
「車での走りの世界」は、レベルが・技術が、上がれば上がるほど、ドライバーの重要性は低下していくものだと思っています。
と、いうことは・・・このブログの存在も、「車での走り」という世界の前には、所詮その程度のもの・・・、と。
ええ。そうですとも。
コレは所詮「その程度」に帰してしまうモノなのですとも。
こういう話の続き。
北島選手の価値観では、「選手絶対論者」なのだと思いますが、
「車での走りの世界」となると、
「ある一定以上のレベルにいくと、ほとんどマシンの世界」・「マシンの戦闘力がメインとなる勝負」だと思っています。
だから、「ドライバーの要素」は、レベルが上がれば上がるほど、その「相対性」「勝敗決定力」としての要素は希薄になっていくのではないか・・・と。
言い方をもっと平易にするなら、
「彼は世界一のランエボ使いだ」
と言われて、
「ランエボが凄いんじゃない!ドライバーは俺だ!」
と言って怒るヒトは誰もいないんじゃないか、と。
だからといって、「自動車に関わる奴らはプライドが無い!!」
とは言わせないでしょう。
「このランエボの実力を、110%引き出せるのは、オイラだけだ」
(厚かましくも)トップレベルのドライバーの心境を代弁するなら、こうでしょう。
110パーセントと書いたのはワザとで、
「ロボット」は、100%までしか出せないだろう・・・と。
それにしても「クルマ」というのは、実に実に、キャラクター性が強い。
すぐに思いつくだけでも、
ランサー、インプレッサ、GT-Rなどなど。
ホント・・・。
オリンピックを見て、つくづく思うのは、
「自動車での走りほど、道具のキャラクター性が強い競技は、皆無だな」というコト。
きっと、コレは、自動車というモノが、
「選手以外、日常の人間生活に使われている」ことから生ずる「共感」が原因なのではないかな?
と。
でもでも、
一言、
言っておきたいのは、
「車での走り」という、
「当代の世界」の前には、
確かに、
このブログは所詮「その程度」に帰してしまうモノなのですとも。
しかし、
手を変え品を変え、
繰り返し繰り返し、
永遠の探求を継続する「走りの歴史」、
なおかつ、
その時代の文明の利器を必死で使いこなそうとしながら、
究極的には生命以上の価値としての「究極の走り」を求めてゆこうとする魂という点においては、
このブログも「崇高な価値」に資する可能性を持ってはいるかな? と。
少しだけ、自画自賛。
(だから、出来るだけ、今の時代の「街道」・「技術」の話に極力触れていたい、と。)
さて、
前回のブログでは『鉄子の旅』の話を借りつつ、トンネルの話に触れた。
『鉄子の旅』の話は、また次回以降、触れることになるわけだが、
忘れないうちに「重要事項」を。
それは、
極端な話として、
「峠の決闘」中にどういった大事故が、トンネルを巡って起きやすいのか、
という話。(実のところ「決闘中」というより「バトル中」・「ケンカ中」と言った方が正確。)
決闘。
決闘・・・、
「この業界」でそれは「バトル」と呼ぶのが一般的なわけだが、
一般的な峠(一般道)のバトル(個人戦)では、
「抜きつ抜かれつ」は現実的でない。速力拮抗している場合、追い抜きは困難。
現実的には、先行車が速ければ、チギる・チギられるという状態で、幕。
(また、峠族同士の「チーム決闘」の場合、
対向車対策に、道路を占拠・閉鎖することが多かったと言われるが、
今回のブログではその話は捨象)
ということは、
「追い越し」が出来れば、「相当な速さの差を示せる」、というのは自明だろう。
そうした中で、
峠で、
トンネルは、「追い越し可能なポイント」である。
しかし、
トンネル、
トンネルが∧形構造であることが、最大の問題点。
そう!!!!!!
対向車との正面衝突。
対向車が見えないのだ。
「トンネルの地平線」の影に隠れて。
馬鹿馬鹿しい話に聞こえるだろう。
「そんな直線で、ぶつかるなんてアホな話!」
が、少し考えてみて欲しい。
対向車が峠族でなかったとしても、こういう場所では、100km/hくらい出ていることはザラだ。
では、決闘中の二人が、
150km/hであったらどうだろう?
相対速度は250km/h。
対向車の存在を察知してから、瞬時で回避判断が出来ればいいが、
並んだ2台の、
双方焦って、
双方がブレーキングしてしまったらどうだろう?
その、一瞬で、「充分」である。
ただ、実際問題として、こういう大事故は、決闘中(「正式な決闘」・「最速王決定戦」)の最中には、殆んど起きないと言われている。
「○月○日○○時○○分、スタート、条件は・・・」
と、
予め決闘日時・決闘条件が詳細に話し合われており、
双方共に、
十二分の決闘準備を整えた上で「最速王」を決定しよう、
といったような場合、この種のリスクは皆無だとされている。
こういう決闘の場合、双方が相当な技量を有しており、かつ、そのコースを100本以上走り込んでいる場合が多いからだ。
では、どういう場合に?
それは「ケンカ」が勃発した場合だとされる。
ケンカ・・・事前の打ち合わせの類は一切無く、突発的に発生するバトル。特に昼でも発生する場合があり得る。
しかも、「ケンカ」で最も危険だとされるのが、昼間。
峠の場合、ライトが対向車の接近をすぐに感知する手がかりとなる。
しかも、暗いトンネルの場合、反対側から入ってくる時点でライトの光が見えている。
しかし、昼間。
全ての車がライトを点けているとは限らない。
しかも、
照明が設置されているトンネルだったら。
(昼間、急にトンネルに入ると視力が殆んど有効でない)
昼間の峠、
照明のあるトンネル、
通行車はライトを点けていない、
直情的なヒト×二名、
ケンカ中、
双方の車両性能が拮抗している、
といった条件が揃っていようものなら・・・。