2020年09月11日
「お客様は神様です」などと実に綺麗な言葉がありますが、だからといって現実世界はギリシャ神話じゃないので購入者という立場に立ったからといって何をやっても許される甘い世界ではありません。販売者は、完全に、と言うわけにはいかないにせよ購入者の希望に出来うる限り沿った商品を提供し、購入者は販売者が受け入れた購入対価を期日までに支払う。あくまでも商売とは、そうした対等の取引です。
その前に。
保険もそうだしクルマ販売もそうなんですが、販売者の利益はあくまで成功報酬です。契約がまとまらない限り報酬は得られない。そういう仕組みです。
まあ見積作成に必要なパソコンやプリンター等の設備、証拠書類の取付経費、商品の周辺事情なども含めた情報料とかを含めた手間賃が別に貰えるのなら有難いことですが、基本そんなものが発生するという話は聞いたことがありません。大抵そういうモノは見積依頼者側の遣らずブッタクリ、というのがこの世界の慣例です。
まあそういった悲しい裏事情はともかくとして、先ずは契約意思があると覚しき方々からの「こんなのは、どうだろう」という問いの投げかけから販売者の動きは始まるのが常だろうと思います。でまあ、この問いかけが1箇所にではなく複数に亘る場合もあります。この複数への問いかけは、まあ喩えは悪いかもしれませんが、その気があったか無いかは別として、色目を使ったか否かは別にして、ぶっちゃけ二股を掛けていらっしゃる訳です。販売者側からすれば。
で、途中のスッタモンダは省略して最後にご契約なりご破断なり、という形に収まります。当然ご成婚ともなれば、その旨のご返事はされるわけですから、そっちはどうでもいい。どうでも良くないのは破談になった側です。
もちろん大人の世界のお話しですから、弁えている方はきちんと「今回はごめんね」と破談の旨を告げてこられます。もちろん金額の大きな破談の場合は販売者側の落胆も大きいですが、もう一方との分担契約にでもならない限り、そこはそれ致し方のない話です。ところが。
困ったことに、契約意思のある方(正確には『あった方』)は単に「破談」を言いたくない一心で知らんぷりを決め込む事が大変良くあります。
ダメならダメって言え、っつーのってホント思います。まあ今でも思わされることが多々あるんですが。正直コッチも仕事でやってる話ですから、さっさと言っといてもらえば傷も浅いというか期待せずに済む話なんですが、いつまでも結論を言ってこない人ってのは、もーね。どっちでも良いから
結論をハッキリ言ってくれ。そー思います。結論を言わないのはタチが悪い。大人なんですから、結論と理由を言ってくれれば、後ろ髪引かれることが無いとは言いませんが、そんな事は結論が出てしまった以上、言ったって仕方が無いことです。だからこそ相手の為にも結論はハッキリ言うべき。
中にはあんまり結論をハッキリ告げると嫌われるかも?という方もいらっしゃるかもしれませんが、そう思うなら最初から声を掛けなければ良いだけですし、もしくはハッキリと「アナタとは契約にならないかもしれないけど、ちょっと教えて」って聞けば過大なる期待を以て応えるという事もないでしょ?多分。
もしくはちょっと話を戻して相談料とか手間賃という名目で「ありがとね」って言ってちょっと包んで渡すとかさ。
いや、別にクレと言ってるわけじゃないですけどね。ただ潤滑油としては、そういうのもアリだとは思います。
話を戻しますが、販売者は誰だって良い人に見えるものです。そりゃあそうです。多かれ少なかれ買って貰えるかも?って期待が裏にありますから。でも結論を出してしまった後に、縁のなかった側には断り難いから返事をしない、というのはマナー違反です。話を掛けた側の責任として後始末もきちんとする。きちんとした後始末が好印象を残す秘訣です。
一番思い出深い断り方をした人があります。スカイラインGTS-4とマーク2のi-Fourの競合で最後はマーク2を買って頂いた方がありました。その方は契約のご署名後に「電話を貸して頂けますか?」と仰いましたので、電話線を伸ばせるだけ延ばして電話機を商談スペースまで持って行きました。そしておもむろに受話器を取り日産プリンスに電話を掛けられ、担当者を呼んで大声で開口一番
「今、静岡トヨペットの営業所でマーク2を契約しました。今回はご縁がなく、すみませんでした。また機会がありましたら、その時はよろしくお願い致します。」
