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2015年03月09日 05:00
を、メモしています。
法律家とは業の深い職業なのか? - 及川修平 2/2
■代理人として考えていること
私は相談を聴く際、訴訟となりそうなケースでは「裁判所の考える常識とはどこにあるだろうか」ということを頭の片隅で考えている。
裁判とは相手を引きずり出すところではないということを前回の記事では書いたが(『裁判所で「とりあえず半分でどう?」と言われたらどうする?』)、依頼者と一緒になって感情に走ってしまうと結果として自分の依頼者を不幸にしてしまうこともある。
じっくりと話を聴きながら、どのような選択肢があるのか、どのような結果が予想されるのかを一緒に考える。その過程の中で、考えを共有し信頼関係を築き上げていく。
司法書士は、依頼者の利益を実現するといっても依頼者の要求通りに何でもやる…ということではないのだ。
■法律家とは業の深い職業か?
法律家とは業の深い職業か?
これに対しては、私は少し違うのではないかという感想を持った。
そのような一面があることを否定はしないが、このドラマの設定で言うならば、病床に伏せる父親がいれば借りたお金を返さなくてよいということにはならない。「相手がかわいそうだからお金を請求は止めておこう…」などということがあってはまったくおかしなことになる。
だからといって、私は相手がどうなっても構わないといっているのではない。私が言いたいのは、その女性が経営に行き詰まり家計が苦しい状況を打開したいと思ったとき、手を差し伸べるのは別の法律家であるべきだ…ということだ。
仮に女性が別の法律家のところに相談に行っていれば、結果は違っていたかもしれない。店の経営ができなくなるほど追いつめられる前に、例えば最低でも借りたお金を分割で支払う…という提案をするなどの方法が考えられたはずだ。
女性の側に立った法律家は、女性の利益を実現するために仕事をする。それぞれが、それぞれの依頼者のために全力で仕事をし、結論を導き出していくのだ。これが「代理人」の仕事だ。大岡裁きをするのが代理人の仕事ではない。
もちろん、誰もが法律家を利用できなければならない。代理人が「自分の依頼者の利益の実現を目指す」というのはそれがあっての話だ。一部の人間だけが法律家を利用できる…ということではいけない。
法律家に相談しやすい場を作るということは、依頼者の利益の実現を目指すということと同じくらい、法律家にとって重要な仕事なのだ。
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及川修平 司法書士
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Posted at 2015/10/16 19:30:07 | |
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