2011年01月14日
ここ数日は平穏な日々が続き、遅ればせながら失われた冬休みを取り直している様な日々を過ごしております。ついでにブログの更新もしちゃうしちゃう。
そんな訳で、本日は嫁様用のサプライズとして今まで無視を押し通して来た、地デジへの秘かな移行を済ませてしまいました。流石にテレビ画面の上下の字幕がうるさいので。といっても地デジ放送をアナログ変換するチューナー(地デジのみのタイプで5,000円弱、BS,CS込みで8,000円程度のもの)を買って来たというだけなんですけど。
しかし、アンテナの方向が云々だの何だのと脅かすワリには、随分と簡単に付くもんだのう、という感じでした。台所用の14インチ(球面ブラウン管)と居間の36インチ(デジタル放送対応の平面ブラウン管)の2つの作業をしただけなんですけどね。
あっという間、というほどではありませんがそれに近い作業ともいえない程度。これだけで済むものをテレビとアンテナ線工事込みで幾ら獲ってんだろうという感じです。しかもその薄型テレビ。どこで作った安物を買ってきたのか知りませんが親戚のおばさん曰く「よく壊れる」。やっぱりブラウン管でいいよ、俺。
しかし地デジ化して思ったのは「言うほど画面がキレイってワケでもないなあ」という事です。
台所用の14インチは以前室内アンテナで通してきました。しかし、テレビ映りの悪い時には嫁様の機嫌もだんだん悪くなってくるので仕方なく天井裏を這いずり回りました。屋根から来ているアンテナ配線の内の1本を台所の天井に回して接続した訳です。そうしたら今までの映りの悪さが嘘のように解消してしまいました。
居間の36インチは今現在S端子で接続してあるので、これをD4端子で接続してあげればもう少しよくなるかもしれません。
今時の薄型テレビのラインナップと各メーカーの力の入れようを見るに、主流は40インチ以上の画面サイズであるようです。
ただこれを意地の悪い目で見ると「それ位の画面サイズにしないと、画面が良くなったことがよく分からないから」というのがありそうです。映像のソースそのものの解像度もけっこうなレベルになってしまっていますから、幾らアナログ電波とはいえ昔とは比べるべくも無い解像度になっていますし、ブラウン管だってそれなりに進化もしているわけです。
まあ、それはそれとして、これで1つ嫁さんのご機嫌取りはやり終えました。しばらくは大人しくなってくれるといいなあ。
Posted at 2011/01/14 17:06:10 | |
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2011年01月14日
とあるお客さんとお話をしていた時の事です。四方山話の中のひとつとして、
「貧弱な内装のクルマを、もっといい素材で仕立てたものとする、というオプションが成立しないもんなのかね?例えば10万円出してもいいから」
というような御質問を受けました。まあ、私如き輩にそんな事言われても...、とは思いましたがそれでも無い頭を捻って考えた揚句「多分出来ないでしょう」と申し上げました。
その方は更に「そういう要望を持っている人は私だけでもないだろうし、クルマはいっぱい作っているんだから、そういう内容のクルマを1台くらいラインの中に紛れ込ませることも出来そうな気もするんだけども」と食い下がられました。まあ、そんな事聞かれてもなあと思いつつも、あまり考えもまとまらないまま「多分ダメだと思いますよ」と、そのお話を堰き止めてしまいました。ちょっとそのお話が今でも引っ掛かっています。
私はよく知りませんが、本国のポルシェやベンツの高額車などでは内外装の色や素材をフルオーダー出来るらしい、というお話は目にしたことがあります。
