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先日あった事故のお話です。

お客さん（仮にＡさんとします）は３車線の一番右側を走っていました。そこに左側に付けていたバスが右ウインカーを出してこちら側の車線に入ろうとしてきたワケです。こういう状況で皆さんならどうします？
流れている道路ならば減速するだけでもいいでしょう。でも、それほど流れが良いとはいえない所です。現場は交差点の手前５０メートルほどのところでもありますから、既に徐行に近い位でもあったでしょう。やむなくＡさんは車を停め、バスに進路を譲りました。

で。

車を停め、バスがこちらの車線に入りきるのを待っていたところ、なにやら後でゴツンと音がしたんだそうです。

｢何だ？」と思って車を下りて後ろに回ると、横倒しになったバイクがバンバーに当たって止まっているという光景がそこにはありました。ちょっと手前で転んで、そのまま勢いが止まらず横転したまま路上をすべり、バンパーに当たって止まったという状況のようです。車の方は運良く、塗装の入っていないプラの素地の部分にちょこっと当て傷があるだけです。

その時までは、Ａさん的には「これくらいなら仕方がない、まあいいか」という気持ちであったようなんです。状況からしたって被追突は基本、無過失です。
もしその時、相手から｢ごめんなさい。ビックリして転んでしまい、止まりきらずに車に当ってしまいました。大丈夫でしたか？」の一言でもあれば「これくらいならいいから気を付けてね」で済まそうと思っていたそうです。Ａさん的には。

ところが、意外な空気の振動が鼓膜を震わせ、それで気持ちが一変してしまいました。

「あんた急ブレーキ掛けたろう」

へ？何言ってやがんだこのガキ？てなもんでしょう。

仕方なくＡさんは警察を呼び、事故報告を入れ、私にも連絡を取られました。
Ａさんの言い分は今まで書いてきた通りです。ただ、何度となく私に向って仰っているのは「そんな言い分が通ると思っているようなら、あの子の将来のためにもよろしくない。」の１点です。ちなみに相手は学生のようです。しかし、出来た人だなあ、と改めて思いました。私では到底そんな気になりません。
せいぜいが「この小僧、何ワケのわからんこと言ってやがんだ？頭でも打ったのか？いや元々か。」位に思うところです。人間、こういうところで上品か下品かの地がはっきりと出るようです。見習わなくてはいけませんね。いや本当に。


素直に「ごめんなさい」の一言があれば、まあ良いやで済んだ筈の出来事だったんですが、事態は180°の急旋回です。

まず私が現場に到着してＡさんに言われたのが「相手が行ったらしい先の病院から電話が入っているのですが、どうしましょう？」。
じゃあ、私が電話をします、と言って電話をしたら案の定「治療代が....」と言われかけました。ここで黙って聞いている程お人好しでもありません。当然言葉を遮ります。
「止まっているところに追突をされたという事故状況からして、こちらが治療費を負担する道理はないという判断をしております。病院に掛かられたのはそちらの勝手ですから、ご自身で何とかするようお伝えください。」
といって電話を切りました。もちろんＡさんの目の前で、です。これなら少しは気持ちも収まるでしょう？


その後、一応保険会社には事故報告を入れ、100：0案件だと思っているけど、どこまで動く？（無過失事故だと保険会社は動かないので）という確認はしておきました。弁護士特約もつけてあるので、無過失認定された後でも「後は弁護士にお任せコース」が可能なことも再確認。

で、翌日保険会社から電話がありました。相手方の事故報告内容についてです。「双方に過失あり」という報告が入っている、とのことです。懲りんガキだなあ。

その日の夕方。
別件もあって、Ａさんから電話があったので、ついでにそのこと(保険会社への事故報告内容がどうなっていたか）を御報告しておきました。これが火に油を注ぐことになったようです。
しまいには、｢弁護士特約はともかく、私の会社には顧問弁護士もいるから、自腹を切ってでも白黒はっきり付けるつもりです」との仰りようです。かなり御立腹の御様子です。
ちなみに車はベンツ。薄々予想はしていましたが、天下のヤナセ見積で30万の修理見積も出てきました。そこから更にコーティングの再施工費用もありますし、代車費用の加算だってあります。代車費用だけでも1日4万位の請求は出来るでしょうから合計40万円台。50万近い請求総額になるでしょう。多分。




しかし馬鹿だねえ。

この事故状況もそうなんだけど、どうせ保険入っているんなら、そこで相手の過失をどうのこうの言う意味は無いじゃあないの。入っていないのなら自己負担分を減らす、という意味で相手過失を主張するのもアリとは思うんだけど。

ちなみに相手方は損保ジャパンでした。またしても性懲りもなく。
あそこってのは、契約者の言うことをそのまま相手方に伝えるということしか出来ない・しないところなのかなあ？事故報告を受けた時点で、1歩引いた目で判断し、その主張はちょっと難しいと思います位のアドバイスをする方が結果的に契約者の為になると思うんだけど。それとも代理店が仕事をしないのか。


結果的には、こちらの保険会社から手を引かせて、さっさと裁判にしてしまい、相手を引きずり出す方がＡさんの気持ち的にはいいのかなあ？と今は思っています。まあ明日になればまた状況が動くでしょう。