2011年03月23日
私自身は、新卒で静岡トヨペットの新車セールスとして社会人生活をスタートさせたので一般人としての「住民票」「印鑑証明」に対する感覚が分かりません。
何せ、クルマ業界というのは何かにつけて「公的証明書類」を要求する分野です。
軽自動車の登録には住民票。これはサービスセンター(公民館)とか区役所・市役所で。
白ナンバーの名義変更や新規登録には先ず車庫証明。これは警察署で。
誰がそのクルマを所有するのか?というところで印鑑証明や住民票を。
下取車の所有権解除(ディーラーの所有権留保登録の場合)には自動車税の滞納分が無い証明書。これは県税事務所で。
所有者の住所が変わっている場合には現在の印鑑証明書に加えて前住所の記載のある住民票。
もっと遡らないと記載のない住所である場合は改正原を。
住居表示の変わっている場合は市役所などの該当部署での住居表示変更の証明書を。
身体障害者に関わる自動車税・取得税の減免申請は、登録時に身体障害者手帳と運転免許証が必要になります。ただ、身障者手帳はともかく運転免許証を1日借りることが難しい場合もありますので、その場合は県税事務所に行って免許証を提示し、コピーをその場で採ってもらい「たしかにこれは原本と相違ございません」という証明のスタンプをポンポンと押して貰って代用する手続が必要です。
また本人運転でない場合の申請には、実際の運転手と手帳の保有者の住所が同じでなくてはならず、該当役所の福祉課あたりに行って「同一生計証明書」なるものを添付しなくてはなりません。
ざっと思いつくだけでもこれくらいの書類は日常的に必要になるわけです。
まあ、それはそれとして。
これらの書類は結局、陸運局の申請窓口で書類の受け付け担当に「はい、書類は一通りOK」という事で、ポンと受付印を貰う為だけに存在し、掻き集められます。ディーラーの所有権解除だけはちょっと違いますけど。
実際には違うところもあるかも分かりませんので、あくまでも個人的な解釈の範疇ではありますが。こうした公的書類の必要性というものは、
「お役所は基本的に、他のお役所が『認めた』という証拠書類しか信用しない」
という基本姿勢の為だけに存在している、と思っています。
つまり一般庶民の戯言なんぞ信用する気はないわけです。なんかしたかったら、先ず他の役所公認の書類の一つでも持ってきてから物を言いなさい、と。それが1つは運転免許証であり、住民票であり、印鑑証明であり。はたまた警察の事故証明とか。という事なんだろうなあ、と。
逆を言えば一般的な生活をしていく上では、そうした書類などとは、ほぼ関わりなく過ごしていくことが出来る、という事でもあります。実際、「アンタはやたらと印鑑証明・印鑑証明って言うなあ」と厭味半分に言われたことがあります。もちろん車をポコポコ替える人の為に止む無くしている事なんですが。
今時はやたらと個人情報が云々とうるさいのが当たり前になってきましたが、1つには住民基本台帳の閲覧が自由に出来たことに加え、コピーはダメだけど、書き写すのはOKというお役所の脇の甘さに問題があった筈なのを、何で俺たちのようなところにツケを回すの?とは思っています。通信教育の某社などは、こうしてダイレクトメールのあて先情報を収集していたらしいですしね。
もう1つの問題点は、何故かやたらと「他のお役所の為」のものを、紙ベースで一旦申請者に情報を受け渡してしまう、というシステムの不備をいつまで経っても改善しない点です。
どうせ他の役所の担当官への閲覧用ならば、私たちのような仲介役の目に触れる必要はないワケですから、データの受け渡し専用のUSBメモリーを使うようにするだとか。はたまた直接各お役所間でデータの受け渡しをしてもらえればいいだけの話です。そうすれば紙資源の節約にも繋がります。スマートフォンのセキュリティロック解除に、指でタッチパッドをなぞった軌跡を利用する、なんてのもありましたから、それを個人認証のサイン代わりに使うというのだってアリでしょう?
既に保険契約の認印とかサインの代わりに、そういうシステム(どうもiPadを使っているらしい)を使っているところもあります。徹底的に紙ベースの資料を残さない方式というわけです。私自身も紙ベースの保険契約資料はすべて廃棄しましたしね。
こうした「人に負担ばかりをさせて、自分自身は何もしない」マグロ状態な姿勢はええ加減にせいよ、と常々思われていることぐらい、いい加減察しろよ、と思うんですがね。まあ、それに気が付いていても気が付かないフリをし続けるのがお役所のお役所たる所以なのかもしれませんけど。
今日のお題も被災報道からふと思いついたことを書いている訳ですが、目に付いた記事は2つです。
1つは津波で流された車の廃車についての報道。
廃車をするならば、上記のように所有者の実印を押印し、それに印鑑証明を添付して。他の人に所有権がついている場合には.........、と延々に手続書類が必要となります。この為、行政側としても完全に水没した車であったとしても迂闊に処分は出来ず、1つところに集積しておいて所有者を確認し......、とか言ってました。馬鹿だなあ。
たしかにクルマについては財産権を保障されている物であることは間違いないのですが、クルマ屋からしたら、水没したクルマなんて全損に決まってます。まあ100歩譲ってパーツ取りを考えないこともありませんが、浸かった水が海水である以上これも考え難い。つまり財産もヘッタクレもありません。
車のフレームナンバーさえ確認できれば、登録データは追える筈です。被災車として確認できたクルマはそのままオートマチックに廃車登録してしまっても実際上問題が出てくるとは思えません。
そのようにして重量税還付の手続書類を速やかに送付していく方が、下手げにゴールデンウイーク前後に「自動車税払込通知書類」を送りつけられるよりは遥かに住民感情を逆撫でせずに済むのでは?と思うんですがね。余計なお節介かもしれませんが。
2つ目は、住民票の申請を、確認書類がなくても生年月日などで本人確認が取れれば速やかに出す、という対応をする、という記事を見たからです。相変らずだなあ、と。
私の入院期間中、入院先の看護婦さんが朝の早番の為に通勤途中、誰一人いない時間帯で、誰も迷惑にならないであろう場所で、一旦停止をしなかったという理由で青切符を切られたそうです。あの子、ものすごく怒っていたなあ。
恐らくは職務に忠実であったというだけであろうそのお巡りさんですが、もう少し気を利かせるとかさ。もう少しその本来の意味・役割を考えて見張るとかさ。
お巡りさんが好きな人はそうはいないと思いますが、
「だから、あなたは嫌われる」
というその理由に対して、もう少し頭を巡らして考えてみるという行為も、少しは必要なんじゃあないかな、とは思いますけどね。
Posted at 2011/03/23 12:21:55 | |
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