「会社という言葉をつくったのは福沢諭吉といわれる。会所(人々の集まる場所)と社中(組合・結社の仲間)を組み合わせて造語した。語源はイタリア語で「パンを分け合う人々」を意味するカンパーニャ。まさに共同体にほかならない。福沢諭吉が会社という言葉に埋め込んだ共同体意識は、二十一世紀の今も脈々と受け継がれているのだ。
もちろん会社はパンを分け合うだけの仲良しクラブではない。・・・」(日本経済新聞社『会社とは何か』2006年p1)
↑今日の画像は、総会の会場。都内の某有名ホテル。
今日もまた観に行った・・・。株主総会・・・汗。
いや、まあ、今日もまたまた、株主総会に行きましてね。
自動車メーカーじゃないです。某、大手鉄鋼メーカーを支配する、持ち株会社です。
でも、まあ・・・、世の中、ホントつながってますね。
ココも、株主質問の最後の方で、「カーボン車体」!
「また出てきたか、カーボン車体論」。笑。
でもでも、それよりも何よりも、
開会いきなりのサプライズ・・・。「丹羽さん」が・・・汗。詳しくは後述。
(「丹羽さん」・・・丹羽宇一郎。この会社の社外取締役であった)
いや・・・にしても・・・、凄い総会でした。やっぱり一番凄いのは、株主質問。
(ココは自動車メーカーではないんで、質疑応答の全部を記述することはしませんが)
質問に立った株主は、8人。
で、論点・分野としては、
●原料調達論、
●鉱炉の扱いに関すること、
●CSR(企業の社会的責任論)、
●子会社に関すること、
●未来に向けた開発について
要約すればこういう論点で、これら全ての問いかけが、
「会社の範囲」に関するものを根源としている。
「会社の範囲」・・・・「どこまでを会社とみなしているのか?」
「仲間として連帯する範囲」、
「絆」
・・・このブログの用語でいうなら、「族」。
(できることなら、「会社の範囲」について、「伊丹先生」(注)の「学者としての見解」を率直に聞きたい気がしている。役員としてではなく、学者としての、見解の方を。
(注)「伊丹先生」・・・伊丹敬之。経営学者(たぶん。経済学者とか商学者かも)。
日本的経営や日本の資本主義に関する理論家。
この会社の社外取締役に就任し、この議場におられた)
それぞれについて。
「原料調達論」については、
「調達畑」を歩んでこられた業界OBの方が、「資源メジャー」による資源囲い込みの歴史を指摘。これは民族の存続に関わる問題で、故に日本企業群独自での調査・資源確保が必要と訴える。しかし、そのために必要な「調査室」をかつて「仕分け(廃止)」したことを糾弾。結果として、経営陣の資源に対する認識が甘くなっており、九割方インチキな情報を提供してくる「調査会社」の殆んどインチキ情報を鵜呑みにしているわけだからぁ、あなた方、しっかり体制を復活・構築しなさい!
「鉱炉の扱いに関すること」については、
鉱炉技師の方が、先般の、ブローオフパイプ破損による、コークス800t流出、火災事故を指摘。これは、メンテナンス費用と人員が「仕分け」されていて、充分なメンテとノウハウの形成に支障を来たしており、それがトラブル増加を招いており、さらに、トラブルを挽回しようとして過剰操業に陥る結果、炉そのものの大事故に至るという悪循環を指摘。「節約」のつもりがとんでもない大損を発生させる環境が出来ているのではないか?
と指弾。
CSR(企業の社会的責任論)に関しては、
とかく、「労働問題」(偽装請負問題、精神疾患者多発に関する問題)に関するものが複数の方から、多々。
また、子会社についても、色々と・・・。
とかく、
「CSR(企業の社会的責任論)」と「子会社」が絡んだ話は、もはや・・・「公民権運動」と全く同じ論理構造(注)です。
((注)「公民権運動」と全く同じ論理構造・・・「公民権運動」は、白人が持つ建前・権利を黒人にも拡大しろというもの。「ええ。その建前、実にすばらしい。その建前には大賛成だ。だが、俺達黒人はその建前・権利が適用されない。俺達黒人にも白人が持つ建前・権利を適用しろ!」というアメリカの歴史の、アレのことです)
つまり・・・、
「不当労働行為は、子会社で行われた!
親会社のあなた方は、企業の社会的責任と法令順守、・・・株主の皆様をはじめとするすべての利害関係者にとっての企業価値を最大化すると、高々に掲げておられる。
ええ。結構。実に結構。何の異論もない。
でも、不当労働行為・法令違反は、子会社で行われたんですよ!
