
私の普段着は今の時期、せいぜい下がジーンズに上がTシャツだけとか、その上にチノシャツという程度です。このため直接肌に触れる下着類は毎日換え、洗濯をするにしても、ズボンやシャツ(仕事着であるYシャツは別)は、わりあい数日はそのまま使い回すことがほとんどです。とくにジーンズなどは毎日など洗っていたらすぐに色落ちしてしまいますし。
ちなみにジーンズを買うときはエイジング加工をされているものなど買うことはありません。藍染めで仕上げられたその時のまま、綺麗に紺色に染まっている状態のものを買います。
ま、私の普段着はどうでもいいのですが、言いたいのはクルマのシートです。新車で買われた方も、そうでない方もどうされているのでしょう。
直接肌に触れたことはないにせよ、長時間クルマに座ったことがない、という事はナイと思います。という事は当然汗で蒸れたりしてもいるでしょうし、ドアを開ければそこはすぐに外です。埃やゴミが付着していないとは言い切れません。クルマのシートにも当然汗や脂が染み付いているはずです。
それが1年?2年?3年?いやいやうちは10年そのままだよとか?
洗濯してますか?クルマのシート。
ディーラー時代、ざっと500台くらいの新車を納めさせていただきましたが、よくある新車付属品。トヨペット店ともなれば扱うクルマがクルマですから「シートカバー」はよく一緒に買って頂いたものです。
シートカバーには大まかに2種類あります。レース編みで仕立てられた「ハーフシートカバー」と、座面から背もたれまで全てを覆うタイプの「フルシートカバー」です。
中にはそんなものいらない、とお付け頂かなかった方もいらっしゃいましたが、それはそれとして、今に至るまで「シートカバーを洗って欲しい」と仰られた方は1人しかいません。シートが洗えないか?と尋ねられた方もその他にお1人だけです。
それ以外の方では、「ハーフカバーは洗って付け替えるもの」として2組買っていただいた方がお1人。汚したくないからといってフルシートカバーをつけた上に、更にハーフシートカバーを付けられた方がお1人いらっしゃいましたねえ。
シートが洗えないか?と尋ねられた方は親御さんが痴呆症になられた方で、つまるところ、よくシートの上で漏らされたのだそうです。それがシミにもなっており、洗えないか?という御相談でした。
中古車を買うと、その車両明細の中に「ルームクリーニング」と書かれていることがあります。基本的には車内の清掃です。「クリーニング」と書かれているので「あ、キレイにしてくれてあるんだね」と思われるのでしょうけど、実際はそんなに手間をかけてはいられません。言葉は悪いですけど、手間をかければかけるほど商売としては率が悪くなっていくだけだからです。
少なくとも私がディーラー時代に目にしていた光景は、シートに関しては掃除機でゴミを吸った後、クリーナーの混ざった液体を霧吹きで吹きかけて雑巾で拭うだけ、というものでした。
外注に出すとお金がかかるので中古車のセールス自身が暇を見て入庫車両(新車の下取車両)を洗い上げていく作業をするため、彼らはたいていツナギを着ていましたね。
もっとも新車のセールスも自分で納めるクルマは自分で洗うので、なんだかんだ言って水仕事の率は多いです。新車セールスもツナギで居た方が何かと便は良いような気がするんですが。
中にはいつもゴム長を履いてゴギュゴギュと足音をさせてショールームを歩き廻っている変な人もいましたが。
機械を使ってシートを洗う業者もありますが、その機械といってもクリーナーの混ぜられた水をシャワー状に吹きかけて、噴いた傍から今度は吸い上げていく、という、霧吹きと掃除機が一緒になっただけの機械でした。
洗い上げの済んだ箇所は水気がまだ残っていますが、クリーナー分もまだ残ってますので、なんだかちょっとベタつく感じは残ります。まあ、業者のやるルームクリーニングといっても実態はこんなものです。
そんなわけで、今日はシート洗い日和です。
台風もどこかへ行ってしまった後という事もあり、秋晴れの快晴ですから。
些か強引な前振りではありますが、長年の懸案事項であったヴィッツ君のシートをやっとこさ今日、洗うことにいたしました。
あれこれやっていると、ついついやる時や、やる気が出てこなかったりで、買ってから1年余、やっとこさヴィッツ君のシート洗いです。
私が洗うとなれば、シートはもちろん外します。前も後ろも。
