この記事は、
大地震について書いています。
昨日付のブログにも、
気象操作が兵器で~、とか、
気象操作の類型~、とか、
そういったことを書いてきて(近日中は、気象操作の話ですね)、
思い立つ。
「現在の国際法では、どうなっているのか?」と。
(※国際法=条約+慣習。
最近、「国際法なんて、あんな紳士協定は、全く意味ないさ」と言われることが多いが、
事実、国際法上合法であるものは、堂々と行われ、国際法上違法てあるものは、コソコソ行われるか、合法だ、と無理やりにでも理屈付けが行われるので、
「道義的な話を考える上で、かなり目安にはなる」、と、
国際法に関しては門外漢のブログ主も、考えている)
「現在の国際法では、どうなっているのか?」と。
考えて、『条約集』をめくってみた。
「そもそも、気象操作ってコトは、国際法上の違法行為であるのか?」
「気象操作兵器の使用は、OKなのか?」
「私のブログで紹介した、『日本沈没』の漫画版では、
(日本沈没から逃れるために、気象操作をやりたくて仕方ないが、)我慢するのに必死だった、
タバコのポイ捨ては許されない、
と、
気象操作作戦の実行=国際法上の違法行為
としている向きが強かったが、
アレは、本当にそうなのか?」
という数々の疑問。
そこで、目に留まったのが、
「環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約」
(「環境改変技術敵対的使用禁止条約」)。
採択1967年12月10日(国連第31総会)
署名開放1977年5月18日(ジュネーヴ)
効力発生1978年10月5日
日本国1982年6月4日国会承認、加入決定、6月9日加入書寄託、公布、発行
↑三省堂『解説 条約集』2004年 より。
まず、
忘れずに書いておきますのが、
この条約に、
日本は、加盟してます。上記にあるように。
アメリカ、加入してます。
ロシア、加入しています。
中華人民共和国、加入していません。
(手元の条約集が古いので(2004年)、確定的なことは言えませんが、
少なくとも、手元の条約集では、中華人民共和国の欄に、○がありませんでした。
(直接加盟していなくとも、大多数の国で有効であれば、「加盟していないから適用除外」とはならないのが国際法の特徴なので、何とも言えませんが、
少なくとも、2004年時点で加盟はしてないみたいです))
まあ・・・この際、批准しているの、いないの、ってのは、置いといて考えましょう。
「そもそも、気象操作ってコトは、国際法上の違法行為であるのか?」
⇒「環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約」
第3条1項 この条約は、環境改変技術の平和的目的のための使用を妨げるものではなく、また、環境改変技術の平和的目的のための使用に関し一般的に認められた国際法の諸原則及び適用のある国際法の諸規則を害するものではない。
↑
「気象操作」自体は、「戦争目的でなければ、OK」なんですね。
ってことは、昨日のブログの、
「タバコの葉をヒョウ(雹)から守るために気象庁は意図的に天気をコントール」
「雨を降らせたくない場所には雨が降らないっと言うわけなんです。北京オリンピックの開会式など」
ってのも、「禁止行為」ではないようで、
だからして、「ヨウ化銀ロケット」なんてのも、
「禁止されたモノ(ご禁制の品物)」というわけでもないようですね。
「気象操作兵器の使用は、OKなのか?」
⇒「環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約」
第1条1項 締約国は、破壊、損害又は傷害を引き起こす手段として広範な、長期的な又は深刻な効果をもたらすような環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用を他の締約国に対して行わないことを約束する。
↑
「軍事的使用その他の敵対的使用」は、禁止される、
