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2009年11月02日 イイね!

カルディナ全損事故 顛末

カルディナ全損事故 顛末それは昨年の4月の半ばの事でした。

夜の9時近い時間に私の携帯電話が鳴ったのが事の始まりです。普段にはそれほど電話のない方からの電話でした。
「柴田さん、実は昨日の夜、追突されたんです.......。」これが始まりでした。

よくよく事情を聞くと、事故そのものが9時過ぎであった為、事故処理が終わった時には既に10時を超えており、流石に私宛に電話をするのにためらったとの事です。

とにかくムチ打ちなどの症状を聞いてみたのですが、それは無いとのこと。加害車両が来るのが判っていたのですが、前の車もあったので背中を丸め衝撃に備えていたとの事でした。
ただ、やはり衝撃がすごく思わずブレーキが足から離れ前に出てしまい、結局玉突きの真ん中になってしまったとのことでした。

幸い車は自走できたので、昨日はそのまま帰宅し、今も仕事先にはそのまま来ているとの事。




さて本題です。

「僕としてはこのまま直ってくれて、そのまま乗れればいいんです。」

はい。よくある答えです。

「ただ、年式からして、時価額が修理金額を超えた場合には、全損金額以上は支払えませんと相手の保険会社は言ってきているんです。」

まあ、いつもの常套句ですね。仕方の無い所ですが。

「僕としては、このまま今回の車検も取るつもりでいたし、家も新築してしまったので車を代替することは全くの想定外の事態です。なんとかなりませんか?」

ははあ。

「とりあえず、相手側の保険会社のほうで紹介された修理工場の人が今日、こっちまで来て代車を置いていって、事故車を引き取り、修理見積りを作ってくれる段取りになっているんですが。僕はどうしたらいいですか?」

とりあえずこの人、車両保険は入っていないんだよなあ。さて。



まず、最初の指示は

「事故車を紹介された修理工場に持っていかれたら、これから先、身動きが取れなくなりますので、まずはそれを断わってください。修理業者は恐らく保険会社と提携している工場です。紹介された仕事として受けただけであって、それ以上の便宜を図るということは考えられません。
持ってくる代車は恐らくレンタカーでしょうけども、最終的に保険金で全てを賄うことをお考えのようであれば、予算を確保する為にも代車を受け取らないほうが良いでしょう。」

でした。とりあえず今日は午前中は自宅にいる、とのことでしたので

「では私のほうで代車としてヴィッツをお貸ししますので、当座はこれでしのいでください。カルディナは自走は出来るんでしたよね。なら結構です。とりあえず私のほうでカルディナはお預かりいたします。」

まずはこれで初動はOKです。車を知らないところに持っていかれると、その保管料だの搬送料だのと余計な代金を請求されかねないので、あとでつまらない予算を割かなくてはいけなくなります。
こういう場合は、何はともあれ、まずは事故車をこちらに確保することが先決です。

で、事故車を引き取ってきた訳ですが、玉突きの真ん中に入っただけあって前後が見事なほどへしゃげています。リアの床下を覗いてみるとここもまた見事にへち曲がっていましたから、後ろだけでも30万近い見積りは出るだろうと。
後日、先方保険会社の事故鑑定人が来て事故現状を見ていきましたが、数字を出すことなく「全損です」、と言って前後の修理見積を提示することすらしませんでした。もう少し仕事をして欲しい所です。


正確な記録が残っていないので実際の所、最初提示金額がどのくらいだったか記憶に無いのですが、それでもたしか25万程度の全損金額算定じゃあなかったかな?と思います。

で、たしかこの辺でお客さんには「全て私にお任せいただけますか?」という念押しはしていたはずです。「任せる」という確約がありましたので、事故車を引き取って以降、全ての事故示談の窓口は私が担うことになりました。もちろん要所要所での確認はお客さんにはしますが。
こうすることによって、矢継ぎ早にくる保険会社からの報告とそれに対する判断を求められる、という作業からお客さんは開放されることになります。

というのも、100:0事故の場合は「こちらに過失がないので」こちらの保険会社が動くことはない(契約者の過失分に対して、その賠償責任を果たす為に動くのが保険会社の役割だから)ので、「相手保険会社」対「個人(被害者)」という交渉図式になてしまうのです。



まず基本的には「(保険金は)修理金額には到底及ばない」ので、代替を基本に考えます。お客さんの要望は「同じ程度であれば良い」とのことでしたので、同程度、同年式のものを探します。

