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2021年02月21日

ミスしたら自腹

今はどうだか知りませんが昔いた静岡トヨペットという会社では、下取り車の査定ミスがあると査定した本人である新車営業に差額の10~20%だったかを自腹で負担(給料天引き)させていました。

じゃあ、払った事がありますか?と聞かれれば答えは「あります」、ですね。

ただ当時不思議でならなかったのが、査定ミスをしたとして果たしてそれで会社が損していたのか?って事と、その後始末を新車営業にさせる正当性がどれだけあったのか?という事です。
中古車部門担当になった事はありませんでしたが、新車営業だったにもかかわらず当時から新中問わずで売っていたので中古車センター内の業務は良く目にしていました。当時の社内の流れは

1.新車の契約が決まる
2.入庫するクルマの情報(車検証・査定シート)が販売店舗に回って来る
3.下取り車が入庫されると商品化作業(主に内外装の掃除)が行われる
4.査定員(大概、定年間近な元営業職)が入庫査定をする
5.展示場に並べられる

とまあ、こんな流れでした。
当時の正直な感覚では、まともに査定したら下取り価格なんて安っすいものでした。年式の割に良い金額付くなあ、と思ったのは今も昔もハイエースくらいかな。その他はRV系だけですね。当時で言えばカルディナとかイプサムとか。セダン系はマーク2やコロナに限らず、スカイラインやローレル、アコードとか、一部のスポーツグレード以外は軒並み叩かれ放題でした。当時から。
昔よく上司から「査定させて下さい」・「こんなに良い値段の査定が付きますから代替をお考えになりませんか?」という営業トークで訪問してこい、と言われたもんです。ただ実際の基本価格と、そのあまりの安さを目にしていた身としては「そんなのやるだけ無駄でしょ?」としか思えませんでした。

でまあ、その査定ですが、実際に査定をする機会として圧倒的に多かったのは来店きっかけの店頭商談時でした。結局、代える気持ちがあってこそ、査定だってしてもらう気になる。そういうもんです。順番は逆。

お客さんとしては買う気が既に有る訳ですから、いつもの如くネックになるのは下取り金額と値引きです。
ただ値引きと言われても、値引きをしていても下取りも良いハイエースみたいなクルマは別格として普通は上限が決まっていますから、勝手に20万の値引きを30万値引きできるはずがありません。そもそも注文書が通らない。
となると魔法の杖は査定価格しかありません。結局は中古車センターに走る訳です。その時ならクルマは当然目と鼻の先に置いてありますから、実際のクルマを中古車部門の人に見てもらい、「いくら」と値を付けてもらう事が殆どでした。つまりは査定は自分がしていても実際の目利きと値付けは中古車部門の人間がしていた、という事です。実体は。

で、その査定価格に文句を付けてくるのが査定員です。実際の値付けは中古車センターの人間が直接クルマを見て行っていたにも係わらず、何故か別部門の人間が今さらのタイミングになってから入庫価格の吟味をやりに来る。しかも、お客さんが乗りっぱなしのクルマを前に、新車商談の慌ただしくもスピードを要求される査定価格交渉とはうって変わって、キレイに内外装を仕上げた後、時間の束縛も無い、クルマの周りも広々とした所で心静かに再査定をする。そんな差別許されて良いんですか?ってなもんです。
で挙げ句の果てに査定ミスを指摘され、入庫査定と査定シートの金額が5万だったか10万円以上差額が出ると「査定ペナルティ」と称して不幸の手紙というか赤紙招集令状が後になってやって来る訳です。しかも最終価格を決定していない新車営業マンに。

そりゃ、律儀に査定ペナルティ覚悟で中古車センターに入庫するくらいなら懇意の中古車業者や既納客に第二の商売をする方が良いに決まってますわなぁ。まあ、それをやり過ぎてクビになった人もいましたけど。罪状は会社の財産を横流しした業務上横領の罪、というわけです。
もっともそうした内職も昔(だいたい平成ヒトケタ前半位までかな)は有って無きが如しの無法状態だった様で、自分の在職時代の頃だと所長部長あたりの役職だった人の自宅はとっても豪勢なものでした。実際に見たことあるけど。随分羽振りが良かったみたいですよ?当時は。だいたい昭和のやり手営業職は本職の方でも給料袋が立った(100万位?)らしいし。