・・・「敵対的使用の禁止」ってわけで、ここに、「気象操作作戦が、戦闘手段として行われることは、禁止する」ってことです。
あとコレが、「宣戦布告がなければ、許容される戦い方か?」ということに関しても、ダメでしょう、それは、ということ。
「軍事的使用その他の敵対的使用」として、包括的に書かれているので、「公式に戦争状態でない」からといって、気象操作兵器(環境改変)を使用してもよい、
という「抜け穴」はない。
「漫画版『日本沈没』のように、日本沈没から逃れるために、気象操作をやった、コレはOKか?」
⇒第3条1項 この条約は、環境改変技術の平和的目的のための使用を妨げるものではなく・・・
↑
つまり、ああいうケースではOKとなろうが、
あのマンガの場合、「国土を失った日本人は、すべて、異国の地で生活する。外国政府に受け入れて頂く」という、極めて特殊な条件が加味されていることを考えると、「不自然な設定」ではない。
ただ、国際法上、「ルール違反」「タバコのポイ捨て」とは言えないだろう。
・・・で、
今日の記事で、私が特に強調したいことは、以下の三点。
①「環境改変技術」と、極めて包括的な書き方がされている、
ということ。
(「環境改変技術」とは、自然の作用を意図的に操作することにより地球(生物相、岩石圏、水圏及び気圏を含む。)又は宇宙空間の構造、組成又は運動に変更を加える技術をいう)
このブログでは、「気象操作兵器」「気象操作作戦」と、「気象操作」と言っている。
このブログの目線でも、
「気象操作」=自然の作用を意図的に操作することにより運動に変更を加える、
つまり、「運動に変更を加える」という部分にしか目線がいっていない。
条約の方が、視野が広い。
(「そりゃー、そうだ。
アンタの頭は基本的に走り屋で、
アンタの頭のほとんどは、クルマの姿勢制御のコト・・・
つまり・・・「運動に変更を加える」コトばっかり考えているから、
構造とか、組成みたいなコトは、アナタの目には見えないし、アンタの頭にも入力されないのさ、
という指摘を受けないでもない。
(条約の条文から、そう言われたような気分である))
②「環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約」
の採択は、1967年12月10日(国連第31総会)。
ずいぶん昔のことだ。
この時点ですでに、
「国連が・・・、あの・・・、動きがトロい国連が、こんな昔の時点で、環境改変技術の軍事的利用」
なんていうのを提示している、という事実と、
「あの・・・、動きがトロい国連」よりもずーーーーーーーーーーっと事実認識の遅い我々の認識力である。
③非軍事的な使用を規制する条約が見当たらない
勿論のこと、「環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約」は、アメリカとソ連の大反対の結果として、
「軍事的使用その他の敵対的使用の禁止」に留められたのであろうが、
年代が進んで、現在、
「では、敵対的使用ではない、故意の、環境改変技術の使用は、全く、歯止めが効かないのか?」
という疑問が生じてくる。
勿論、今、「気候変動枠組条約」とか、そういった話は、ずいぶんと出ているが、
それらは、「公害対策」みたいな傾向が強いようで、
「敵対的使用ではない、故意の、環境改変技術の使用」
を制限する条約とか、ないのか???
そう思って条約集をめくって探してみるも・・・見当たらない・・・汗。
そういうことだから、
中華人民共和国がこの種の「作戦」を半ば堂々と使用・それを誇示している帰来があるのか・・・、という。
(事実、国際法上合法であるものは、堂々と行われ、国際法上違法てあるものは、コソコソ行われるか、合法だ、と無理やりにでも理屈付けが行われるので、
「道義的な話を考える上で、かなり目安にはなる」、と、
国際法に関しては門外漢のブログ主も、考えているので。)
あと、今日のトラバ元の人のページのコメントのやり取りで、
「非現実的ですけど(笑」
「オカルトSF小説のネタには丁度良いカモ知れないね(笑
でも相手が中国だけに…有り得なくもない?
