且つ全ての車種に3000ターボが設定されたのでした。


今思い起こせば、ガソリンエンジンの3000ccともなれば、みんなちょっとは怯むのが普通なんですが、なぜか当時ハイエースを購入しようとしていた方々は、3000という排気量にはなんら抵抗が無いかの如く、臆することなく迷うことなく「3000ターボ下さい」と手に手に300万位を握り締め、目を輝かせてハイエースを買って行かれたものでした。




それまでは2400ccのディーゼルターボモデルはあったのですが、なぜか4WDモデルにはその設定が無く、不思議なことに走らないことで有名だったノンターボディーゼルの2800ccエンジンしか設定がありませんでした。

ハイエースワゴンといえば、パッと見にはあんまり高そうには見えない外観ではありましたが、何だかんだ言っても当時の1Box界のクラウン的存在です。クラウンといえば「とにかく一番高い奴下さい」という買い方の比重がけっこう高いクルマ(後にセルシオに継承された傾向)ですから、それと同様、ハイエースワゴンも「一番高い『リミテッド』下さい」率がワリと高い車でした。
で、その中でもブルジョワジーなら一度は夢見る「4WDモデルのリミテッド」には当時、あれにしか設定の無かった「オールパールホワイト」のボディーカラーがあり、以後そのボディーカラーが再現されたことが無いこともあり、「4WDのスーパーカスタムリミテッド(でもノンターボの2800cc)のオールパールホワイトボディ」は、何となく近寄りがたい(色んな意味で)プレミアムモデルでした。ある時、それをご契約頂いた先輩セールスが、ようやく新車を納め終え下取車に乗って帰ってきて言う事には。

「あんまり走らんもんだから、文句言われそうで怖くって納めて直ぐに逃げるように帰ってきた」

と息を切らせて言っていた位のモンでした。だから、3000ターボエンジンが全車種、もちろん4WDモデルにも分け隔てなく、均等に搭載されてくるというニュースには、ハイエースをこよなく愛する一部の熱狂的な層にとってはちょっとしたどよめきがあったのです。



これ以降ハイエースの快進撃はとどまることを知りませんでした。なんてったって総額400万を超えるクルマの新車が在庫車としてあったくらいなんですから。




しかしこのハイエースにとって敵なしの状況は、そう長くは続きませんでした。
そう、今都知事選で何とかかんとか言っていますが、当時東京都知事になったばかりだったかの石原君が「ディーゼルってモンはどうしようもない」とペットボトルに黒鉛を入れてハラハラと振って見せたあの会見は、いわば白昼堂々とやって見せた政治的テロのようなモンです。ディーゼルに対する規制を野放しにしてきたことを槍玉にするのではなく、「勧善懲悪・暴れん坊将軍様VS悪の桔梗屋」という思考停止の善悪二元論でもってディーゼルが悪い、という構図にしてしまったわけですから。

規制が無い事をいい事に、メーカーはディーゼルの技術改良を蔑ろにしてきたという論調もあります。が、そんな事言ったって締め切りがなければ夏休みの宿題だって、確定申告だってお尻に火がつかないのは誰でも一緒です。
旧電電公社のように「予算は潤沢にあって、でも締め切りはない」という環境ならば、あまりにも無駄としか思えない方面にだって先行技術の開発を続けられもしましょうが、民間会社ではそうは行きません。どこかで回収を考えるのは神ならぬ経営者としては当然の成り行きでしょう。


そんなことがあって、ディーゼルエンジンは悪者となり、遂にはハイエースもガソリンエンジンだけのラインアップとなってしまいました。当時はグランドハイエースなどの車も売れ始めている時期でもありましたから余計に世間様からは「忘れられた存在」になりかけていた、という事もあり自然消滅というかフェードアウトさせられてしまったわけです。





ハイエースユーザーとか、後ハイラックスサーフとかプラドあたりに乗っていた方々以外は、ほとんどディーゼルエンジンという選択肢がありません。つまり乗ったことの無い人が殆どです。
中には2200ccだったかのコロナディーゼルとかに乗られていた方もありますが、ま、流石にあれはちょっとなあ、と思っていましたが。やはりディーゼルエンジンにターボは不可欠だなあ、と。

それはともかくとして、やはり圧倒的にディーゼルエンジンを知らない人が大多数なのはちょっと、と思います。乗ってみると意外に静かだし乗りやすいし、力はあるし。


でも販売台数が少ないので、どうしても割高になってしまうんですよねえ。販価が。



でも本当に本気になってCO2削減とか何とか言うのであれば、もともと熱効率のいい方の原動機をもっとアピールするべきじゃあないですかね?
まともに考えて、どうやっても価格差が燃費差(つまりコストの大小は最終的には原油の使用量の差に置き換えられる=CO2排出量の差ということ)では現状、回収しきれない電気自動車はいかがなもんかとは思うんですけど。バッテリーの技術開発を待つって言ってもさあ?