いやー、あれくらい正々堂々としてもらえると、うれしいです。いやほんと。
Posted at 2020/09/11 18:35:09 | |
トラックバック(0) | 日記
2020年08月07日
以前、吉川さんと仰る自動車ジャーナリストが「セダン復権の為には」というtweetをされていました。大ざっぱにまとめると「カッコいいセダンが認知されれば」的な内容だったのですが、個人的にはちょっと違うかな、と。
個人的にもセダンはかっこいい車だ思います。もちろんクーペも。じゃあ何でかっこいい車が売れないのか?それはセダンでは利便性で、圧倒的に箱型のクルマに敵わないから。かっこよさの価値観は変わるものだから。
もちろん3ボックススタイルの静粛性は魅力的です。ですが、ミニバンスタイルの車に乗り慣れてしまうとセダンは圧倒的に不便なクルマになります。何処が?と聞かれれば「荷物が載らない」「着座位置が低い」「5人以上座れない」。
実際には荷室の天井にまで荷物を積み上げる事など無きに等しいですから荷室が足らない事などほぼ無い、と思いますが「積めそう」という幻想は大事な要素です。乗車定員5人というのも、「7人乗ることなど無きに等しい」自体だとは分かっていても、そこが割り切れない方は多いものです。「着座位置が低い・視点が低い」のはスタイルを重視しすぎて天井が低いからですね。現行レクサスLSですら1460mmです。最終型V50ビスタは1505mmもあったというのに。
ホンダのMM思想ではありませんが、天井を上げて座面位置を上げ、着座姿勢を立たせれば室内は拡がります。となれば同じ全長でも荷室は拡げられる。せっかくFRの方がスペース効率は良いということでプログレが出来たのだから、1.2の小排気量ターボだってあるのだからエンジンルームの前後長も詰め、新しいスタイル・骨格でセダンを考えるって事をしなさいよ、って思います。
こういう事を考えると思い浮かぶのが初代プリウスです。勘違いされている方が多いので困るのですが、初代プリウスはハイブリッドが目玉なのではなく、健康的なあの車体構成・パッケージングが実際の目玉でした。それをインサイトに台無しにされ今の体たらくになってしまっていました。
当時もそう思ってましたし、今の目で見ても初代プリウス(に限らずV50のビスタも)のデザインは不細工だと思いますが、あれを何とかしてもらいたい。それこそあのパッケージをイタルデザイン・ジウジアーロ辺りにスタイリングしてもらったら、どんなものが出来上がってくるのかには非常に興味があります。ダ・シルバでも良いけど。
どうせなら1500mmと言わず1600mmの背高セダンがあったって良いじゃない。健康的なパッケージが組めることは初代プリウスで実証済みなんだから、それを如何に綺麗な衣で包むか。
以前「何で斬新だと思うクルマは初代しかないのか?」的なブログを上げたことがありましたが、今にして思えば答えは簡単です。それは「斬新な初代に不具合対策(と思えるもの)を載っけていくから」。荷室が狭い、もっとスポーティに、女の子受けの良いのは今はこんな感じ、ホイールサイズは大きめに、LEDを採用してもっときらびやかに、燃費数字をもっと上げて、等々。
その実例として例えばヴィッツ。全長・全幅・全高の順に
3610mm×1660mm×1500mm
だったのが今のヤリスになると
3940mm×1695mm×1515mmと330mmも長いクルマになっています。
ちなみにVWのup!は
3610mm×1650mm×1495mm
ルノー・トゥインゴは
3645mm×1650mm×1545mm
と、初代ビッツとup!はほぼ同じ寸法のクルマです。
コンパクトカーから話をセダンに戻すと現行トヨタセダンはレクサス、クラウン、カムリに至まで全高1450mm前後に何故か揃っています。この辺りから変革をしていって欲しいものです。
Posted at 2020/08/07 12:16:54 | |
トラックバック(0) | 日記
2020年08月07日
頑丈なボディにタフなエンジン、良く出来たシート+適切な運転姿勢。トヨタ車の隠れていないベストセラーカーだけのことはある名車です。
結局トヨタで買うべきは今も昔も貨物車だなあ、と。センチュリーもレクサスもフルフレームにしたら良いのに、とか?
