この記事は、
日産自がNY市「イエローキャブ」納入契約を受注、総額10億ドルについて書いています。
意外な物言いと思われるかもしれないが・・・、
「アメリカって自由の国とか言っておきながら、ヘーキで個人(個々の企業)の自由意思を奪うんだな」
という思いが。
何故?
と問われれば、組合・ギルドの組織で、車両雛形・使用車種まで決めてしまうんだから。
(この種の「強制」は、
「カリフォルニア州で、大手自動車メーカーはEV、もしくは燃料電池車を販売する義務を負うというZEV規制が始まる」というようなものとして表面化してはいたのだが)
それにしても、NYのタクシーがワンボックス化とはねぇ・・・。
いよいよアメリカ人もデブが深刻化してきたんだな。
↑
問題発言である!!
この件に関しては、いきさつ・車両の容姿を見ていると、なんだか釈然としないようなものがある。
新型タクシー車両納入では、日産とともに、トルコのカルサン・オートモーティブ<KARSN.IS>と米フォード・モーター<F.N>が最終候補に残っていた。
↑
トルコ???
トルコ車???
初めて聞いたし。
ってゆーか、
組合・ギルドの組織で、車両雛形・使用車種の「強制」って、いいのか? これ、トンデモないトラブルにならんか?
「個々の組合員に、車両選択意思の権利はあるか?」とかいう・・・、
これ・・・とんでもないトラブルに発展して、その厄介ごとに巻き込まれんか???
(日本郵便と、ゼロスポーツ倒産みたいな)
だが・・・どうなんだろう?
あのイエローキャブの団体は、ずっと、「ある程度の車種指定」をかけているんだろうか?
するってえと、「自由の国アメリカ」なんていっても、
業界団体の縛りは異様なほど煩くて不自由、ということなんだろうか。
ひょっとすると、東個協や日個連の方が、ずっと縛りが緩いのかもしれないな。
(車種のバラエティも豊かだし)
それにしてもワンボックス化するとなると、
「『TAXY』シリーズみたいなドライバー」はあり得なくなるな。
だが、
エジソンがテスラを排除するために、議員に働きかけて、「ニューヨークでは直流電源しか認めない!」なんて法律をつくって(←ドクター中松談)、
それが未だに残っていて、だから未だにニューヨークは直流電気で、
(↑ドクター中松談。
実際には、「地下鉄やその駅など、直流電源使用施設が未だに多く残っている」ということではなかろうか?)
とか言ってる、
「そういう都市」が、
「セダンボディ」を全部放棄してコレばかりに、とは考え難いのだが・・・。
あくまで、採用車種の一つで、ワンボックス部門だろ?
と思ってるのだが・・・違うのか?
と・・・こんなことを思ってはみるものの、
やはり私の頭は、
エジソン起源の会社・・・GE社製の(原子)炉によってもたらされた、災厄という、日本の現実の方に戻ってしまう。
しかしそれでは神経が持たないので、
(リラックスの意味でも?)
「『TAXY』シリーズみたいなドライバー」を紹介します。
↓
以下のページ
↓
http://www.geocities.co.jp/milo_impulse/novel/car/araitaxi.html
「あらいタクシー」
俺は、荒井という。個人タクシーの運転手だ。愛車は、タクシーとしてはあまり使われていないのだが、日産のプリメーラだ。どうしてこいつを使っているか、理解できない奴は、俺の車に乗らない。だけど、俺の車がどんな性格かを知っている奴は、俺の車に喜んで乗ってくれるんだ。
「運ちゃん!大至急出てくれ!」
俺がドアを開けてやる前に、若い男が車に乗り込んできた。何故、俺の車なんか選んだんだろう。あ、回りに同業者がいない。それでか……。
「どの等級で?」
「とにかく早くしろ!」
「それじゃ、超特急ね」
俺は、プリメーラのキーを回した。
ドゥルン!ドドドドドドドド……
タクシーとは思えないような、凄まじい音がしている。いかにもチューニングカーだ。でも、触媒は外していないから、地球に優しいんだぞ。
「何処へ?」
「空港だ!四十分後の便に乗らないとクビなんだ!」
「了解」
俺がアクセルを吹かすと、プリメーラは狂ったような雄叫びを上げながら、猛スピードで発進した。
空港までは、普通のタクシーだと一時間だ。でも、俺のタクシーは違う。遅くとも三十分だ。四十キロ制限の道を、百二十キロで飛ばしている。絶好調だぜ。
「あ、あの……。このタクシーは何なんですか?」
客の野郎、急げと言ったくせに、俺のマシンにびびってやがる。
「乗る前に見ただろう?」
「あらいタクシーって……」
「その通り、荒いんだよ。普通のタクシーじゃ間に合わないとこを、俺は間に合わせられるんだ」
「そうですか……」
どうやら、この客は俺を誤解していたらしい。まあ良かろう。いつの世でも、凄い奴というのは、なかなか認められないものだ。
「そこのタクシー、止まりなさい!」
田舎道なのに、うるさい奴が俺を見付けたみたいだ。
「パ、パトカーが追ってきてますよ!」
客の顔が青ざめた。バックミラーを見ると、葬式カラーのマークⅡが来ている。敵としてはちょっと不満だが、良かろう。本当なら、特高のBNR32型日産スカイラインGTRと勝負したいのだが、ここは一般道路だ。それは望まぬ事にしよう。
「加給圧アップだ」
俺は、電気式VVCのボタンを押し、暴走用のセッティングに切り替えた。そして、それに呼応するように、コンピューターも燃料を増量した。
キュウィーン!