同時に保険会社の意向を探ります。まずは25万円の算定材料から。距離、年式、グレードなどなど。相手は「あいおい」と、会社としてはトヨタ系列の保険会社ですが、算定基準は保険会社独自のものです。決して日本査定協会(こういうところがあるのです)の「協会基準」で物を言うわけではありません。
あくまでも彼らの基準での算定で言ってくるので頭に来ますが、一つ一つその根拠を崩していきます。距離数超過の減点基準、装備品の加点・減点基準、査定の基本価格となっているグレードと事故車両との相違などなど。こちらは中古車査定士の資格更新こそしていないものの10年以上査定士の資格を持っていた人間です。そういう立場の者からした「あなた方の基準は如何なものか?」という事を一つ一つ積み上げていきました。

で最後に使うのが「代車代」です。レンタカーに乗っていれば、ただ、レンタカー会社に支払われて終わるだけの金額ですが、借りていなければ、その分支払い保険金に上乗せさせることが可能です。
いくら少なくとも最低2週間分は出させられますから、これは大きいです。黙っていれば「工場代車2500円/日額」ではありますが。その辺は話を膨らませて「カルディナの代車としてに軽自動車を出す法があるか!?」という事を言い、「国産同クラスの代車の提供が基本」なので、ベンツCクラスを代車に出した、と言っておきました。


最後に言ったのは

「どこの蛇口をどう繋ぎ合わせて、どれくらいの按分にするのか、その具合はあなた(相手保険会社の示談担当者)に任せます。ただ、私としては『これだけ欲しい』といっている分だけ水が入ったコップが欲しいだけです。その為に提示できるだけの材料は既にあなたに提示させてもらいました。
私は被害者からの全権委任を受けています。私が「うん」と言えば、この案件は終りです。後はあなたの腕次第です。もうすぐゴールデンウイークだし、お互いに気分片付けて、憂いの無い休みにしましょうよ。」

というニュアンスの言葉でしたね。



そんなこんなで、その後も何度か細かい話はあったにせよ、昨年4月の事故で、乗っていた車が平成11年8月(マイナーチェンジ前)登録のカルディナの全損事故。

このカルディナの全損金額プラス代車料として最終47万1300円の協定金額まで持ち込んで、お客さんにはちょっとだけ年式が若く(4ヶ月くらい)距離が少ない(1万キロくらい)、その他は全く同じカルディナを、車検を丸まる2年つけた状態で、お届けすることが出来ました。

もともとの車も本来昨年の8月に車検が来る時期でしたので、「本来の車検代として10万円だけお願い」といって、それだけ出していただきました。3ヶ月ほど早く車検を終えてもらった、という状態です。


ただ、これはかなりうまくいった案件です。全てがこうなるとも言い難いので、御参考程度になさってください。
Posted at 2009/11/02 19:35:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2009年11月01日 イイね!

被追事故について

被追事故について私のページに御訪問いただいている方の足あとを辿るという事はよくやるのですが、その中で「追突をされた」という方がありました。お大事になさってください、と言う以上のことはできませんが、何度かそういう事故を目の当たりにしている者として、ちょっと。


結論じみたことから入ると、
被追突事故は極論「やられ損」です。
だって、あんたさえ来なければこっちは言うことなかったんですから。ただ、これでは話が終わりませんので、その心の傷を少しでも癒すために。

基本的には、100:0全損・被害者側という経験もある私としては、相手を殴りたい気持ちも山々なんですが、それをすると何故か傷害罪となってしまいます。気持ち的には1発くらい....、とか思わなくもありませんが。
法治国家たる日本国内では、基本的にこういう事故に関しては「金銭での賠償」が基本となっています。

まずは警察への事故報告です。
ちなみに、どこぞの振り込め詐欺のように「警察が示談に首を突っ込むことはありえない」事です。警察は過失割合がどうのこうのに口を挟むことはありません。じゃあ何の為に?となりますが、警察への事故報告には物損と人身の2種類があるのです。まず怪我の治療に掛かるという事ですと順序としては自賠責保険が動くのですが、これを使うためには公的機関(警察)の「事故がありました」という証明が必要なのです。自賠責も国の事業ですので。
治療費その他の合計額として120万までは自賠責保険からの支払いとなります。


さて、警察への事故報告の際に彼らに聞かれることとして「相手への処罰」があります。たいていの場合皆さん、相手が目の前にいることもあり(私も含めて)「警察にお任せいたします」と言ってしまっています。
ここで気になるのは「厳罰を要求します」、と言った場合どうなるのかなあ、という事。保険屋の立場で現場に居ても、そういう場面に口を出すことは憚られるので契約者の方にそういうアドバイスができたためしは無いのですが。自分が被害者になった時には是非言ってみたい一言です。