ってことで、今ものすごくサクシードディーゼルに気持ちが傾いている今日この頃です。
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Posted at 2011/03/04 12:13:36

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この記事へのコメント

2011年3月4日 13:25
うちには未だにH7年式のルシーダのガソリン車がありますが、当時は圧倒的にディーゼルが多かったですね。
同級生の親が所有していましたが、ディーゼルでした。
加速は正直ディーゼルの方がよく、燃費もディーゼルでしたね。
こういった実用車、ミニバンにはディーゼルの方が絶対的に優位性があると思います。
石原さんがやったことは悪にしか見えませんが、だからこそ今のクリーンディーゼルがある。
ただイメージが悪くなってしまった以上、メーカーももう少し努力してイメージを払拭してもらいたいと思いますが。

その点では日産は割といいかなと思っています。
コメントへの返答
2011年3月5日 11:10
コメントありがとうございます。

石原君の会見以前ならば、もう少しディーゼルの立場もありましたし、選択肢としても用意もされていたのですが、「あの時」以降は全くでしたね。例えばグランドハイエース。
当時1KZの3000ターボと5VZの3400ガソリンエンジンの2つがラインアップされていましたが、確か当時両者の間には15万とか17万円位の価格差がありました。ガソリンエンジンのほうが安かったわけです。
で、飛ぶように売れていったのはガソリンエンジンの方でした。安い上に静かでしかも排気量が大きくなる、と言う理由で。

個人的には粘りのある1KZの方が優位性がある、と思っていたのですが、全然でしたねえ。


当時悪者にされたディーゼルですが、こと黒鉛に関して言えば「走らんくせに煙だけは盛大に出す」という印象が強いのは三菱のデリカがダントツでしたね。あの煙幕攻撃には閉口したものです。
走らんのならどいてくれ、と思うのですが、そのくせ無駄な抵抗だけは一丁前にするモンですから、走り去れないけどデリカの後には真っ黒な煙が残されていくというパターンでした。
2011年3月4日 19:57
こんばんは
1KZエンジン良かったですよね。パワフルだし他社より黒煙も少ないし。無くなったのが残念です。
当時はスノーボードブームも手伝って?高速を飛ばすプラドやサーフを良く見かけました。
私は田舎で住んでいますが、あのディーゼル規制のせいでランドクルーザー(77)を手放した1人です。あの頃はディーゼルの先行きが分からず少しでも高く売れるうちにと…(;_;)
またいつかあの分厚いトルクを味わえると良いなぁ…
コメントへの返答
2011年3月5日 11:17
コメントありがとうございます。

ディーゼル規制が叫ばれ始めた頃を境にサーフのようなSUVもガソリンエンジン一辺倒になりましたが、やはり1KZが一番似合っていたような感じはします。
ただ、車両重量は重いくせに、それを全く感じさせられないあのトルクというのは諸刃の剣でもありました。つまり、「重くて走る」=「なかなか止まらない・止まれない」という事です。特にウエットだとねえ。
私自身はウインタースポーツは全くやらないんですが、雪山で壁に突っ込んでいるのは決まってサーフやパジェロのような重量のある加速のいいクルマと相場は決まっている、とは良く聞かされた話でした。
2011年3月4日 20:58
おばんです。

たしか2000年頃からディーゼルの選択肢って無くなりましたよねぇ~。

以前ならば、カローラやサニーでも選択が出来て、しかも4WD+ディーゼル+セダンと
いう選択肢が普通にありましたもんねぇ~。

以前親戚宅でC33ローレルの2800ccの直6ディーゼルを所有をしていて
乗ったことがありますが、低速の大トルクとRD28のエンジン音がかなり良かったですよ。
ただすごく加速がトロいですがw
コメントへの返答
2011年3月5日 11:33
コメントありがとうございます。

ディーゼルイコール「とろい・臭い・うるさい」というイメージが延々と続いていたのが国内では早々と見捨てられてしまった最大の理由だと思うのですが、昔のガソリンエンジンだってうるさいのはうるさかったですし、碌に走りもしなかったという点では同類だったとは思うんですよねえ。
ただ、敵(ガソリンエンジン)は常にライバルも多く、自己研鑽を常に重ね続けてきたからこそ今の静粛性であり、熱効率であり、クリーンさに辿り着いた、という事だと思うんですが。

単純に大パワーを求めるのならば排気量を大きくすればいいわけですが、ディーゼルの場合はその大排気量化が非常に楽(自己着火なので)なこともあって大型車両への搭載が主でした。このため、余計に世間一般の目からすれば「あいつらが悪い」という決め付けがしやすいことも多分にあったような気はします。

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