Posted at 2020/08/07 10:56:57 | | クルマレビュー
2020年05月04日
おかげさまで退院してから約2ヶ月経ちました。あちこちガタが出ているとは感じますが、まあ仕方がありません。不要不急の外出を控えつつ、何だかんだで忙しくさせて頂いているのは、こんなご時世ですから有難い話です。
お仕事的には保険の仕事はボチボチという感じ。皆さんの外出が減れば事故も減る。かな?新規契約となると事前の情報収集と書類作成やエラーの訂正など色々な前準備が必要になりますが、契約継続だけならさほどの手間がかかる訳ではありません。
車の方は、車検・点検は結局やってくるものだし、修理が必要な箇所は待ったなしですから、通常営業かな。結局は。
車両販売の方は、そもそもがそれほど熱心な方じゃなかったので、こちらもボチボチ。声が掛からなければ他の事をやるだけ。そもそも動く金額の割にはそれほど利益を見込んだ商売をしていないし、オークションは狙った車が出てくるかが読みにくいので、結局直接仕入れに走って納車迄のリードタイムを減らす事の方が多いかな。詰まるところ「欲しくなったら、買いたいのは今」ですからね。
一般的には車両販売はガタ落ちの様です。新車は何時入ってくるか読めないし、中古車はオークションが総崩れでまともに機能している筈が無く現場は混乱している。逆に買うなら5~6月以降じゃないかな。持ちきれなくなった在庫車が出てきた所を買うのが吉かと?
既に輸出は完全停止に近いので業者間取引は相場がガタガタです。輸出に引っ張られて価格形成してきた昨今の中古車相場は、今は圧倒的に買い手有利でしょう。もっとも在庫抱える勇気もないので引き合いがなければ静観してるだけですけど。
さて話をテレワークに。
元々、自営という営業形態がテレワークというか、私的には営業所という勤務先に通勤しない事業形態です。だから、いっそのことディーラーの営業職なんかテレワークの契約社員で良いんじゃないの?って思ってます。まあ店頭商売しか出来ていない営業にとっては死活問題でしょうけど、それなら持ち回りの店頭当番制で良い様な気がしてます。
メカニックはその場で作業する事が仕事ですけど、一般整備だけならいっそのこと巡回サービス形態を志向しても良いんじゃないの?とか思ってます。これなら待合スペースがクラスターになる可能性はゼロです。なんなら、こういう形態のメカニックを増やして同時に作業メニューの営業もするエンジニアセールスとして独立させるのも一つじゃないのかな?そうやって会社本体の負担を軽くする。工場の設備は重整備の作業場として貸し出すのも手の一つでしょう。メカニックから営業に業種転換させたスタッフをエンジニアセールスにすれば、少なくとも枯れた知識と手癖は残っている訳ですから、再転換も一つの手だとは思います。
仕事内容としては最初から行く先が決まってるならデータも揃ってるでしょうから巡回予定の車分、車検キット位の準備をして出掛ければ良いだけじゃん、と。パソコンとプリンターがあれば、その場で整備伝票も出来るし、カードリーダー持たせればその場でカード決済させれば良い。預かった現金は帰社途中のATMに入金すれば精算ミスもない。
保険の方にしたところで、事務所に行く必要はありません。必要伝達事項はメールで回せば事足りるんだし。昨今は自宅のパソコン(ただしエクスプローラーだけは何故か必須なんだけど)でほぼ仕事が整う状態です。パンフレットもPDF対応が進んでいますから、あとは探す労力を惜しまなければ良いだけの話。一部保険会社の営業課支社に問合せの必要がある保険種類はありますが、結局オンライン環境を整えれば良いだけの話。
結局、何が何でも対面じゃなければいけない、という思い込みを何処まで排除出来るか?という気はします。面と向かって話をしていても話の通じない人は居るんだし。
そんな事を言いつつ、昔は電話で済ますのではなく、何が何でもお客さんの所に行く主義でした。ただ、行って会えれば良いのですが、会えなければどうするのか?例えば個人宅などでは居てくれる保証は無いですからね。行くのも一瞬、電話するのも一瞬です。相手の都合が分からない事も多々ありますからメールはお手軽なツールです。特にショートメールやLineとか。
説明に時間を要するものはPDFを添付する事もあるし、PDFを作成するツールだって今は豊富にあります。こうした資料を自前で作ると「何処をどう説明すると分かり易くなるか」を自分の中で再確認する作業にもなるので内容はシンプルになっていきます。
