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イイね!
2012年08月24日

もう車なんて修理して乗るものじゃあなくなってきているのかも知れん

車屋同士の話として話題に上るものに「平成10年前後がやっぱり一つの区切りだったように思える」なんて話があります。

あの頃がプリウスの初代の時代ですし、GOAだ何だと色々変化が目に見える形であった時代でもありました。部品屋さんであの頃聞いた話では、GOAボディからは普通の溶接機では歯が立たなくなってきている、なんて話もあったものです。

それでもまだ、あの当時はエンジンにしたって直噴が云々とかVVT-iが云々とか言い始めていただけと言えばそれだけでしたから、今の事を思えばかわいいものなのかなあ、と。

そういえば、オーディオやナビ関係の工事をするにしても先ず手始めはインパネ外しから始まるわけですが、あの頃から何でもかんでもクリップで止まっているパネルばかりになったものです。
初代アルファードにしたって、あの巨大なフロントパネルが一体でガポっと外れるんですから、それを目の当たりにしたオーナーさんの唖然とした顔は今でも覚えています。スライドドアの内装パネルにしたって一体だったもんなあ、あの大きさで。初期の頃は良く歪んでいたものです。

もちろん、こうした大物パネルの取付けに関しては、新車の製造ラインを流れている時にはある程度の許容範囲内の中で寸法の誤差はありませんから、それこそ位置決めをした後は「パンパンパン」と握りこぶしで軽く叩いてやれば、おとなしく所定の穴におとなしく納まってくれる....筈です。


ところがですねえ。


困るのは事故した車なんかですと、それこそどうやって寸法合わせりゃ良いんじゃあ、というものも珍しくありません。となると、どうやっても寸法が出ない、なんて事もママあったりするわけです。
聞いた話だと、さすがにロードスターなどはオープン専用ボディだと感心するのですが、逆にフレームが硬すぎて修正にはエラク苦労するんだそうです。

特に初代モデルのフロントセクションなどはリトラクタブルヘッドライトの作動クリアランスも絡んできますからどうやっても寸法が出ないというか、苦労させられるのが常なんだとか。


それでもまだあの頃なら、とは思うんですが。



時代は移り変わって今現在。

ボディパネルのプレス圧が何とかパスカルなんて言われても門外漢にはまったくピンと来ないわけですが、それはともかくそんな言葉があちこちで聞かれます。まあ、多分それだけ硬くしなやかな、同時に今までのプレスでは太刀打ちできない、いわば加工し難い鋼板を使ってでも軽く強くしたいのでしょう。それでも随分重い車が増えたなあ、とは思いますが。
溶接には従来のスポットではなくレーザー溶接を多用しただの、接着剤も使ってみたり、パネルの折り返しもすべて口を塞いだりとかやっているのでしょう。これで随分と強く静かなボディが出来ているのだろうとは想像します。

ただ、それと同時に。
特に強度を必要とされない部品のプラスチック(ABSとか)化とサブユニットの巨大化も同時並行で進んでいるようです。工数を減らしつつ、何とか少しでも軽くしたい、という事なんでしょう。

こうなってくると、事故車の修理現場て悲惨なんですよねえ。ラジエーターユニット外しただけもあちこちバキバキ言って、どこかしらからプラの破片がパラパラ落ちてくるとかさ。

近頃はこうしたプラスチック化と同時並行で、どこもかしこにも何らかのセンサーが噛んでいて、下手げにバッテリー交換しただけでもどっかのメモリーが飛んだだの、窓ガラスが動かないだの、という事があったりします。
そうなると電源を外す前にメモリーセーバーなるものを繋いでおいて、それから次の作業に掛からないとおっかない事にならないとも限らない。油断も隙もあったもんじゃあありません。


修理が上がったら上がったで、今度は一応ディーラーに持って行って念のためのコンピューターチェックも立っておいたほうが良いのでしょうねえ。多分。


私自身の体験ではありませんが、ベンツで警告灯が点かないような設定が施されていた個体もあったようですからね。
おそらく修理するにはいくら掛かるかわからない、もしくは判ってはいても想像したくないくらいの金額が掛かる。でも警告灯が点いたままではオークション値が下がってしまう。

じゃあどうするか?

コンピューターの設定をいじって、警告灯だけは付かないように設定をしておく。
どうせオークションの鑑定人だって実際に乗って確かめるわけでもありませんから、エンジンさえ掛かってくれればチェックを通り過ぎることは可能です。嫌な話ですが。

こうなると、車のコンピューターなんぞはブラックボックス化してしまい、ディーラー以外ではいじれない様にしたほうが良いのかもしれません。そんな風にも思ってしまいます。


それだけならまだしも、エンジンのダウンサイジングにしてもそうだし、ハイブリッドにしてもそう。こうまでからくりの多い構成になってくると、そういうところで強制的にメカの世代交代が強制的に行われているのが今なのかもしれません。もう何箇所かは「ハイブリッドお断り」な工場もあるのが現実ですし、部品代も高騰の一途を辿っています。


