2011年11月20日
その昔、トヨペットの営業に一人1台ずつノートパソコンが支給された事がありました。
コレによって日ごろの行動管理やら見積もりの自動作成やら。
サービスの入庫履歴と連動させる事により顧客管理も出来。
ゆくゆくはインターネットを介して下取車の基本価格も行く先々でチェックできるとか。
なかなか売り文句だけは壮大な事を散々聞かされた記憶があります。
今にして思えばiPadがあればそれで事足りたような気もするんですが、まあ時代が時代ですので当時はウインドウズ95を搭載しているというだけで「ホウホウ」言っていたような。
ちょっと時代が早すぎたような気もしなくもありませんが。
で、壮大な売り文句と一緒になって送られてくるのが、壮大な金額の記入された請求書と言うわけです。私はその実物を見ていませんが、当時の営業部長の言う事には「一人当たり35万以上掛かった」とかなんとか。
そりゃあ、いちいち個別にプリンターを持たせ、かばんも付け、延長コードやプリンターコード(当時は未だプリンターに関してはUSB接続が一般的ではなった)などなど。それだけ関連部品も一式で幾らとなれば。おいしかっただだろうなあNEC。
しかも保守もあるし関連部品の補給もあり。その他、端末コンピューターのほかに営業所にはホストコンピューターもあるし、暫くしてからは所長機なんてのも配備されました。
それらの設備投資たるや、どの程度掛けたのかを思うとヤレヤレと思います。
もっとも、ホストコンピューターからとか所長機からのメールによる定時営業実績連絡も、それを受ける中央の方々が操作を理解できない・見方が分からないという一点で、結局FAXによるアナログな報告も併用し続けたのは以前にもお話したとうりです。
さて、そうした壮大な投資によって何がどう改善されたのか?
普通に考えれば、どうしたってパソコン化しなければならない事でもあれば仕方ない。例えばトヨタへの新車発注は専用のページから入って、そこからじゃあないと受け付けないというのならば、そこだけパソコン化すればいいだけのことです。
もっとも私の知っている新車発注部門の仕事ぶりは、年がら年中トヨタの受付部門の担当と電話をして「マークバン(マークⅡバン)がこの日にもう一台突っ込めませんか?」とか話をしつつ。それが確定になるとそのようにコンピューター画面が変わり。それを受けてまた生産予定が確定した車の担当営業所の所長に電話をして「1台マークバンがこの日に予定が入りました」という話をする、という感じでした。
で、その電話を受けた営業所所長は「可能(「月内に新車登録が出来る車」と言う意味)台数が1台増えました」と、嬉々として地区部長に報告を入れ。それを受けた地区部長は本社の営業部長なり、社長になりに電話を入れるわけです。
そんな感じで電話はめくるめく回りまわって、果たしてそれだけの事でどれだけの電話代が消費されたものやら。そういえば電話代が月額幾らになっているかという話は聞いた事がなかったなあ。
私からすれば、どうせ新車発注部門は本社にあるわけですから、そこから情報を一本で流せばいいだけのことに思えるのですが、本社の連中や所長連中は受話器を握る事が仕事であるかのごとく、終日そんな電話の受け答えをやっていましたねえ。
ただ、こうした事がメールのやり取りやIP電話などに切り替わればそれなりの経費節減にはなるのでしょう。
でも、何だかんだ言っても一番の繁盛期ですらこうしたやり方で乗り切っているわけですから、いまどきの販売成績ならば十分こうしたアナログ手法であっても乗り切れたはずだと思うんですがね。つまりそこまでしてディーラーでパソコンを常用する意味は薄いだろうなあ、と。特に営業面では。
もちろんメカニックの方では部品検索などや請求書や見積書の作成が常日頃の事ですから、それなりにパソコンを使った顧客管理システムは有用であたろうなあ、とは思います。
ここまではディーラーの話。
一般の整備業者になると、サービス業者向けの顧客管理ソフトなるものがあります。鈑金屋さんでも同じく鈑金見積もりの作成ソフトがあります。
で。
コレって高いんですよねえ。月々のデータ更新その他で、鈑金屋さんとかだと数万円の保守費用を請求されるようです。
整備屋さんならば、そこまでの更新は必要ありませんからまだいいのでしょうけど、それでもWindowsのバージョンアップで100万円とかいう話を以前耳にしました。この為未だにWindows2000とかを使っている業者さんもあるくらいです。
でもバージョンアップをしたところで、それが売り上げに直結する種類のものでもありませんからねえ。しかも、印刷する帳票なども専用の書式を指定されるようで。
コンピューター屋さんに言わせれば、昔の事を思えば単価が安くなったと言うようです。昔ほど儲かるわけではない、と。
ただ私からすると、そうしたプログラムを組むための人件費・設備費その他欲しいと思う経費の総合計をすべて足し上げて、そこに企業としての儲けを幾分か上乗せした請求書。いわば「総括原価方式」の請求金額で行くのならば、そりゃあ高くつくよなあ、と。東電と一緒ですからね。経費を掛ければ掛けた分だけ儲けも大きい、みたいな。
もちろん、当事者からすれば「こんなんじゃあ干上がっちゃう」って言うでしょうけど、まともに切り詰めた事などあったの?とも思いますし。
もちろん、パソコンそのものの製造に関してはうまみが減ってきているのも事実でしょうから、こうした企業関連・政府関連の施設・システムなどで利益を上げる、という事もあるでしょう。
ですが、同じコンピューター関連の企業で時価総額世界一になった会社もあるわけです。
何かこういう事を思うと、お金の吐き出させ方になんか胡散臭さを感じさせられると言うか、キャノン方式が思い浮かばされると言うか。
もっとパソコン機器関連に気持ちよくお金を使えるような、もしくはそういう気分にさせられるお金の使い方をさせて欲しいというか。
そこにまた、価格破壊であったりシェアの大移動があったりというブレークスルーがあるような気もするんですが。
クラウドサービスなんてものも、私の理解レベルで言うと保険の世界では既に一般的なシステムなんですよね。顧客情報その他は本社のホストコンピューターで一括管理していて、代理店レベルで顧客情報をもつ意味を無くし、ペーパーベースの記録をもつ意味を消してしまっている。
代理店レベルでのパソコン入れ替えに関しては「代理店システム」が動く環境でありさえすればいい、という状態。後はネット環境その他の通信環境が整備されているか否か、という状態です。
保険料計算ソフトも、中にはエクセルのままで提供されているものあるくらいで、顧客情報さえ含まない形であれば、そういう形で提供されるのもありだよなあ、とは思います。
こんな事を思ったのも、リンク先のコロパパさんのページで「電子カルテに掛かるコスト」という内容を読んだからです。オペラさんでも電子カルテの保守費用が馬鹿にならない、という話がありましたねえ。
止むを得ない費用と見るか、それともコレを別の商機と捕らえてくれる人も出てくれるのか。
でも、無きゃあそれに越したことは無いコストだ、という事は間違いないと思うんですがね。誰がそのコスト負担をするの?という事も含めて。
Posted at 2011/11/20 14:27:15 | |
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