2011年01月30日
先日耳にした話ですが、どこまで確かな話なのかは確認してませんが「某ホンダ車はオイルエレメントが各車共用となっている」やに聞きました。だからホンダに関してはオイルエレメントの交換部品在庫として1種類だけ確保してあれば良い、ということになります。
これは良いなあ。楽だし。
オイルエレメントというと、空き缶を半分に切ったような筒状の部品を思い起こす訳ですが、それを見慣れていた目でベンツのオイル交換風景を見て感心したのは、オイルエレメントとして供給されている部品は中の紙製の濾紙部分だけであったことです。日本車用のパーツによくある外側の筒は無いんですね。エンジンのオイルエレメント収納部のふたを開けて、そこにフィルターを放り込むだけ。「ああ、これはゴミを減らす為なんだろうなあ」と直感的にその理由が理解できました。
近頃は日本車(トヨタ車)も供給部分が中味の濾紙だけになったようです。
でも、ベンツ式にしようとするとエンジンのフィルターが設置されている部分まで設計変更しなければなりません。もっとも私の見たベンツはW202でしたから、遅くとも既に彼のメーカーでは、昭和の終わり頃にはそうした思考で以ってエンジンを設計していたことになります。
日本車としては、設計変更はエレメント部分だけで済ませたかったのでしょう。「エレメント本体の筒から古い濾紙を外し、改めて新しい濾紙を入れなおして」またエンジンにセットしなおす方式のようです。つまりエレメントの本体カバーは使い回し。
極力自分のところは何にもしないで、人にやらせる、という底意が見え隠れしているというのは穿った見方になるんでしょうかね?
そうした小ネタはさておき、部品供給について考えてみました。先日の輸入車の部品金額の事がずっと頭に引っ掛かっていたからです。
クルマを輸入して売るだけなら、これはわりあい簡単なんだろうなとは思っています。売りっぱなしでよければね。某ヒュンダイとか、某サターンとかどうしてんだろ?さあ逃げろって感じなんですかね?
ただ、継続的に売ろうと思うのならば、それなりの在庫部品を確保しておくのは必須でしょう。定期交換部品は言うに及ばず、実際に道路を走っていれば「ええ?」と予想もつかなかった所が壊れるものです。もっとも自然損耗ならまだしも、どこかに突っ込んで壊してきた、なんて事もあります。
すると、某Zガンダムでは3機あったガンダムマークⅡの内、3号機のみを残して1,2号機はストック部品用に解体される、なんて描写もあったように、まともに維持しようと思ったらあれだけではすまないでしょう。
実際パーツ供給を商売にしようと考えると、その在庫品の種類の多さに頭がクラクラしてしまいます。何が売れるか判らないし、マイナーチェンジもあるし、改良品だってある。どちらかというと、そういうマイナーや改良の時期などは営業の方がよく知っていそうなモンなんですが、実際の部品発注業務はメカニックが行っていることが多く、余計にその辺の信頼性が低下しているのでしょう。
その辺、メーカーが適合の可否資料をきちんと整理してくれてあればいいのですが、どこまで信用したらいいのものやら。
となると勢い補給部品の値付けは高めにならざるをえないのも分からない話ではありません。
多分どこかでこの話は書いていたと思います。再録になりますが、トヨタ共販に業者登録(つまり仕切り金額で販売してくれる契約)をしようとすると、まず最初に言われるのが「とりあえず100万円分の部品を買ってくれ」だそうです。
そこまで言うからには恐らく次に来るのは「継続的な最低購入金額を毎月いくら」とか、「支払いに関しては保証金をあらかじめ入れさせて、毎月の購入部品代はそこから差し引いていく」とかね。それ位は言うでしょう。
そこまでして共販の業者リストに名前を載せるのも馬鹿馬鹿しいので、先日トヨペットに「アンタのところの仕切り金額は幾ら?」と聞いたことがありましたが、「業者さんは一律1割の値引だけ」と言われちゃいましたね。そんなんならネットで仕入れたほうが安いって。
トヨタの場合でこれですから、外車の場合は更に大変なんだろうな、と想像します。数が少ないことに加えて、目に見える部分(骨格部分とかの信頼性はさておき)での信頼性は、比べればやはり低いと言わざるを得ない(どうでもいいところが壊れる、という言い方もある)ですしね。
日本車は多くの場合、生産終了車の部品の金型の保管を下請け企業に一任していることが多いようです。つまり「注文があったらアンタのところで作ってね」、という事ではあるのですが、でも何時注文が入るか分からない上に、保管料を別枠でくれるわけでもないようですし、それなりにメンテナンスだって欲しいシロモノな訳です。
で、注文が入ったら「ジャスト・イン・タイム」で、即座に作って持ってきてね、と。多分こう来るだろうなあ、と。つまり部品のストックに掛かるコストを見てみぬ振りして済ませているんだろうな、とも思えるワケです。
外車だと、こうは行きませんからね。そもそも作っているのは向こうだし。ストックしておくしかない。
それでも、ちょっとした部品ともなるとわりあい簡単に「本国発注です」なんてことを言われてしまうんですが。前に言われたのは「鍵(キーシリンダーと鍵のセット)」がそうでしたね。私の乗っていたW202の鍵も、当時のものは既に生産中止になっているのでW203のものを代用品として供給しているらしいです。
小手先のワザ(と言ってしまうのは大変失礼ではありますが)で色々なバリエーションを作り続けるのは、もうそろそろ止まらないモノでしょうか。
お客様のニーズにお応えして決め細やかな商品群を構成するのはいいんですけど、その種類の多さに辟易し、選び出す事に一苦労し、結果的に「何を買ったらいいのか分からない」とソッポを向かれているってことは無いと言い切れます?
多分プリウスが売れたというのはハイブリッド車としての定番商品であり、車種選択に迷いがない(逆にその他のハイブリッド車は「その他大勢」でしかないとも言える)、という事も大きかった筈です。しかもそれがどこのトヨタでも買えた。そういうことだと思うんですが。
ヴィッツが何となくモデルチェンジしているクルマに成り下がったのも「もはや定番商品としての魅力もクソも何もない」とお客さんに見切られているからこそ、これだけ盛り上がらない(少なくとも熱気を感じない)モデルチェンジとなったんだと思うんですがね。
話はいつものようにずれちゃいましたが、もう少し、部品の種類は減らんもんかなあ、と。そう思いました、という話なんですが。
Posted at 2011/01/30 16:13:54 | |
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