2019年12月26日
総じてバラまき方が下手
全ての商品がそうだとはいいませんが、総じて日本企業は「ばらまき方が下手」だと感じます。
ここはみんカラからなのでKINTOを例に挙げていますが、KINTOは以前にも取り上げたように新車購入と比べて大してメリットを感じない金額設定である事はソロバンをはじけば誰にも計算できる金額設定で、それなら買った方が安いじゃん、って事は○カでも分かる内容です。それなら販売員も余程の拡販キャンペーンが無い限り積極的にKINTOの注力する事は無いよなあ、と思います。
で、東洋経済にもKINTOが苦戦中という記事が出ていました。個人的にはさもありなんと言うだけの感じ。
>https://toyokeizai.net/articles/-/321952?utm_source=morning-mail&utm_medium=email&utm_campaign=2019-12-26&mkt_tok=eyJpIjoiWlRRd09UUTNOakUwTW1KbCIsInQiOiJQd3lKaG5LZHpncDZlWmxTUkpOU3pQcU9xWEsyTmtXXC9GNE5ydUhNbFJ1MG1GZ2FlSDFkUWJ0ZXczMTNUVXI4T210SmtmTk5pOHNGVTU0Y29nd3VYV2R4N0lFOUtMd2pXK00xNkxydUk1NklhQmxVTFwvN0FpbHB2MlkrRFlKZlpVIn0%3D
昔、新人営業だった頃、当時の営業課長に言われた事があります。
「いいか、柴田。商売はなあ、最初は負けてもいいんだ。回収する事は後から考えろ。先ずは取引を初められる事を優先しろ。肝心なのはそれからだ」
それから一生懸命通いましたよ、そこには。結局最初のマーク2から始まって、その後に改めてマーク2を代替えしてもらい、トラック2台、任意保険全部と点検全部入庫して頂ける様になりました。最初は負けても良いんです。Tチーフこれならご満足頂けますか?
じゃあ、何でKINTOはばらまきが下手なのか。日本の商品はどうして、ばらまきが下手なのか。
これはねえ。多分ですよ。どいつもこいつもサラリーマン社長とか2世3世社長だからです。ま、社長に限らず全員がサラリーマンだから失敗しても誰も責任取ろうとしない。書類回らない。稟議下りない。結局誰からも文句の出ない、俗に言う「玉虫色の見解」がそのまま商品の金額になっているからだと想像します。
トヨタは財務の声が非常に強いらしいですが、おそらくは「利益が出ない金額設定では商売が成り立たない」という至極まっとうな、でもそれじゃあ失敗するのが目に見えている意見に抗弁する事が出来なかった、というより商売にする意志が弱かったのでは?と妄想します。「最初は負けてもいい」=「初年は赤字まみれ」ですからねえ。特に自分の給料を最初によけておく事を大前提とするなら赤には出来ません。つっても販売はディーラーに全振ですから、結局そこに自助努力は無いんだよなあ。
私が、こうした「購入し続けてもらう事」を前提にする商法とは相容れない印象に感じるのが日本のコンテンツ商売です。
映画の商品展開が分かり易い例だと思うのですが、国内向けの商品はとにかくDVD・BD販売価格が高い。さらに限定版だの何だのと後になるとゴミにしかならない添付品がてんこ盛りで頒価は目の飛び出るような値付けです。それに加えて大して原価も変わらないくせに何故かDVDとBDで随分な価格差が付く事が普通に行われています。で、時間が経った&経ている作品だと今度はHDリマスター版だのディレクターズカット版だの手変え品替え、またまた豪華版ボックス付きとか言って1万~2万とかで売ろうとする。結局毎回きちんと、それなりの金を取る金額設定なんですよね。しかもヒット作であろうがなかろうがノベツマクナシって感じで。こういう商売だと余程の好き者でも無い限り買う事はないでしょうし、忘れ去られる作品も多かろうと思います。
それに比べ海外版はそれなりのヒット作でも最初からDVD・BDセットで3980円とかね。時間が経つと1000円~2000円とか、ベストヒット作品とか言って500円とか、アマゾンプライムにだって、さっさと提供しちゃう。とにかく息の長い商売を指向しているんだろうなあ、と思います。
例えば、で今マイケル・ジャクソンのTHIS IS ITを見てみたらアマゾンでBDのインポート版が816円、国内盤が3200円でした。国内盤の値付けでは今さら買う気にもなりませんが、インポート版は買っても良いかという絶妙な価格設定です。価格の差を見ると、もうね。アホかと。
KINTOに話を戻します。
サブスクリプションが云々などという横文字はどうでもいいです。話のキモは「新しい買い方・買われ方」をバラまく事が使命です。あ、これなら安い・この方が得と思わせる事が重要です。説明しなきゃ売れない商品は下策。この点、KINTOは下の下です。だって、そもそもが安いと思えない。
フリート料率を使って低廉な保険料を実現し、と言われたところで、そもそもフリートの意味を一般の人は知らないだろうし、任意保険込みと言われたところで全契約者の平均等級を見ると20等級の方が6割だったか位居るわけですから、普通なら自分の割引等級を引き継いで使おうと思うでしょ。
今KINTOを見たらRAIZEが月々3万円台からと書いてあって、でもよく見てみると39,820円を3万円台って表記してるんですよね。先ずここで詐欺ですか?と思う。ここで新しい買い方と言いきり、これからはこれを柱にするんだと言い切りたいのなら、せめて15,000円~20,000円で収めるべきです。そもそもの金額設定が新車販売を横目で見ながら、残価設定販売を横目で見ながら、レンタリース料金を横目で見ながらと周囲を気にし過ぎていてお客さん以外からは文句の出ない金額設定になっています。どうせやるなら一気に全部持って行く位の勢いで配車も新車販売よりKINTOを優先するとかさ。そうしたところにサラリーマンの責任を取りたくない雰囲気をプンプン感じる。良くも悪くも1台の車でどれだけ利益を繰り返し引き出す商売が出来るかをもっと考えるべきだと思う。
例えば借入期間を3年じゃなく1年とか1年半にして、そこで新車価格の3割~4割分を払ってもらうとかね。次の人には「初回車検がまだ残ってます」と言って4割払ってもらい、また2年くらい乗ってもらう。そうすると3人目のオーナーでも、車はまだ初回車検を受けてまだメーカーの補償期間が2年残っている状態で売れるから、そこに特別補償の分も加えて新車の6割くらいの価格で今度は貸すんじゃなくて販売するとかさ。RAIZE(X”s”2WD)の場合で約4万円の36回払いで144万円。対して新車車体価格は1,745,000円です。これを見るとKINTOは3年貸して回収後に売却する事で先ず一度帳尻を合わせている様に感じます。そうじゃなくて、買い手がどう受け取るかで、そこから逆算して考えようよ。
どうも、順番が逆な気がしてなりません。
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Posted at
2019/12/26 10:21:56
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