以前、雑誌記事などで目にしたもので言えば自動車評論家の福野さんがポルシェで、内外装オールパールホワイトの特注車をオーダーしたことがあるという内容は目にしました。当時でオプション金額200万(確かロードスター1台分とかいう表現をしていたような気もします)。注文してから車が来るまでに1年半ほどかかったとか書いてあったかなあ。
他にも当たり前といえば当たり前のような気もしますが、ロールスロイスの話とかね。
内装外装の組み合わせが自由に選べる、という事では40のソアラがそうでしたか。コスモシルバーの外装(特装色で、40万円位高かったような気がする)のときだけは内装色・赤という指定だったような気がしましたが、それ以外の色ならば自由に組み合わせが利いたと思います。
ちなみに私がトヨペット時代に最後に納めた車が40ソアラでしたが内外装オールパールホワイト、木目パネルがバーズアイメープルというクルマでした。
当時のセルシオもある程度までは組み合わせが可能、という状態だったかな。一応推奨色の組み合わせというのはあって、そこからオプションという形で黒の革シートに変更とか。でもインテリアセレクションだけははセミアニリン仕上の革シートだけだったかな。たしか。
バブル期のマークⅡにも内装色が変更出来るオプションというのがありました。でも素材から別のものに変えるというのは無かったですねえ。大概は設定があったとしても革シートに換えるというオプションが20万円とか30万円という程度だったでしょうか。
内装の素材そのものが変わるというと、例えば「グランデ」が「グランデG」に変わればシート生地が随分毛足の長いものに変わるという事はありましたが、それだけでなくその他のモノも一緒にごっそり変わる、というものでした。内装の素材だけ変えるというのは聞いた事がありません。
もちろん先ほどの方には「そんなオプションは聞いた事がないからダメだと思います」というお答えはしていません。では本当に出来ない話なのか。
まずオプションとして設定する為には、という話になります。もちろんメーカーオプションとしての対応で、という事です。まずはそういうシステムを立ち上げる、ということを考えてみると。
最初の障壁はもちろんどういうオプションとするのか?という事になるでしょう。で、またそれがどれ位売れるオプションになるのか?という読みです。それに応じて資材の調達コストは大きく変わります。
市販車の試作を1台造るのに軽く1億以上の金額がかかるらしいという話も聞きますが、それを生産ラインに流して「月に5000台、5年作って30万台」とかいう生産計画でもって、やっとこさ1台200万円とかの金額に落とし込んでいる訳です。
でも、よくよく考えてみるとものすごいダンピング率ですよねえ。仮に試作価格1億円のものを販売価格で200万円に、という事だと2%以下、原価を考えればヘタすると1%未満に生産単価を抑えなきゃいけないわけです。
そういうことを考えると、果たしてオプションとして設定するだけの金額に納まるのか?という事が先ず問題です。
多分、先述の福野さんの「オール・パールホワイト内外装の特注車」のオプション金額が200万円也だったのも、台数をまとめることによる原価低減努力分の値引なんぞ一切無しの、工賃その他そっくりそのまま請求(+ポルシェのマージン分はキッチリ上乗せ)だったんでしょう。
幾ら「オプション金額10万円」となったとしても、果たしてオプションの価値がお客さんの感覚での10万円分として考えてもらえるのか、という問題があります。たしかに一目見ただけで「安そうな素材を使っているなあ」と感じる車があるのも事実ですけど、そこに辿り着くまでのプロセスを考えるとあんまり文句を言ってもイカンのかなあ、と最近は躊躇するようになりました。
例えばセルシオのフロアマットはそれだけで7万円ほどもしましたが、たしかに質は素晴らしい物でした。「おお、これに靴をのっけるのか」と最初は感心したほどの毛足の長さと密度の品です。それと同じ金額の家庭用の絨毯を買おうとすると、どの程度の品物が買えるのでしょう?