派手な給気音が、室内まで伝わってくる。半端な音じゃない。信じられないかもしれないが、本当なのだ。タクシーだと思って乗ったら、きっとびっくりするぞ。これはタクシーなんかじゃない。ただのチューニングカーだ。
「ど、どうするんですか!」
「振り切る!」
アクセル一発で、タコの針は8000rpmを越えた。フッフッフ、こんなに回るプリメーラなんて、そんなに存在しないぜ。いや、こいつはまだまだ回すことができるんだ。強度なら十分。何せ、特注の鍛造クランクシャフトだぜ。
では、ここで俺のプリメーラに施されたチューニングでも紹介しようか。
エンジンは、SR20DETに換装。IHIのF1タービンを装着し、吸排気系の見直し、各部バランス取りなどで、えらいパワーアップ。クランクシャフトとカムは特注のスペシャルタイプで、これもパワーアップと耐久力アップを実現している。インタークーラーも大容量タイプを据えたから、冷却能力だって高いんだ。もちろん、オイルクーラーも大きいぞ。車検対応の特注80φマフラーを装着。最後のトドメにコンピューターチューンもやってる。推定四百五十馬力以上だ。
そして、そのパワーを支える足回りだけれど、もちろん固めてあるぞ。強化スプリングをビルショックに組み合わせ、ブレーキは4ポッドのベンチレーテッドディスク。パッドはもちろんレーシングパッドに変えてある。で、ホイールは人気のBBSで、タイヤはアドバングローバ。タクシーの仕様じゃないわな。車高は落ちてるけど、車検は通るぞ。
外観上の特色と言えば、顔をRグリルに変えてあるって事かな?ブタ鼻が嫌だから、GTR風に変えたってわけだ。その影響で、ボンネットはFRP製のエアダクト付きに変更されている。かっこいいんだぞ。
「パトカーに勝てるわけがないでしょう!?」
客が悲鳴を上げた。
「このコーナーで分かる!」
目の前はとってもきついカーブ。俺は男の意地で、ぎりぎりまでアクセルを緩めない。パトカーも、俺に追いすがるため、全開で突っ込んでくる。
馬鹿め、引っ掛かったな!
「ぶ、ぶつかる!」
ガードレールが身近に感じられた瞬間、俺はサイドのレバーを握った。
「プリメーラなんかでサイドを引くなんて!」
とっても危険だった。前代未聞だろう。しかし、俺のプリメーラはただのプリメーラではない。FFだと思うな。俺のはアテーサ付きのフルタイム四駆だ。それも、リア重視セッティングだ。
四つの車輪が地面を掴み、百五十キロオーバーのハイスピードからドリフトに突入。サイドを引いたまま、俺はコーナーを駆け抜けた。もちろん、車体は真横に滑っていった。ギャラリーがいなかったのが残念だが、天下無敵のドリフトだ。
「あ、パトカーが!」
パトカーは俺の真似をしようとしたが、できるはずがない。普通の足じゃ、あのコーナリングは不可能だ。ケツからガードレールに突っ込み、大破した。
「お客さん、時間はまだ残ってる?」
「あと十五分です。やっぱり、無理ですよ……」
客の野郎、泣きそうな顔をしてやがる。しかし、このままじゃあ間に合わないのも事実だ。曲がりくねった山岳道が続き、最高四百五十馬力のプリメーラでも、パワーを生かせていない。シフトチェンジが大変だ。もっと、パワーがあれば……。
その時、俺の脳裏には一つのスイッチが取り付けられていたことが蘇ってきた。そうだ、あれを使えばトルクが著しく上がり、限界を越えたスピードを発揮することが可能になる!
「ニトロパワーオン!」
緑色のボタンを押すと、俺がこっそり積んでいたニトロ系添加剤が燃料に混合され、更なるパワーを引き出すのだ。
ジェットエンジンのようなレスポンスで、登り10%勾配を駆け登るプリメーラ。これまで、シフトダウンしなくては加速できなかった坂を、ニトロパワーの入ったプリメーラは、シフトチェンジすることなく、猛烈な加速で登っていく。
「んな、アホな!」
客もびっくり仰天の、スーパープリメーラだ。
「ちょっと、音楽を入れるけど勘弁してくれよ」
俺は、びっくりしている客に断ってから、アルパインのコンポのスイッチを入れた。
室内に埋めこまれたスピーカーが奏でるサウンドは、もちろん俺のお気に入り、ズンタタの「フルスロットル」だ。
α波を逆撫でするようなハードロック。アクセルを思わず踏み込ませるフルスロットルという響き。タクシーで聞く音楽ではない。
プリメーラは、ストレートでは二百キロをマークする走りで、空港へとひた走った。
離陸五分前に、俺は空港の玄関前へと到着した。
「二万五千円ね」
「二万五千!?」
普通の三倍以上もする料金に、客はびびったようだ。
「特急料金だよ。パトカーを振り切ってまで間に合わせたんだ。その位は払ってくれ」
俺が言うと、客は仕方無しに払い、急いで空港へと走っていった。
ああ、気持ちいいなあ。
さて、そろそろリアのナンバーステッカーを張り替えるか。帰りにあのパトカーの仲間と出くわしたら大変だ。
俺は、十枚ほどストックしてあるステッカーのうち、一枚を選びだすと、正規のナンバーの上にぺたりと張った。こうしておけば、パトカーに目を付けられても大丈夫なのだ。頭がいいなあ。
俺のプリメーラは、再び市内へとのんびり帰っていった。また、俺を待っている客がいるかもしれない。そんな客のために、今はエンジンを休めておくのだ。
あらいタクシーは、君の街の近くにいるかもしれない。