…この時点で既にオカルトだwww」
とありますが、
1967年時点で、国連は、そうは(オカルトだとは)考えていなかったようです、
という指摘は付け加えておきたいかな、
と。
末尾に、
http://www1.doshisha.ac.jp/~karai/intlaw/docs/enmod.htm
から、
「環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約」の全文を引用しておきます。
( [ ] 内は、手持ちの条約集の見出しを付け加えました)
Wikipediaでは、未編集でした。
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E7%92%B0%E5%A2%83%E6%94%B9%E5%A4%89%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%81%AE%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E7%9A%84%E4%BD%BF%E7%94%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96%E3%81%AE%E6%95%B5%E5%AF%BE%E7%9A%84%E4%BD%BF%E7%94%A8%E3%81%AE%E7%A6%81%E6%AD%A2%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%9D%A1%E7%B4%84&action=edit&redlink=1
環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約
この条約の締約国は、
平和を強化することの利益に導かれ、軍備競争を停止すること、厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小を達成すること及び新たな戦争手段の使用のもたらす危険から人類を守ることに貢献することを希望し、
軍備縮小の分野において更にとるべき措置に関し効果的な進展を図るため交渉を継続することを決意し、
科学及び技術の進歩が新たな環境改変の可能性をもたらすことを認識し、
千九百七十二年六月十六日にストックホルムで採択された国際連合人間環境会議の宣言を想起し、
環境改変技術の平和的目的のための使用が、人間と自然との関係を改善し得ること並びに現在及び将来の世代のための環境の保全及び改善に貢献し得ることを認め、
他方、環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用が人類の福祉に極めて有害な影響を与えるおそれのあることを認識し、
環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用が人類にもたらす危険を無くすため環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用を効果的に禁止することを希望し、この目的の達成のために努力するとの締約国の意思を確認し、
国際連合憲章の目的及び原則に従つて諸国間の信頼の強化及び国際関係の一層の改善に貢献することを希望して、
次のとおり協定した。
第一条 [敵対的使用の禁止]
1 締約国は、破壊、損害又は傷害を引き起こす手段として広範な、長期的な又は深刻な効果をもたらすような環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用を他の締約国に対して行わないことを約束する。
2 締約国は、1の規定に違反する行為につき、いかなる国、国の集団又は国際機関に対しても、援助、奨励又は勧誘を行わないことを約束する。
第二条 [定義]
前条にいう「環境改変技術」とは、自然の作用を意図的に操作することにより地球(生物相、岩石圏、水圏及び気圏を含む。)又は宇宙空間の構造、組成又は運動に変更を加える技術をいう。
第三条 [平和的使用]
1 この条約は、環境改変技術の平和的目的のための使用を妨げるものではなく、また、環境改変技術の平和的目的のための使用に関し一般的に認められた国際法の諸原則及び適用のある国際法の諸規則を害するものではない。
2 締約国は、環境改変技術の平和的目的のための使用に関する科学的及び技術的情報を可能な最大限度まで交換することを容易にすることを約束し、また、その交換に参加する権利を有する。締約国は、可能なときは、単独で又は他の国若しくは国際機関と共同して、世界の開発途上地域の必要に妥当な考慮を払つて、環境の保全、改善及び平和的利用に関する経済的及び科学的国際協力に貢献する。
第四条 [禁止・防止の措置]
締約国は、自国の憲法上の手続に従い、その管轄又は管理の下にあるいかなる場所においても、この条約に違反する行為を禁止し及び防止するために必要と認める措置をとることを約束する。
第五条 [協議・協力、苦情申し立て]
