全日本ジムカーナでチャンピオンになったよ。

2016全日本ジムカーナ選手権第６戦＠もてぎ南にて。
PN1クラスシリーズチャンピオンを獲得しました。
（画像はダンロップモータースポーツWEBより。）

2003年から全日本シリーズにフル参戦し、14年もかかっちゃいました。
何の実績もない自分を拾い上げてくれたトーヨータイヤ様には、今でもほんとうに感謝しています。
そして何よりも、2003-2009のN1クラスの仲間、2010-2016のPN1クラスの仲間に対しては、言葉で表せるものがありません。
みんながいたからここまで頑張れたのだと思っています。ありがとう。

2015年。去年の雨の鈴鹿で「普通に走ればタイムが出る」ということに気が付き、
名阪では「自分の理想通り走れば勝てる」ということに気が付き、
調子に乗って慢心し、北海道を欠場してからの歯車の狂いは止められず、
最終戦の本庄ではジムカーナ経験で最も、いや人生で最も悔しい経験をしました。
自分の意志ではどうにもならない、そして泣いても叫んでも取り返しの付かないことがあるんだと
強く強く心に刻まれる悲しい出来事でした。

このままジムカーナを辞めてしまおうかと本気で考えましたが、やり残した事があるのは明確で、いつも左手には5速へシフトミスした時の感触が残り、耳にはパドックへ戻る時に聞こえたチャンピオン決定を伝える島村アナの絶叫が残っているのです。

つまり、やることはひとつしかない。

そこからは全日本チャンピオンを取るため「だけ」に活動してきました。
眠くても、疲労で体が動かなくても、間隔をあけずに練習し、
全てのラウンドで有給休暇をとって金曜練習から参加し、
本番のパドックでは他のみなさんと「コミュニケーション」をほとんど取ることなく体を休め、
日曜の決勝に最大の競技パフォーマンスが発揮できるように、土曜の走行では「調整」をしたこともあります。

その甲斐あってか、開幕戦では黄色い旋風に巻き込まれたものの、第2戦からはおれが一番「速かった」と思います。
そして振り返って見ると、美川での逆転勝利（3勝目）が、結果に最も影響を与えた一戦だったと思います。
「伏兵に足をすくわれない」これがシリーズを取るにはとても大事なことだと思います。

いま、とても充実した気持ちです。よく言う「やりきった感」があります。
欲しくて欲しくてたまらなくて、お金と、時間と、そして情熱を注ぎ込んで、ようやく手にすることが出来ました。本当にうれしいです。この数日間、思い返せばすぐにウルウルしてきちゃうので、なるべく思い出さないようにしてます。

でも、ジムカーナをする理由がなくなっちゃった。

女子がよく言う「一旦、距離を置きたいの。」みたいな感じですかね。
もうあんなに苦しい思いをするのは嫌だ。もうあんなに「人の上に行きたがる」ことだけ考えてるのは嫌だ。
今シーズン、残りの九州とアローザはお休みします。疲れちゃった。

「全日本に出てるだけ選手」に言いたい。
２位以下は「負け」だからね。表彰台に乗れれば、なんて嘘だ。
ポイントゲット！？２位以下は０点でいいのに。
どこかで自分に言い訳してない？負け続けてる自分を自分の中で認めてないかい？
勝負は勝つため「だけ」にやるもんだ。友達作りに行ってるんじゃない。

最高に楽しいシーズンでした。
苦しかったけど、辛かったけど、ただのほほんと毎日を過ごしていたのでは得られないものがたくさん自分の傍にあるんだってことに気が付かせてもらえました。

当日お声がけくださった方々、１４年間いっしょにやってきた仲間のみんな、
本当にありがとうございました。