怪我に関しては、もし病院に運ばれたとしても、特にムチ打ちの症状などはその日のうちに出ることは少ないんですよね。で、多少日時が置けるものなら翌日に行くという方がいいかなあと思っています。で、そこで、思いつく限りの症状を言っておくことですね。ここで言ったことで症状が固定されてしまうんですよね。
後になってから「あ、これも」と言っても、どこまで事故の影響か?と言われるので、なるべく症状が出きってから行くのがいいかと思っています。
行く病院ですが、検査器機が揃っている所といえば大きい所が良いのでしょうけど、通い続けることを思うと、あとで転院というか、近い所に鞍替えするほうが行きやすいと思います。通院の間隔は空けない方が良いのでしょうけど、結局面倒くさくなってくるので、近い方が後々良いんですよね。

あと、よほど通うつもりなら健康保険を使って診察してもらう方が、後々慰謝料として受け取る金額が増えるパターンがあります。健康保険を使って治療をすることをお勧めいたします。

病院としては嫌がるでしょうし、健康保険組合にも嫌な顔をされるでしょうけどね。
何故かといえば、自賠責や任意保険による治療は病院にとっては「自由診療」となるので、健康保険の診療点数の2~3倍のレートで治療報酬の請求をされていることがほとんどです。お医者さんにとって「交通事故による治療はおいしい仕事」な訳です。
ところが、これが健康保険となると一気に目減りするので、病院によっては「交通事故の治療で健康保険は使えません」とする張り紙まで貼ってあるところもあります。



さて、物損。クルマの修理についてなんですが。


とりあえず100:0の場合は相手側に代車を用意させることを要求できます。ただ、無くても済むものなら、出してもらわない方がいいかな?と思っています。もし用意させるとしても知り合いでやっている所ですとかね。この話はまた後に関わってきますので、ここではこのくらい。


納得の行く行かないはともかくとして、国内の保険会社では、車の価値は「時価で計る」のが基本です。このクルマと共にした思いを、という気持ちも判らなくもありませんが、正直算定のしようがありません。なるべく高く見積もってもらうしかないのが現状です。

火災保険では再調達価格(つまり建て直すときにかかるであろう新築金額)が基本になるのですが、クルマは時価なのです。
「新車特約」なるものもありますので、一定割合(50%)以上の損害金額になれば新車代金分が支払われるのですが、現実問題として100万円以上の修理見積というのは、無い訳ではありませんが、中々見ないので200万円~300万円以上のクルマとなるとあまり意味は無いかなあ?という気はしています。
但し軽自動車なら50%以上の被害額にはなりやすいので、付けておく意味は有るかなあと思っています。


揉める例として、一つには事故落ちに関することがよくあります。

基本的にこの分については「既に被害車両を下取なり買取に出すなりの売買契約を交わしていた」のであればともかく、そうでない場合には事故落ちによる下取金額の差が確定できないので、通常は保険金支払いの対象になりません。というか、支払いをしたという例を知りません。でもリースカーなら出るのかなあ?残価金額の設定がしてある筈だし。5年後には返すわけですから。でもその支払先はリース会社にですよね、多分。

修理の仕上がったクルマに乗って、「以前と違う」のならば、それは修理やさんの腕の問題であり、それについては何回でもクレーム修理に出してください、という考えです。
冷たいようですが、やはり仕上りが気に喰わない(これも明らかに客観性がある仕上がりの悪さかどうかという事もあります)からといってそれを売りに出し、そこで「事故落ちで10万円」と言われたとしても、事故をしたから、という事後の理由によって代替をしたわけですから、それは認められていません。

そうなる前に、代替をするならするという判断をしてください、という事ですね。


反響次第ですが、今回掲載した写真の方の経緯を気の向いたときにアップすることにしましょうか。ちなみに、玉突きの真ん中に入ってしまった事故例です。
Posted at 2009/11/01 16:43:56 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2009年11月01日 イイね!