私の乗っているヴィッツは「U」という上級グレードでして、ファブリック(織物)シートではなく、モケット(絨毯状の起毛の織物生地)で仕立てられたシートです。
肌触りは良いんですが、汚れやゴミが奥深くまで入り込んでしまう、ということもあるシート生地ですね。
ただ、その「U」のヴィッツのリアシートなんですが。
「シートスライド」と「前方への折り畳み」をこなし、フラットで広大な荷台スペースを確保できるのはいいのですが、この凝った仕組みのおかげで左右の座面と背もたれ、スライドレールまでが一体になっているので、これが重いんですわ。30キロ近くあったんじゃなかったかな?あれ。
この記事を見てチャレンジする剛毅な方があるかどうかは知りませんが、腰を痛めぬようお願い致します。
あと、あまりにも重いので、乱雑な扱いをすると内装のプラスチックにあちこち傷を付けかねませんので御注意ください。もっともこの取り外しと取り付けの際に傷を付けやすいというのは、フロントのシートでも言えることです。御注意を。
今回はそこまで気を回しませんでしたが、シートを地面なり、コンクリートの上に置くなりするときには、出来ればバスマット等でクッションを鋏むほうがいいでしょう。折角錆び止め処理をしてあるシートレールなどの塗装を剥がす事もないでしょうから。プラスチック部品の傷つき防止にもなりますしね。
さて、全てのシートを外し終わった所でメインイベントのシート洗いです。このためだけに面倒な下準備があったのです。
まずはホースで水を掛けます。既にこれだけで黒く変色した水が流れることうけあいです。全体がしっとりと濡れたところで洗剤とブラシ使って更に洗い上げをします。洗濯の時に使う洗剤でもいいのですが、今回は手元にあったクイックブライトの残りを使いました。ブラシは適当なものが見つからなかったので靴を磨く時のブラシを使いました。さすがにタワシだと生地を傷めそうでしたので。
しかし、すごく気持ちいいです。なんか汚れが落ちていくのが実感できて。汚れた水が目の前で流れていくんですから。なんか、バケツの中で雑巾をゆすいでる感じでしょうか。
ただ一つ注意が欲しいのは、洗剤分をシートに残さぬよう、きちんと、水をたっぷり使ってすすぐことです。洗剤分が残っているとディーラーのルームクリーニングのようになんかベトつきの残るシートになってしまいます。ここは手間を惜しまず、入念に流してあげましょう。
前の2つのシートを終えると、残りが段々面倒くさくなってきますが、せっかくの機会ですから気力を振り絞ってリアシートまでやってしまいます。
洗い終わったら前のシートは背もたれを伸ばして、立てて干しましょう。水は高い所から低い所に流れるものです。座面を立てておかないと水がいつまも溜まったままで滴り落ちてくれずに残ってしまいます。
しばらく置いておいて、生乾きになったら洗い残しをチェックします。今回のシートはブルーグレー色の生地でしたから、乾いている時は汚れが分かるのですが、洗っているときの色は濃いグレーになり汚れが判らないからです。ちょっと乾けば洗い残した箇所も分かります。
さて、シートを干し上げている間に車内の掃除機掛けをしてしまいます。シートがあると面倒だった場所の掃除機掛けも、お出かけの最中の今なら好きなだけ、かけ放題です。しっかりとやっておきます。
本来ならシートはそのまま屋外で2~3日干しておきたいのですが、後になればなるほど復元作業が面倒くさくなるのは目に見えているので、5時間ほど乾かして、今回は組んでしまいました。
しかしリアのシートは重かった。だって水気まで含んでいるから。
折角の秋晴れで湿気の低い季節ですから、今日一日はドアを開け放して乾かしておきます。もちろん夜間はドアは閉めますが、それでも少しガラスは下ろしておいて。明日も出かける用事はありませんから、朝からドアは開け放しておくつもりです。
ただ、ここで手を抜くとカビが発生した、という笑えない事態にもなりかねません。きちんと乾くまで気は抜かず、エアコンも使うなりして乾燥させるつもりです。使わないときは家庭用の除湿機を使うという手もありますしね。
こんな訳で、今日1日が過ぎてしまいました。あしたは.......、うん、ロードスターで浜名湖1周かな。早起きして。渋滞は嫌だし。
うん。ヴィッツは一番奥に入れて開けっ放しにしておこっと。ベンツを出入り口に置いて道を塞いでおけばいいでしょう。
それでは今日はこの辺で。