「現場を持っているとテレワークは出来ない」と仰る方が居ましたが、内容によりけりじゃないのかなあ。まあ、その人にとっての話になりますから勝手な感想なのかもしれませんが。詰まるところ、やらなきゃいけないと思っていた工程を如何に省けるか?という事なのかな、と。会議もそうだし、その前に一つ所に集まらなきゃいけないという思い込みもそう。ワイガヤは無駄ではありませんが、全てが有用とも思えません。優先順位と濃度は考慮すべきです。
例えば随分前から自動車メーカーは試作車を殆ど作らなくなりました。初めてそれを聞いたときは「なんて無謀な事を」と思いましたが、衝突試験にしても最終確認はするにしても、前段階は全てシュミレーションだそうです。結局創めてみなければ分からない事は多いものです。せっかくの機会なのですから、これを機にテレワークという名に囚われない仕事内容の再組立を考えていきたいと考えています。
Posted at 2020/05/04 10:55:28 | |
トラックバック(0) | 日記
2020年02月23日
コロナではありませんが先月から1ヶ月に及ぶ入院をしています。病名は敗血症。口腔内から侵入した細菌が血中で増殖し、体内の抗体による抵抗むなしく許容量を超えてしまった(この辺りは「はたらく細胞」のイメージで勝手に想像しています)事が原因の発症です。
事の発端は先月1月13日(月)夕方からの発熱でした。翌々日の耳鼻科受診でインフルでない事は確認しましたが週末土曜日になっても発熱が収まりません。最初に行った耳鼻科では全く薬も出なかったので仕方なく別の耳鼻科で経緯と今後の相談に行った所、こういうときは漢方が良いでしょうと麻黄を処方して貰い、これで数日様子を見てくださいと言われたのは良いのですが、やはり全く熱は下がりませんでした。
2件目の耳鼻科受診の頃には発熱のパターンが「日中は熱が平熱まで下がり、日が傾くと発熱しだし、真夜中辺りにピークを迎える(記録では39.7℃が最高体温)」というサイクルを繰り返している事には気が付いていたので、週明けからは迫り来るどうしても断れない仕事を熱の下がっている日中に極力済ませ、夕方には家に戻るようにして薬を飲み、布団の中で悪寒に震えるという数日を過ごしました。
もちろん頭の中では、私が3ヶ月ごとに通院をしている浜松の中核病院があるので、そこに連絡を取って診察して貰わなきゃ、とは思っていたのですが一方で「行ったら何日で帰して貰えるのか?」という不安もあり。そんなこんなで大病院に行く前にどうしてもやっておかなければならない仕事を無理矢理済ませてやっと診察に向かえた日が1月24日(金)でした。もちろんこの日も朝7時半から大至急で残りの仕事を片付けています。
で何とか午前10時半頃診察にたどり着いたのですが。
で、結果は予想はしていたものの「即日入院」。明日からじゃダメですか?の問いに対するお医者様の回答は無情にも「今から入院です。外出はしても良いが、入院手続きを今からしてもらって、その上での外出です。外出許可願いを出してください。何時までに帰ってこれますか?今日の夜から点滴治療を始めます。」との事でした。おそるおそる「何日くらいで出られるでしょうか?」とも聞いてみたのですが、返ってきた答えは「そんなに甘い話ではない。この状態では私たちは最悪の事態も想定している。」との手厳しいものでした。
ちなみに点滴治療が始まって数日後、いくつかの苦痛を伴う検査も終えて告げられた治療内容は「抗生剤による点滴治療が4週間です」。
でまあ、色々あってなんとか血中の炎症反応やら、血液培養、その他諸々の数値も落ち着き4週間経って久しく手に刺さったチューブも全て抜けてこのたび外泊許可が下りた次第です。長かった。
ただ許可された外泊は1泊2日のみで今日夕方には病院に帰らなければいけません。で、火曜水曜に再検査。その検査結果待ちで何ごともなければ今月末に退院出来るかな?というのが今の状況です。
それはそれとして、入院中もお客様や取引先の方々から仕事のご依頼を頂いています。ありがたい事です。こちらの事情を申し上げるとお待ち頂けており感謝のしようがございません。早く通常営業に戻れる様、養生させて頂いております。
しかし、今回の外泊で久方ぶりにちょこっとだけ歩いたのですが、息が上がる上がる。寝たきりの心肺機能は劣化が早いなあ、と実感しています。
Posted at 2020/02/23 11:06:33 | |
トラックバック(0) | 日記