1 締約国は、この条約の目的に関連して生ずる問題又はこの条約の適用に際して生ずる問題の解決に当たつて相互に協議し及び協力することを約束する。この条の規定に基づく協議及び協力は、国際連合の枠内で及び国際連合憲章に従つて、適当な国際的手続により行うことができる。この国際的手続には、適当な国際機関及び2に規定する専門家協議委員会による作業を含めることができる。
2 1の規定の適用上、寄託者は、締約国から要請を受けた後一箇月以内に専門家協議委員会を招集する。いずれの締約国も、同委員会の委員として一人の専門家を任命することができる。同委員会の任務及び手続規則については、この条約の不可分の一部を成す附属書に定める。同委員会は、その作業中に得たすべての見解及び情報を織り込んだ事実認定の概要を寄託者に送付する。寄託者は、この概要をすべての締約国に配布する。
3 締約国は、他の締約国がこの条約に基づく義務に違反していると信ずるに足りる理由があるときは、国際連合安全保障理事会に苦情を申し立てることができる。苦情の申立てには、すべての関連情報及びその申立ての妥当性を裏付けるすべての証拠を含めるものとする。
4 締約国は、安全保障理事会がその受理した苦情の申立てに基づき国際連合憲章に従つて行う調査に対し協力することを約束する。同理事会は、この調査の結果を締約国に通知する。
5 締約国は、この条約の違反によりいずれかの締約国が被害を受けたと又は被害を受けるおそれがあると安全保障理事会が決定する場合には、援助又は支援を要請する当該いずれかの締約国に対し国際連合憲章に従つて援助又は支援を行うことを約束する。
第六条 [改正]
1 いずれの締約国も、この条約の改正を提案することができる。改正案は、寄託者に提出するものとし、寄託者は、これをすべての締約国に速やかに送付する。
2 改正は、締約国の過半数が改正の受諾書を寄託者に寄託した時に、改正を受諾した締約国について効力を生ずる。その後は、改正は、改正の受諾書を寄託する他のいずれの締約国についても、その寄託の日に効力を生ずる。
第七条 [有効期間]
この条約の有効期間は、無期限とする。
第八条 [検討の会議]
1 寄託者は、この条約の効力発生の五年後に、スイスのジュネーヴに締約国の会議を招集する。この会議は、この条約の目的の実現及び規定の遵守を確保するため、この条約の運用を検討するものとし、特に、環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の危険を無くす上で第一条1の規定が実効的であるかないかを審議する。
2 その後は、締約国の過半数の寄託者に対する提案に基づき、五年以上の間隔を置いて1に規定する会議と同様の目的を有する会議を招集する。
3 前回の締約国の会議の終了の日から十年以内に2の規定による会議の招集がされなかつた場合には、寄託者は、会議の招集に関してすべての締約国の意見を求める。少なくとも締約国の三分の一又は十の締約国が賛成する場合には、寄託者は、会議を招集するため速やかに措置をとる。
第九条 [署名、批准、加入、効力発生]
1 この条約は、署名のためにすべての国に開放される。3の規定に基づくこの条約の効力発生前にこの条約に署名しなかつた国は、いつでもこの条約に加入することができる。
2 この条約は、署名国によつて批准されなければならない。批准書及び加入書は、国際連合事務総長に寄託する。
3 この条約は、2の規定により二十の国の政府が批准書を寄託した時に効力を生ずる。
4 この条約は、その効力発生の後に批准書又は加入書を寄託する国については、その批准書又は加入書の寄託の日に効力を生ずる。
5 寄託者は、すべての署名国及び加入国に対し、署名の日、批准書又は加入書の寄託の日、この条約及びその改正の効力発生の日並びに他の通知の受領を速やかに通報する。
6 この条約は、寄託者が国際連合憲章第百二条の規定により登録する。
第十条 [成文及び寄託]
この条約は、英語、アラビア語、中国語、フランス語、ロシア語及びスペイン語をひとしく正文とするものとし、国際連合事務総長に寄託する。同事務総長は、この条約の認証謄本を署名国及び加入国の政府に送付する。
以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けて、千九百七十七年五月十八日にジュネーヴで署名のために開放されたこの条約に署名した。
附属書 専門家協議委員会
1 専門家協議委員会は、その招集を要請する締約国が第五条1の規定に基づき提起する問題に関し、適当な事実認定を行い及び専門的な見解を提供する。
2 専門家協議委員会の作業は、1に定める任務を遂行することのできるような方法で実施する。同委員会は、作業の実施に係る手続問題について、可能なときは意見の一致により、又は出席しかつ投票する専門家の過半数により決定する。実質問題については、投票は行わない。
3 寄託者又はその代理人は、専門家協議委員会の議長を務める。
4 各専門家は、専門家協議委員会の会合において一人以上の顧問の補佐を受けることができる。
5 各専門家は、専門家協議委員会の作業の遂行のために有益であると認める情報及び援助を同委員会の議長を通じて国及び国際機関に要請する権利を有する。
この記事は、
今日のあやしげな言葉「ケム・トレイル」について書いています。