また、セルシオのフロアマットと同等の造りで家庭用の絨毯を造ったら幾らの値がつけられるのか?真相は闇の中なんですが、非常に興味のあるところです。
という事で話は飛ぶのですが、恐らく10万円という程度(といっては失礼ですけど)の金額では、原価のオプション金額への反映度を考えるに、一般に期待されるほどの質感の変化は出てこないのではないか?とは予想します。
もうひとつ問題なのが、自動車部品としての「要求性能」というハードルの高さです。私の感覚では、高級素材というのは一般に耐久性能が弱い、という感覚があります。良い風合いとは、良いバランスでアンバランスさが含まれているもので、また、よい肌触りが生命線でもあると思っていますが、それって同時にひどく儚いものでもあるんですよね。寿命が短いといってもいいかもしれません。
で、それらは自動車部品として要求されるものとしては論外なほど弱いので、使えるレベルにするためには何らかの「我慢するべき点」が出てくるだろうなあ、と。耐久性を取るか風合いを取るか。「すぐにダメになった」などというクレームと風評は特に嫌われる所ですから、やはり耐久性だろうなあ。
で、またそれは更に調達価格が高騰する原因にもなりますから、更にハードルが高くなる。しかも、それがラインに供給するための品にするために、注文が入ったら即座に納品できる体制を常にとり続けなければなりません。
以前ハイエースバンのメーカーオプションに関してメーカーのお客様相談室に電話をした事があります。内容は「後席のレスオプション(-25,000円くらいだったかな)がこれだけしか設定が無いのはどういうわけでしょうか?もっと設定車種を拡大できませんか?」というものでした。
こちらとしては「どうせリアシートなんて殆ど使わないんだし、生産ラインにしたってシートを載せないだけでしょ?」という軽い気持ちだったんですが、反論されましたねえ。怒涛のように。
リアシートが要らないことへの製造ラインでの対応や部品調整。その他、バリエーションが増えた分の型式申請にかかる届出書類の膨大さと申請費用などなどのメーカー負担。それらを考えると、リアシートが無い分の金額を減らすどころかプラスで幾らか貰いたいくらいなんだ、と。ただ、それでは納得してもらえないので赤字覚悟でこちら(トヨタ)もレスオプションを、要望の特に多い車形にだけ限定して設定しているんだ、と。文句を言われるどころか、そういうオプションがあること自体を感謝して欲しいくらいだ、と言われました。
どうしてもやりたいのなら、登録する時にリアシートを外して、持ち込み登録車(つまり改造車)として、乗車定員変更をかけて個別対応してくれ、とね。
恐らく内装の変更というオプションだけでも取得税が変わるということも出てくるでしょう。そうなると、やはりそれだけで型式申請が1つ増えることになるでしょうから、そういう意味でもやんないでしょうねえ。
という事で、そういうことを求めるのであれば、そういう対応をしてくれるメーカーのクルマなり、それに似た対応をしている車種の中から選ぶなりしてくれ、という事になるのでしょう。
それか最後に出てきたハイエースバンのように、出来上がったクルマを個別に、そういうことをしてくれる業者に持ち込んで、好きなように仕立ててもらう(キャンピングカーなんかはそういう対応ですよね)しかないのでしょう。もちろん、望む仕上になるかどうかはやってみてからのお楽しみ、という事になってしまいますが。
それを思うとメーカー純正の上級仕様車の仕上げってのは無機質な所も目に付いたりしますけど「ムチャクチャ安上がり」で「でも上質」という、非常にいいバランスの仕上がりということなんだろうなあ、と思うわけです。
セルシオの布シートだとウールマーク付いていましたしね。
この文章であのお客さんが御納得されるかは知る由もありませんが、なんかちょっと自分の中ではスッキリしました。
あ、もちろんクロネコヤマト並みに
「ウチでは○千台の車を使っていて、それを何年サイクルで代替していくので年間○百台の代替需要がある。ついては、ウチで使うクルマをすべてお宅さんで買わせて貰うようにするから、ウチ専用の車としてこういうのを特注で作ってもらえないか。1台あたりの予算は幾ら。それを年間○百台購入させてもらう。一緒に共同開発してもらえないだろうか?」
というある程度まとまった数の要求にして企画を持ち込まれればメーカーも動くでしょうけどねえ。ウォークスルーバンを造る時の実話だそうですけど。
もっとも最初はこの企画を日産に持ち込んで断わられたようで、「じゃあ次は....」という事でトヨタに企画を持ち込んだら「是非。ウチにやらせてくれ」という事になったそうですね。
Posted at 2011/01/14 14:52:57 | |
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