年配者は必ずしも熟練者を意味する言葉ではない、冷厳な事実

重複になるかもしれませんが昔、静岡トヨペット社内で早期退職者を募集したことがありました。細かい規定は記憶していませんが退職金を増額するので「希望者よ、来たれ」って内容です。残念ながら募集要項の年齢に私は達していなかったので私に希望の光は届きませんでした。
で結局、予定人員15人くらいのところ20人くらい集まったとか何とか聞いてますが、当時私は労働組合の支部長をやらされていて月１くらいで静岡の本社に行っており、別に聞くつもりもなかった早期退職者募集の裏事情を耳にする事になりました。

まあ早い話が本社サイドでは『西部地区では「この人」と「この人」～』という感じで早期退職して欲しいと目星を付けている人が予め何人か居て、で、合計人数数えたら１５人だったので「募集定員１５名程度」だったそうなんですね。
で、蓋を開けてみたら希望して欲しかった人は誰1人として応募せず、その代わりに手を挙げた人は「まさか辞めたいと思うとは想定してもいなかった」人達だったという、まあ何とも読みの甘い経営陣の大失態に終わった、と。そういうお話しでした。いやまあ、結局手を挙げた人は増額された退職金を手にして、みんな辞めていったそうですけどね。逆に言えば、周囲から辞めて欲しいと思われる様な人は自分でも良くその事を承知している、という見方も出来るかもしれません。


そうした事はさておき、仕事柄アチコチからクルマを仕入れます。それこそ担当者の年齢は千差万別で、若い兄ちゃん姉ちゃんからオッサン､オバさんまで。もちろん中にはいぶし銀の渋いベテランおっさん営業も居るのですが、このおっさん出来るなあ、と思う人が必ずしもディーラー勤めとは限りません。つーか、あんまりディーラーでそういうおっさんにあんまり出会いません。かえって一般のモータースで出くわすことがやっぱり多い様な気がします。そもそも生存競争の厳しさが違うからかな？という気はします。ディーラーだと出来ない人はいつまでもソコに居座って動かないからかな。逆に出来る人なら何時までも営業やってない気もする。まあ、逆に出来る人が冷や飯食わされてたってパターンも見てるから、結局一度取引してみないとどういう人か分からないってのが正直な所だけど、出来る人と出来ない人の決定的な違いは契約してからじゃないと分からないのはツラいトコ。

営業の新人研修の時にやったことで今でも覚えているのは営業とお客さんの満足曲線は違う、という事。
営業の満足曲線は大概契約時にピークを迎えるんだけど、お客さんの曲線ピークは契約の時より当然納車の時の方がピーク値は高い。だから当然､営業は納車の時に備えて着実に契約内容を整え、納車時に不備が無い様にするのが心構えの一つであるべきなんだけど、ずぼらな奴は書類を回すのが遅かったり、クルマが来てるのに何時までも納めなかったり、連絡すらしてなかったり。そういうかつての同僚の行動は何度となく見てきた。

結局、例えば300万円なら300万円という金額を払う側になった立場というものを売る側が想像できていないんだろうな、と思う。昔、中古車センターの所長に「お前は高額商品をご契約頂く時に、差し出すボールペンが100円のボールペンで良いと思ってるのか？」って聞かれたことがある。まあボールペンで取り繕うことが出来るなら安いもんだとも今なら思うけど、まあ、それくらいの気遣いはしても良いと思う。まあそんな事よりも、先ずはしっかりした段取りが出来ることの方が先決だけどね。

話を戻すと、外見で騙されちゃダメよ、って事に集約されるんですけどね。