(趣旨としては、親会社が掲げる上記建前を、現場・子会社にも適応しろ!という話)」
対する社長の回答が、
「独立した会社ですので、そこにおいての法律関係。また、ご指摘のよう無違法行為であるとは現時点では認識しておりません。ここで解決できないのは残念ですが、事実関係は裁判にて」と、如何にも、「経営者らしい」ご回答。
だが、この5番目?の質問者の方の存在そのものが凄かった 笑(笑い事ではない)。
「私は、子会社で働いており、不当労働行為(たぶん、雇い止めか派遣切りと言っていた気が)に遭い、訴訟原告となっている●●です!」
と。
(でえーーーーー驚。訴訟の原告その人が入ってきて、総会で、株主として経営陣を指弾しているーーー汗)
(ホテルの前で、子会社の労組が訴えていたけど、この件か?
にしても、株主総会で、株主・会社オーナー・昔流にいえば資本家の立場から経営陣を指弾しようとは、時代も変わったもんだ。
しかし・・・昔流の論理的には、コレは全く正当なのだ。
会社のオーナーが株主で、その意のままに動くのが経営者。
オーナーの気に入らないことを行う経営者を指弾するのは、オーナーの権利なのだ!)
まあ・・・「子会社に関すること」は、色々ありました。
にしても、我々はクルマから離れられない。
ラストの株主質問は、
「これからは、車体も、鉄板に変わってカーボン素材など、出てきてます!炭素繊維のようなものも、開発しないのですか?」というもの。
↑
うわっ。三菱自工に続いて、ここでもカーボン車体かよ。
我々はクルマから離れられない。
それにしても、今、興味深くなって、観に行っているもの・・・株主総会。
ここで質問に立つ「弁士???」の方々の知識たるや、もうもう凄いもので・・・汗。
私が、あの質問に立つだけの「資格」(知識に限定しただけでも)があるのは、三菱自動車工業だけかな?ココでは、業界予備知識が少なすぎる。株主諸氏の業界知識の凄さに、萎縮してしまう。
(コレは内心的な話だが、クルマでの走りにしても、あの世代の方々がやってきた過激さにはかなわない。どんなことでも、あの世代を超えるには、あの世代より早い年齢で、同じだけのレベルに到達せねばならない・・・汗)
また、今日の総会を総じてのインプレッションは・・・、
「もしも、マルクスのような学者がココにいたなら、おそらく、総会万能主義を提唱したのではないだろうか?
個人株主権を最強化させ、一株一議決権ではなく、一人一議決権にしよう!という。
おそらく、あの学者の思考回路なら、そう考えたはずだ。
この総会で発言した株主と、この議場の空気からいうと、そうなる。
19世紀イギリスの資本主義を見たマルクスは、資本家を徹底否定したが、
もしも、2010年日本の株主総会を見たのなら、個人資本家の影響力を徹底強化しにかかることだろう」と。
私の頭には、そんな思いが浮かんできた。
ともかく、えーーー、株主総会については、また明日のブログにも書きましょ。
さて、
あの丹羽さんが、駐中国大使になったんですね。
し・・・知らなかった。
「あの丹羽さん」(注)が・・・・、中共政府と渡り合う日本の代表???
マジで?
冗談でしょ?
(注)「あの丹羽さん」・・・「丹羽宇一郎」・・・丹羽さんの名言・迷言録。
①「前年の所得によって税金が引かれることです。私はこれを知りませんでした」
②「中国が躍進してきているとはいっても、GDPはいまだ日本の三分の一以下です(丹羽・御手洗平成18年p220)」
③必殺オヤジギャグ→「痛んだのはワイフの財布」
丹羽宇一郎・御手洗富士夫『会社は誰のために』平成18年 文藝春秋 より。
・・・駐中国大使が、「あの丹羽さん」?
マジで?「あの」丹羽さんが。
マジ?冗談でしょ?
(冗談じゃありませんでした)
それにしても、
今日6/28から「有料道路一部無料化」が行われるとのこと。
八王子バイパス 打越~ 相原 5kmもその対象。
「御殿山料金所」も撤去されているのだろうか。
御殿山といえば・・・「御殿峠」。
また、山岳地が市街地化した場合、
「峠」とは呼ばれなくなる。
人々は、坂をひとつひとつ数え、それぞれの坂に名を付けるようになる。
峠が坂へと解体されるときである。
https://minkara.carview.co.jp/userid/607203/blog/17212987/
より。
それにしても、テレビでこの区間、報道されてました。
「日付変更を待って並ぶトラックの列」。
トラックねぇ。
「永田センセイ」はいないのだろうか?
画面を見るも、それらしいチューニングカーは見当たらず。
残念。
ああ・・・。
「永田センセイ」は、「無料化ダッシュ」なんてセコイもんじゃなかった。
「開通ダッシュ」でしたね!
(注)「永田センセイ」・・・永田和彦。東京湾アクアライン開通時には、300km/hの開通ダッシュを実施したとされる。