絶望的に埋まらない夫婦間の運転感覚

えー。昨日の夜は嫁さんと「This is it」を観に行ってきました。

感想は......、「何でもっとあいつに仕事をさせなかったんだ」でした。

既に4半世紀ほど前にはあのレベルに到達していたわけですよね。で、そのころマイケルの映像を見て衝撃を受けて成人したトップダンサー達を従えて、それでも今も尚その輝きを失わず見劣りもしない動きと世界を現出してみせた50歳って。
失われた15年ほどがあったからこそ、最後期でもあれだけの放出が出来たともいえますけどね。休まず鍛錬させれば、もっと次の世界まで行っていたかもしれない、と思うと残念です。
ただ、亡くなる直前までは「ゴシップ」や「スキャンダル」に結構まみれていたマイケル・ジャクソンですが、亡くなった直後からは何故か「良い人」一辺倒の報道姿勢に何故か笑えてくる不謹慎な私ではあります。

やー、でもあの人ってば超一流のエンターテイナーでしたね。だからこそ余計に「何でもっと働かせなかったんだ」と悔やまれる訳です。


まあ、それはともかく、上映は夜10時からです。もちろんそんな時間では、私は当然飲んでます。つまり運転手はあなた(嫁さん)で、お客は僕だ、状態。嫁さんは飲めないので。

いつも不思議に思うんですが、例の通販系の損保って決まり文句で「保険料は乗った分だけ」て言うじゃあないですか。本当に「距離を乗らない人」は保険料を安くしてもいい程の事故率の低さが確認できているのだろうか?と疑問でなりません。

とにかく横で見ているとたどたどしいんですよ、嫁の運転って。バックで駐車レーンに入れるにしてもバックモニターが付いている(付けてある)にもかかわらず「この辺でいいかねえ」と聞いてくるし。これで大丈夫とか言いながら降りてみると盛大に斜めになってるし。何でバックミラーで左右の駐車線を確認しながらバックしないんだ?と聞くと「線が見えない」と文句を言う。あんた、線を見ようとしていないだけだろ、それって。
で、それを言うと「何でもっと優しく言ってくれないよ!」と怒られる。うーん、反応して欲しい所はそこじゃあないんだけどなあ。なんだか泣けてくることしきりです。

脊髄反射で運転しているだけで、前後の判断は無いんですよね。結局。
なんか妙に嫁にしては飛ばしてるなあ、と思ってるとカーブの途中で盛大にブレーキを踏んだりしてますし。そのくせハンドルは片手保持のままとかね。一つ一つの動きがバラバラなくせに、それを注意すると「私は褒められる方が伸びる」とか、またトンチンカンな反論をする。もう少し考えて運転せいっちゅうーに。

それでも車通りの少ない所を走っているせいか、もちろん取り締まられたことも無くゴールド免許なんですよね。ちなみに私はブルーですが。


以前は、私の取り扱っている損保も年間走行距離による割引区分を設けてはいました。ただ、走行距離の確認が取りづらく(電話での継続確認が多いため)、契約区分と実際の走行距離との過走行分の取り扱いで揉めたり(事故修理の際には走行メーターの確認もされるため)とか、また走行距離と事故率との相関関係がはっきりと区分しづらいこともあり、止めてしまったんですね。あれ。
厳密にやるんなら、選挙区区分並みに細かい地域に分けて、走行距離と事故発生率の相関を測んないとまずいような気はします。公道に出る機会が少なければ、もちろん事故遭遇率も低いわけですが、そもそも遭遇する率の低い地域というものあるだろうし、遭遇する率の低い地域の方が却って走行距離は伸びている可能性は高い訳で。
その辺、どうなんですかねえ。割引しても、結果、損害率が低くて経営的に問題なければいいのか?という事も思うんですがね。










Posted at 2009/11/01 13:50:33 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2009年11月01日 イイね!

ハイブリッドカーと直噴ガソリンエンジン

プリウスの発売に関しては、私はトヨペット店勤務でしたし、2代目プリウスが発売になる直前に退職してしまったので、直接身近に2代目以降を見るということはありませんでした。ただ、直噴ガソリンエンジンに関しては、その発端から周囲に与え影響と、それに振り回された周辺の状況や人間模様を見ています。

そういう立場のものからすると、ハイブリッドも直噴ガソリンエンジンと似たような経過を辿っているような気はします。ただ、世の風潮としてハイブリッドマンセーは未だに神通力が衰えていないようなので、傍観者としてそれを眺めている、というところでしょうか。

直噴ガソリンエンジンの発表は突如三菱からなされました。今から見ても勇み足かと思うタイミングでの発表です。

今までは「空気とガソリンの混合気」をシリンダーの中に入れて「圧縮→着火→燃焼→膨張」という工程を踏みますが、直噴ガソリンの場合は「空気のみ」を入れます。究極的にはこれが従来のガソリン車との違いです。ではこの空気だけを入れることで何をしたかったのか?

