
“痛み”というのは、何らかのシグナルなんだ。「総帥」の言葉である。
最高速では、わずかなミスやトラブルで死亡事故に直結する。
総帥の言葉と価値観は、こういう世界から紡ぎ出されたものである。
丁度、この日(12/16)、テレビ番組では稲田大二郎師のクラッシュシーンが放映されていた。
映像は2003年に参加したシルバーステイツでの大事故。
この事故は344km/hで左リアタイヤが破裂し、240km/hまで減速するものの、その後スピンして道路外に投げ出されたというものだ。
この際に10回転もしたことから、彼の生死が心配されたものの、持ち前の不死身ぶりを発揮し、大事故にもかかわらず、打撲とムチ打ちのみで無事生還した(しかも事故現場で仁王立ちできたほど)。
参考サイト
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%B2%E7%94%B0%E5%A4%A7%E4%BA%8C%E9%83%8E
ちなみに、ウィキぺディアでは寄付を募っているようなので、「アレはイイ」と思っている方は是非。(利用させて頂いたのだから、その・・・マナーとして 汗)
あと、番組中で(やはり)稲田師は「遺書」について語っていた。
高高速を追い求める人は、遺書をよく書くのが普通であろう。
「総帥」も、「遺書や遺影はよく更新しているが、ね」と語っている。
それと、「家族は逃げてった~」、「高高速に没頭するから家庭がうまくいっていない」とか、
そういうコトまで詳しく書くべきじゃありません。
さて、
(以下は完全にフィクションであるため、実在の人物・団体等とは一切関係ありません)
妻の父の名を言われたとき、
もう私の頭は、正常に高速回転し始めていて、彼の認識を一気に追い越した。
同時に、
ついさっき、あのポルシェを追い抜かそうとしたときに、フッと頭をよぎった想いが、また思い出された。
今度は、情熱とか想いとかじゃなくて、現実の情報として。
しかもその「現実の情報」は、たった今、突然降って湧いたようなものでもない。
ずっと私自身が、頭の奥底で推測していたことに他ならない。
ずっと感じていたことに他ならない。
少しの間、忘れていただけだ。
いや、麻痺していただけだ。
高高速の効果による視野の狭窄が、脳髄にまで生じていたことの結果として、常人であれば見えているはずのものが、完全に見えていなかった。
いや、意図的に、その情報同士を結びつけることを避けていたのかもしれない。
そして、私に起こった全現象を思い起こして、全身に寒気が走った。
にも関わらず、この男は喋り続ける。
そうだろうな!
私が店の中に注目したり、
私が店の中に入っていったりしないように、ずっと喋りかけてるんだもんな。
もうすぐアンタに命じられたあいつらが、シャンパン持って出てくんだろ?
サプライズとか言って。
今、俺はそれどころじゃない。
「あの人、たしか故郷の秋田の方に戻って、チェイサーのドリフト師になってたんですよね。
誰に売ったんです?
あのチェイサー?
あと、
あのポルシェ?
やっぱ凄い奴だったなー。
車線なんかまーったく無視で、路肩も壁ギリギリまで平気で使ってぇー♪
究極のアウトインアウトとは、ストレートのことであるぅー♪
みたいなぁ♪
イカレた走り方ぁ♪」
このときになると私は、口がもはや動かない。
認識による衝撃が大きすぎて、絶句したままだった。
にも関わらず、この男は喋り続ける。
そうだろうな!
シャンパンの調達を命じられたノンビリ屋たちが出てくるまでは、ずっと喋り続けている気なんだろ?
「300km/h域であのライン使うなんて、もう頭イッてるっしょー♪
あんな頭イッた人、かつての湾岸線の帝王以外にいたんっすねーぇ♪
クローンか何かですかねぇー?
どーしましたぁー?
総帥ぃー?」
やっとの思いで動いた私の口は、ヒステリックに叫んだ!
「お化けが出たんだ!」
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環八(環状) | 日記
Posted at
2009/12/18 05:29:07