査定ペナルティが生じない様にするには、新車の業務課長が再度中古車センターに査定アップを掛け合う所から始まります。つまり、査定価格をこうしてもらったので入庫価格との差額は規定金額以内に納まっています、という筋の話にしてもらう。
例えば90万円の査定価格を+10万円で100万円にしてもらった中古車があったとします。それが入庫査定で80万の価格、-10万円の査定ミスがあった、と。という事は+10万円の査定アップだけでは±0円で入庫価格は90万円です、と。仕方ないのでもう7万円(合計+17万円)査定アップしてもらって97万円の入庫査定価格にしてもらってペナルティ発生を防ぐという帳尻合わせをするわけです。書面上は。改めて書いてみるとホント無駄なことをしてるなあ。

で、こういう話を新車もとうの昔に納まった遙か後日になって聞かされ、業務課長に「ありがとうございました」と下げたくもない頭を下げ、中古車センター長にも「ありがとうございました」と頭を下げに行かされる。

ただ頭を下げに行かされた当の本人は、腹の中で「既に実車を見た上で中古車センターの人間に価格を決めてもらっていた以上、出口価格は既に決まっている話な訳で、チェックシート上の査定価格云々など所詮紙の上の辻褄合わせでしかないだろ。」って思ってました。そんなに入庫査定が大事なら新車営業に何もかもやらせるんじゃなくて、査定員や中古車センターの人間を各店舗に待機させときゃ良い話じゃねーの?、と。どうせ売るのは中古車部門の仕事なんだし。
今にして思えば「来店きっかけの商談」という事が全く想定されていない頃のシステムを延々引きずっていた、という事なんでしょうねえ。で、管理者的にはシステムをいじるという頭はない。完全に内向きの理由です。アホらし。


今はそうした査定ペナルティの制度がどうなっているか知りません。

ただ、昔は各新車店舗からどの中古車センターにクルマが入庫されるかが予め決められていましたが、今は全店舗の下取り車は1箇所に集められ、どの店舗にどのクルマが配分されるのかを本社サイドで割り振る様になりました。この為「入庫する前から中古車の販売先が決まっている」という新車営業からしたら不思議な事が無くなりました。だっていつもツナギ着て店内をウロウロしているのに何故か年間優秀表彰に名を連ねている営業が居たんですよね。結局「一般販売など殆どやっていない業販専門の営業」だった訳です。
そんな経緯で各中古車センターには入庫価格・販売価格の決定権が無くなりました。

ついでに査定方法も変わりました。昔は中古車基本価格表が毎月営業所に届き、その基本価格からクルマに存在するキズの補修金額や走行距離の多寡を加減額していく、という査定方式でした。内外装無傷の状態で車検残3ヶ月以内、年間走行キロ1,000キロ位、タイヤ残り溝5mmってのが基本価格表の金額で、そこからヤレた分の補修金額を減算していく」という訳です。減額されないクルマなどほぼ存在しません。
こういった方式だったのが、中古車オークションで行われている5点評価方式に寄り添う形に変わりました。表面上の査定は残っていても新車ディーラーも積極的に業者オークションに売りに出し、買い入れているのが現実です。査定チェックシートと車検証を本社値付け担当部署にFAX(多分、今はPDFと画像を添付したメール送信に変わっていると思うけど…)して査定金額のお伺いを立てる形に変わっています。でも、キズのチェックは必要だとしても実際の所は、ぐるっと一回りして「うーんこれは〇点車だな」って方が遙かにシンプルだと思います。

まあ、何はともあれ、これから先の自動車販売会社はどう変わっていくんでしょうかねえ?
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2021/02/21 17:17:31

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