世間的には「成層燃焼」といわれる「ものすごくケチった、ホンのちょっとのガソリン(空燃費50:1)で燃焼状態を成立させる」から燃費が良い、となるのですが、実は成層燃焼が成立する条件はものすごく狭いので、実際の走行状態で成層燃焼の状態で走っている事などほとんどありません。

直噴のミソは、必要な燃料だけを「直接シリンダー内に噴射する」というところです。

ここでのキーワードは「ポンピングロス」。

ストローでコップの中の水を吸うときに1本で吸うよりも2本で吸う方が簡単にジュースが飲めますよね。これと同じで、従来のエンジンはあくまでも「混合気」で吸入していたので、ガソリンの量を調整するためにはストローの太さを調整するしかなかった訳です。
このため、「隣のシリンダーで得た燃焼によるエネルギーを、細いストローで一生懸命ジュース(燃料)を吸うためのエネルギーとして、さっそく使いまわしている」という事になるわけです。
これが、直噴ガソリンの場合は「吸い込むのは空気だけ」なので思いっきりバルブを開放して吸いたいだけ吸わしてあげて、後で必要な分だけガソリンを噴射してやれば良い、というシステムなんですね。「だから燃費が良い」となるわけです。

ただ、このシステムを成立させる為にはなかなか難儀なことが多いのです。

薄いガソリンであってもきちんと燃やす為にはガソリンの微粒子化が必須なのですが、粘度の低いガソリンは中々細かい霧になってくれません。このため、従来のインジェクターでは対応しきれないので超高圧のインジェクター(150気圧とかいったかな?)を使うとか、ガソリンの燃え広がりを良くする為にピストンの頭頂部にスプーンでえぐったような形状の穴を設けたり(左右対称形状ではないのでピストンの重量バランスがくずれる)とか。
はたまた、空気の量に対して燃料が少なすぎるので、かえってNOx排出量が増えるとか、酸素の量が多すぎて三元触媒がうまく働かなくなるとかのデメリットもあったりして。
まあこれらが分かっていたこともあり各社とも基礎技術を積み上げていた所だったようですが、いきなり三菱君の勇み足で引きずり込まれるように市場投入せざるを得なくなってきたという裏事情が当時はあったんですね。

ただ、当時の販売現場では大変でしたよ。

トヨタは何やってんだとかね。そのうち出す予定はあるのかとか。直噴とは何ぞやみたいな事を聞かれても答えられるセールスは居ないし。いくら説明しても理解できないし。もちろんメカニックも知らない(彼らはイジルだけだから)。

そのうち、当時のコロナプレミオで、特別仕様車(?)として確か300万円位したような気もするんだけど、「D-4バージョン」なる物を出してきましたね。恐らくそのくらいにしておかないと開発コストが回収しきれないと踏んだんでしょう。
エンジンが変わっただけではお客さんが納得しないだろうと思ったのか、何故かコロナプレミオで「本革シート」になっていました。まあ、世間的には革シートといえば高級車の代名詞的なアイテムではありますが、凝ったつくりの布シートと比べれば恐らくさして製造コストは変わりません。これで何とかノーマル車との見た目の価格差を埋めようと思ったのでしょう。ホンダなんかはよくこの手を使いますよね。ラグレイトとかさ。

ただ、これが出たおかげで技術オタクみたいな人もお店にやってくるようになって。
「三菱の直噴とトヨタの直噴は技術的にどう違うのか?」なんて聞かれても知りませんて。中には、私の高校時代の地学担当の先生もいらしてました。まあ、完全に偶然なんですが。



ただ、もう、直噴エンジンは技術的な主流からはちょっと外れた感が強いですね。それだけで主役を張れるタマではなかったというか。
それよりも「直噴エンジン」が残した技術的遺産が各方面に生かされている感が強いかな。今時のディーゼルエンジンは確実にその技術が生きていますし、i-stopなどもその遺産は使われているようですし。

ただ、悪いけど「知りもしないクセに」しかも「やたらと夢ばかり煽る」新技術として過剰報道に走る報道機関の馬鹿さ加減には、些か当時うんざりしましたね。

というところで、今回はハイブリッドカーにまで話が及びませんでした。また次回という事にさせてください。

Posted at 2009/11/01 12:56:50 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記

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「[整備] #タフト ダイハツ・タフト オーディオレス車への純正ナビ取付 https://minkara.carview.co.jp/userid/603944/car/3542135/7641092/note.aspx
何シテル?   01/14 11:39
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