h.shibataのブログ一覧

昔はずいぶん数多く存在した損害保険会社も日本社は現在東京海上日動、損保ジャパン日本興亜、MS&ADといった大手3社にほぼ統合されてしまいました。そんなご時世に統合される前と後の時期を挟んで日本興亜損保の代理店を一定期間やっていましたから「吸収された会社の社員」という直接的な立場ではありませんが「これが吸収されるということか」という光景を横目で見る機会に遭遇しました。


「代理店・車屋」の2つの立場で言うと、日本興亜損保は良い意味で脇の甘い所のある良い会社でした。保険事故に関して割と大目に見てくれるおおらかさがあったと思います。もちろん、代理店になった時期がちょうど自社商品の競争力を高めるために保険会社自身が攻めていた時期に重なったので余計に良く見えたという事もありますが、その事を差し引いても日本興亜は良い雰囲気を持つ会社でした。ところが損保ジャパンに合併された時から潮目は変わります。
単純に同業種同士で企業買収・合併をするという事は、お互いの良いところ・悪いところを学び合うという一面も確かにありますが、究極的には利益を増やすのが目的です。一緒になれば直後の規模は合算されますが、パイの合算と併せて配分数も遅かれ早かれ減らさなければ統合の旨みは出ません。当然、利益を生まない両社で重複する管理職は当然のごとく淘汰され、配置転換なり傘下企業への転籍なりという出向話も当然のごとく出ます。…ということを考えると日本興亜損保に合併して規模の論理を目指さなくてはならない理由が本当にあったのか？は正直、疑問です。あちこちの保険会社を見ている人間の目からすると、やらなくてはならない業務のスリム化は山のようにあったとは思いますが、別に合併をしなきゃ出来ない話じゃ、ないんじゃないのかな？中の人じゃないので、あんまり関係ないから良いんですが。

企業の合併・資本提携は保険会社に限った話ではなく、自動車会社間でも行われています。
スバルは軽の生産を止めた事を契機に飛躍的に利益が出せる会社になりました。これはスバル自身には決断できなかった事です。サンバーをはじめとした軽の商品群が、いくら思い入れのある商品だったとしても利益が出せないのならスバル自身が奮起して継続する理由を作り出すか、作り出せないのならば時期を見て再起できる実力を溜め込むしかありません。
スズキの場合も同様でスズキの強い部分に魅力を感じたからこそトヨタも資本提携に乗り気になったわけです。もちろんトヨタ自身がすでにダイハツを子会社としている以上、ここにスズキを加えてダイハツと競合する商品を2種類作り分ける意味は無いでしょう。部品の共用化は当然として、たとえば商品的にはジムニーやキャリーなどのオフ系・貨物系のタフな商品のみに特化してもらうとか、インドや中東におけるネームバリューとか、トヨタには二輪事業は無いよね、とか。
マツダに有ってトヨタに無いものは？と考えると技術開発とかデザインチームとかかな？もしかしたら将来的にGRシリーズをマツダ専任部門にするとか？いずれにしてもトヨタとしてマツダの規模に今までのようなフルラインナップを継続させるつもりは無いだろうな、とは思います。

ニッサンはルノーと合併することで、ニッサン自身に出来なかった工場の統廃合と大幅な人員整理・人事異動をルノーにやってもらう事が出来ました。日産に商品力やブランドイメージはあってもマネジメント能力が絶望的に無く、ルノーには強権発動能力があったということなのでしょう。
今になってニッサンはルノーから再独立したがっている様にも見えますが、仮に再独立できたとしても果たしてかつて（今も？）横行していたらしいガチガチの派閥・官僚主義的な中の空気が抜けていないようでは元の木阿弥になるような気がしますけど、どうなんですかね？