部品代といえばヘッドライト。

先日聞いたところでは、現行ゴルフのヘッドライトユニットって一式(もちろん片方で)20万円するんだそうです。これだけで車買えちゃうっての。いやマジで。へー。


その一方で外車の中古なんかは、新車価格を思えば値下がりが激しいですから、傍から見て「そんな車に手を出しなさんなよ」って思ったりする方もあったりもします。
で、その一方で何かトラぶったときには新車価格に対応した部品代なわけですよ。しかも外車の場合は実際の所、日本車感覚の部品代の約3倍くらいは見込んでおいたほうがショックは少ない事が多いわけで。

で、得てして安く買おうとする人ほど、また安く買った人ほど維持費や修理代が頭の中にまったく無い人が大半なんですよねえ。やっぱりどっかでバランスが取れるように動いているわけです。君子危うきに近寄らずってのはやっぱりあると思うんですけどね。


もうね。何とかして安上がりに済まそうと思ったら、素直にある程度のお金を出して車を買え、っていう世の中になっているのかもしれません。修理なんて考えている場合じゃあないよって。直すのにエラク苦労している現場を見てしまうとね。
タイヤ代をケチってアジアンタイヤとかプライベートブランド買っている様じゃあハナから相手にされないよ?みたいな。

ブログ一覧 | 日記
Posted at 2012/08/24 18:46:19

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この記事へのコメント

2012年8月24日 19:16
そーかもしれませんね~。。。。。。
そーいう意味では立派に白物家電の方向にまっしぐらですなwww。
古い車なんぞ乗っていてはいけませんデス。

昔みたいに解体屋で部品を拾ってきて直すなんぞしている様ではいかんな~。
コメントへの返答
2012年8月24日 19:26
コメントありがとうございます。


と言うか、車という一括りの物ではなくって車そのものが直される事を拒否しているというか。まあ、そんな感じのものになりつつあるのではないのかな、と。
ノスタルジックな車とそうでない、他人の手の入る事を拒否している車って感じですかね。
そのうち「治す事が出来た時代が懐かしい」と言うか、ナウシカのペジテ市のように「エンジンは作れないけど、手当てする事程度までしか出来ない」という時代に本当になってくるのかもしれんなあ、とか思っちゃいます。


昭和骨董なんて言葉がありますが、解体屋から部品を拾って直すなんて技は「失われた技術なんて言われたりして。なんか寂しい話ですけど。



2012年8月24日 22:09
こんばんは
最近は全部コンピュータ制御
ボディーは、ぶつけると全損扱いで
板金が出来ないような話を聞きました
車職人さんがいない世の中ですね
コメントへの返答
2012年8月24日 22:31
コメントありがとうございます。

俺は交換屋じゃあねえ、修理屋だ、と言い切る方もあるにはあるのですが、なかなか難儀な世の中でこうもパネルが硬くなってきてしまうようでは鉄のくせにアルミと変わんなくなってきているような気もしないでもありません。

例えば軽量化を追い求めすぎたバスなど上げ屋はほとんどアルミ製ですから、それこそ仰るようにちょっとぶつけてしまうと文字どうり全損になってしまうそうです。そういえばトラックのアルミバンなんかもちょっと天井引っ掛けてゆがませてしまったら結局箱ごと交換になりかねん代物のようですね。


なかなか車職人も生きにくい時代になってきたというか、よくも悪くも仕事を選ばざるを得なくなってきているような感じです。
2012年8月25日 0:40
ポルシェの正規販売店のメカさんは、「オレたちは交換屋だよ」って寂しげにつぶやいてたとか。
ヤナセもそんな感じみたいです。

安く、高性能なのをくれ!って消費者が望んだ結果なので、そういうのを受け入れるか、逆に拒絶して旧車を意地で意地するしかないかもしれませんね。
コメントへの返答
2012年8月26日 16:14
コメントありがとうございます。

なかなか直す・修理するって行為は時間と根気の要るものでして、はたしてそれらを商業ベースに適うレートで時給換算し、それをまともにお客さんに請求できるのか?を真面目に考えると、果たしてどういう事になるか、どういう金額として請求書に落とし込まれるのか?なかなか興味深い所です。

旧車のレストアの世界で「作業時間として何千時間かかった」などという表現もありますが、あれも同様、手を動かしている時間のみで換算するのか、それとも作業の段取りを考えたり、前準備・後片付けまでを含んだ工賃とするのか興味は尽きません。

困った事に、ワリと混同されがちなことではありますが「手早い作業」と「きっちりした作業」とは対極のものと思われていることも多いのですが、この勘違いに甘えてしまうと遅い作業がイコール良い作業と思い込んでしまう事も有ったり無かったり。


自分で手を動かす事を知っていれば「安くて高性能」などという物は結構な数の量産が出来る製品にしない限り不可能だと思うのですが、それ以前の話として、買えない金額の品物であったりサービスであったりするものは、ハナから自分自身が相手にされていない高嶺の花の商品なのだ、という意味が裏にあるのだという自覚からはじめるしかないのかもしれません。
実は人にやってもらうという事は、お金が随分とかかることなのだよっていう単純な事実なだけの話なんですけどね。





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