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イイね!
2016年11月22日

クルマ商売の行方

少なくとも私が自動車ディーラーに新人営業マンとして入社した平成4年当時の雰囲気は圧倒的に新車営業部門が会社の花形という扱いで、中古車部門の序列は明らかにその下でした。
事実、新人営業マンの配属先発表の時に中古車営業を指示された同期の新人さんには「気を落とすなよ」的な励ましが他の新車営業に配属された人たちから集中したのはよく覚えています。
更に更に、そもそもサービス部門や事務系は全く別の世界の人たちって感じでした。そもそも入社式のときこそ同じ会場に居たものの一緒に居たのはその時だけだったし。
恥ずかしながら同じ営業所内で同期入社でありながら私的に先輩社員だと思い込んでいたメカニック本人から「同期なのに何で『さん』付けなの?」と聞かれた事もありました。言われるまで気が付かんかった。相手は覚えていてくれていたのにね。


もっとも花形の新車営業は、花形であるだけに一番過酷な部門というか配属先や、そのタイミングで


天国と思うか地獄を見るかの乖離が無茶苦茶に分かれる


部門でもあったわけなんですけどね。



そんな与太話はともかくとして新車営業が花形であったのは、やはりなんと言っても「かつては一番の利益部門だった」事に由来するのだろうと思います。もちろん人気・不人気の車種の壁はあったにせよ、今と比べれば大方「出せば売れた」古き良き時代であったであろう事は事実だろうと。
もちろんかつての上司が言っていた様に「それでも売れた奴もいれば全く売れない奴もいた」という事もまた事実なのでしょうけど。

もっと言っちゃえば何でも有りの時代でもあったので、営業マンの内職はやりたい放題だったようです。特に売れている営業であるほど材料にも事欠かなかったでしょうから内職で豪邸が建った話も良く聞きましたし、実際に豪邸も見ました。誰の家とも知らずに行ってみたら他店の営業さんの家だった、というね。



新車営業の表面がメーカーの看板を掲げたディーラーの新車販売だとすれば、裏面といっては失礼ですが影で非常に大きな力を持っているのが地場で整備工場を併設してる所謂モータースと呼ばれる事も多い業者さんです。軽自動車や中古車の販売ばかりでなく、もちろん地域差はあるにしても新車販売にかなり大きな力を持っている業者さんも存在しますし、新車ディーラーの営業にとっては前置き無しで台数が確保できる重要な顧客でもあります。
ぶっちゃけ少なくとも私の知っている範囲で営業成績上位の常連営業マンは、有力な業者を顧客として確保している事が少なくありませんでした。

スズキだとそうした業者さんをディーラーとして囲う事から始めているとも言えるのかな。ホンダだと初めはバイクを売るために自転車屋さんを代理店にしてたんじゃなかったかな。

で、話を戻すと業者さんってのは商売のネタとなる中古車が欲しいわけです。当然新車を売っている、売れている新車営業なら下取り車のネタも当然豊富ですから、ここに行き着くべくして行き着いたwin-winの関係が構築される訳ですね。まあ当時の新車ディーラーは社内に中古車ブローカーを飼っていたようなモンですな。
何でかというと、ディーラーの社内的にも新車販売が相当に上手くいっていた時代だったようですから、相当数を売ってくる営業マン=社内的にも発言力が大きい社員でもあります。つまり裏でやっている事は誰でも知っている公然の秘密で、でも誰も文句を言えない。もちろん全員がそうだったとは言いませんけどね。

この辺はバブル期までのお話ですね、時代的に。


その後、新車販売台数が頭打ちとなり、かつての凄腕さんたちも第一線から管理職・経営陣に参画しだす時期が重なると営業マンの内職も禁止され始めました。自分たちの退職金にかかわってくるからだろうと散々陰口を叩かれていました。
まあ自分たちが散々やっていた手口ですから開錠の名人がセキュリティの専門家になるようなもので、取り締まる方法も心得ています。
先ずは「業者販売を課長職以上に限る」ということにし、次に「怪しきは切る」とばかりに内職が派手と思しき営業マンが次々と首になりました。

次の施策が「業者販売は各営業所の専任者に限る」というものです。このため業者向け販売専門職の人がいきなり年間成績上位者として名前が上がるという変な現象がよく見られました。
現在は業者販売専任者が各営業所から地区営業部へ集められ、業販部として独立している様です。

その一方で急激に下取り車がディーラーの中古車部門に集中するようになり、今度は中古車部門の業者への横流しも目に付きはじめ、それと何故か並行して中古車買い取り業者なるものが世間を賑わせていきました。
今にして思えば同時多発的なタイミングでもありましたから、元経験者が開業に噛んでいた可能性もあるのかなあ?


バブル崩壊以降、トヨペット店的には最終型マークⅡ登場の頃まで。新車値引きといえばコンパクトカー以外は発表直後はともかく、多少時期が経てば30万円くらいが当たり前という時代が長く続きました。
でも、新車販売台数は減り続けたわけですから、当然以前の花形部門も社内的にも花形ではなくなっていきます。

その代わりに台頭してきたのが中古車部門ですね。

当時、新車の下取りとして査定価格という仕入れ金額はあっても値付けは非常にアバウトでした。よく避難場所として中古車部門に遊びに行っていたので中の業務も見ているのですが、中古車情報誌を見て似たような車があれば「だったら、これくらいで良くね?」という感じの値付けが普通でした。
査定価格への不平不満はすべて新車部門が受け、入庫の翌日には呆れるほどの高額で(しかも元のナンバー付けっぱなしの事も良くあった)並んでいるんですから新車営業としてはたまったモンではありません。しかも営業所が隣同士で併設されていましたしね。

しかも新車部門は相変わらず今日の受注目標を深夜まで追及されている一方で、中古車部は「暗くなってきたからそろそろ閉めるか」といって店じまいの用意をしているわけですから私にとっては天国に思えましたし、実際に「中古車部門に転属させてくれませんか?」って所長に頼んだ事もありました。



長くなってきて、そろそろ集中力も切れたので次回に続きます。多分。
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Posted at 2016/11/22 11:16:15

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この記事へのコメント

2016年11月22日 20:59
おばんです。

実は当ブログでも「ディーラーの対応の件」で盛り上がっていました。
将来的には、自販機みたいな感じになるかも・・・。
コメントへの返答
2016年11月22日 22:36
こんばんは。コメントありがとうございます。

おっしゃるようにじょい@さんブルマウさんのブログで取り立たされているディーラーの塩対応や新・中の車両販売が何故今のようになっていったのかを少々考えてみたいと思って書いています。まあ、どこまで私の集中力が続くか分からないんですけど。

単純に塩対応の理由のとしてひとつ考えられるのは、従業員自身がメーカーの看板の偉大さを全く理解していないことも大きいんじゃないかと思っています。そもそも従業員の中で他業種から転職して来ている人も殆ど居ませんし、業者からディーラーの従業員になったという人も殆ど聞きません。逆はあってもね。

で、その一方で前歴のない購入希望者は後を絶たず、その一方で、後で書こうと思っている内容ですけど今の管理職は営業職以外の出身者も珍しくない世の中にもなっています。
もちろんメカ出身者に接客ができないと言うつもりはありませんが、若いうちから経験し、その事を考えつめてきた人間とはどうしたって差はでるんじゃないのかなあ、とか。

まあ、もう少し書き進めてみます。懲りずにお付き合いいただければ幸いです。

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